Linux Daily Topics

Wayback 0.1リリース “X on Wayland”めざすプロジェクトが始動1ヵ月で最初のプレビュー版

Wayland上でのX11互換レイヤ構築をめざすオープンソースプロジェクト「Wayback」は7月23日、最初のプレビューリリースとなる「Wayback 0.1」を公開した。Alpine Linuxの開発者であるAriadne Conillがプロジェクトをローンチしてから約1ヵ月でのプレビューリリースとなったが、開発チームは「これはプレビューリリースだが、バグをそれほど気にしないのであれば、シンプルなユーザの要求に日常的に応えられる状態になっている」とコメントしており、すでに少なくないX11ユーザがWaybackでX11環境を利用していることがうかがえる。

開発チームはWayback 0.1における6月のローンチ時点からの変更点として以下を挙げている。

  • Ariadne ConillのGitHubリポジトリからFreeDesktop.orgのGitLabグループに移行し、FreeDesktop.org傘下のプロジェクトに
  • WaybackをX.orgライクな構造に分割
    • …Waylandコンポジタ本体の「wayback-compositor⁠⁠ / Xwaylandおよびwayback-compositor起動のためのX.org互換のコマンドラインインタフェース「Xwayback⁠⁠ / startx互換インタフェースを提供する「wayback-session」
  • より一元化されたロギングメカニズム
  • clang-formatによる適切で洗練されたコーディングスタイル
  • Alpine Linux、Nix、Arch Linux、Fedoraといったディストリビューションでのパッケージ化
  • getoptに似た新しいオプションパーサの実装
  • 多くのバグの修正

なお、バージョン0.1時点では、マルチモニタやDPMS(Display Power Management Signaling)制御はサポートされておらず、X.orgオプションの多くは未対応で、さらにマウスロックなどの機能は動作していない。

Waybackはバージョン0.1のリリースと同時に「X.orgのロゴに大きく影響を受けた」というWaybackのロゴを公開、あわせて新しいWebサイトもオープンしている。

Wayback
URL:https://wayback.freedesktop.org/
Waybackロゴ
Waybackロゴ

ローンチから1ヵ月でプレビュー版をリリースできたことについて、Wayback開発チームは「活気あふれるコミュニティのおかげで、目標達成に向けて着実に前進している。安定したリリースを出すまでにはまだやるべきことが数多くあるので、どんな小さなことでもあらゆる支援を歓迎する」とコメントしており、安定した"X on Wayland"の実現に向けてプロジェクトへの協力を呼びかけている。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧