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KDE Plasma 6.4リリース⁠Waylandサポート強化が進む

KDEプロジェクトは6月17日、⁠KDE Plasma 6.4」のリリースを発表した。アクセシビリティ、カラーレンダリング、タブレットサポート、ウィンドウ管理といったデスクトップ操作に関連した多くのUXが改善されたことに加え、Waylandにフォーカスした機能強化が目立つバージョンとなっている。

Plasma 6.4 - KDE Community

KDE Plasma 6.4ではX11固有のコードを「KWin-X11」として別のパッケージに分離してモジュール化しており、今後はWaylandにフォーカスする方針をより明確にしている。KDEプロジェクトのTracey Clarkは6月2日付けのブログ「かつてのWaylandは日常的に使うにはあまりにも使いにくく、マルチモニタ環境では安定しないことが多かったが、最近ではマルチディスプレイでも非常に使いやすく、逆にX11を使うことを苦痛に感じる」とコメントしており、バージョンを重ねるごとにWaylandの安定性が高まっているとしている。

その他のおもなアップデートは以下の通り。

  • ウィンドウ管理 … 仮想デスクトップごとに異なるタイルレイアウトを選択可能
  • アクセシビリティ … Waylandセッションにおけるキーボードの数字キーを利用したポインタの移動、3本指のピンチジェスチャーによる全画面ズームイン&アウト
  • UI/ビジュアルデザイン … 前景と背景のコントラストを高め、テキストやUIを際立たせるため、Breeze Darkテーマを暗めに変更
  • 通知エクスペリエンス … ファイル転送時の速度グラフの表示、アップデート通知からの直接インストール、フルスクリーンモード時の緊急通知以外の"Do Not Disturb"機能(おやすみモード⁠⁠、マイクアクセス時のミュートモードに対するポップアップなど
  • システムモニタ … 概要ページ(Overview)と履歴ページ(History)が大幅に見直され、履歴ページでは2種類のCPUグラフ(トータルとコアごと)およびGPU使用率グラフが追加
  • Spectacle(スクリーンショット/レコーディングの組み込みアプリ⁠⁠ … PrtScキーを押すとSpectacleが直接スクリーンショットモードで起動し、ドラッグして領域を選択またはEnterを押すとすぐにスクリーンショットを撮影
  • KRunner … 任意の表記(16進数またはCSS/SVG名)でカラーコードを入力するとその色を表示

また、次のメジャーバージョン「KDE Plasma 6.5.0」ではWaylandにおけるPiP(Picture-in-Picture)のサポートが予定されるなど、よりWaylandファーストな動きが加速するとみられる。

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