書籍
コアプラグイン
Obsidianには公式として提供されているコアプラグインと、第三者が提供するコミュニティプラグインがあります。コアプラグインは追加でのダウンロードが不要で、使うかどうかを利用者がオプションとして選択できます。まずはこのコアプラグインとして追加された機能を紹介します。
Basesプラグイン
Obsidian 1.
たとえば、読んだ本を管理するノートを作成するとき、次のようにMarkdown形式のファイルに書誌情報を記録したとします。Markdownのフロントマター部分
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title: Obsidianで“育てる”最強ノート術
genre:
- ノート術
release_date: 2023-10-18
publisher: 技術評論社
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# Obsidianで“育てる”最強ノート術
このようなファイルを格納したフォルダでコマンドパレットから

このように、1つのMarkdownファイルがデータベースの1レコードに対応していることが特徴です。つまり、レコードを増やすにはMarkdownファイルを作成するだけです。
そして、フィルタ条件の設定や表示する項目の追加なども画面上部の
さらに、データベースのような表示をノート内に埋め込んで記述することもできます。たとえば、Markdownファイル内に次のような記述をすると、ノート内にテーブル形式で表示でき、並べ替える項目などもテキスト形式で指定できます。
# 書籍一覧
この下に読んだ本の一覧を表示します。
```base
views:
- type: table
name: Table
order:
- file.name
- title
- publisher
- release_date
sort:
- column: property.release_date
direction: DESC
```
現状ではテーブル形式での表示だけですが、これまで作成したノートをより柔軟にデータベースのように扱えます。
このコアプラグイン
Web viewerプラグイン
これまで、Webサイトの内容をメモとしてまとめるときは、WebブラウザとObsidianをそれぞれ開いて作業していました。しかし、Obsidian 1.

それだけでなく、図のアドレスバーの右側にある眼鏡マークのアイコンを押すことで、本文の部分だけを表示できます。さらに、図のメニューとして表示している中から
コミュニティプラグイン
前回はObsidianをClineなどと連携してAIを活用する方法について解説しました。しかし、Obsidian単体でもAIを活用できます。このときに便利なコミュニティプラグインについて紹介します。
Copilotプラグイン
Obsidian内でAIアシスタントとして機能し、ノートの要約や質問への応答、文章の生成などができるのがCopilotプラグインです。作成したノートを読み込み、内容に基づいてAIと対話したり、編集をサポートしてくれたりします。このため、ノートの整理やアイデア出しに活用できます。
さまざまなLLMを選択できるので、自分が使っているLLMのAPIキーを指定すると、そのLLMを実行できます。たとえば、前回の記事で紹介したような
このプラグインを導入すると、次の図の画面左端の一番下にチャットのアイコンが表示され、これを押すとLLMとチャットとして文章を生成できるようになります。これだけでも便利に使えますが、ノートの中から文章を選択して右クリックしたときに表示される、図のようなメニューです。

ここには、
Smart Connectionsプラグイン
自分が作成したノート間の関連性をAIが解析し、関連するノートを瞬時に提示してくれるのがSmart Connectionsプラグインです。ローカルで動作する埋め込みモデルを使うだけであれば、LLMのAPIキーなどは不要で、プライバシーを保ちながらノート間の関係を把握できます。
このとき、ページ内からのリンクは不要で、次の図の右にあるように、関連するノートを関連度と合わせて表示してくれます。

また、

さらに、

その他の機能
その他にもObsidianそのものの機能強化や、Webブラウザの拡張機能などが登場しており、便利に使えるようになりました。
テーブルの操作機能の強化
Markdown形式で表を作成するとき、次のように記述します。これまではコミュニティプラグインを使わないと、Markdown記法を使って手動で編集する必要があり、列の追加などは面倒でした。
| 項目 | 内容 |
| --- | --- |
| タイトル | Obsidianで“育てる”最強ノート術 |
| 著者 | 増井 敏克(増井技術士事務所 代表) |
| 価格 | 2,200円(2,000円+税) |
| ページ数 | 208ページ |
| 出版社 | 技術評論社 |
| 発売日 | 2023/10/18 |
しかし、Obsidian 1.

Obsidian Web Clipper
Webブラウザの拡張機能として、
Obsidianは2024年まで、公式のWebクリップ機能を持っていませんでした。手動でコピー&ペーストする方法はありましたが、効率的とは言えず、Web情報の取り込みに工夫が必要でした。
しかし、
大きな特徴として、Webサイトのドメインごとにクリップする内容をカスタマイズできるところです。たとえば、Amazonの商品ページをクリップするとき、商品名や価格、評価、画像など必要な情報だけを抽出してノートに保存できます。事前にテンプレートを作成しておけば、ワンクリックで必要な情報を整理して取り込めるため、効率よく情報を収集できます。
まとめ
Obsidianは豊富なコミュニティプラグインによって日々進化しています。さらに、Basesのようなデータベース機能の強化により、Obsidianは個人の知識管理だけでなく、データベースとして活用できる可能性があります。
もちろん、あくまでもプラグインなので使うかどうかは利用者に任されています。そして、変わらないこととして、いずれのノートもMarkdown形式でデータが保存されていることが挙げられます。データベースのような機能が追加されても、データはあくまでもMarkdown形式です。これまでに作成したノートがそのまま使える状態を保ちつつ、より使いやすいノートアプリとして開発が進んでいるのです。