Docker MCP Catalog⁠機能強化とオープンな登録受付を発表

Docker社は2025年7月1日、MCPサーバーのDockerイメージを一元的に発見・取得できるカタログDocker MCP Catalogの機能強化と、一般ユーザーによるサーバー登録申請の受付開始を発表した。

従来、MCPサーバーを最小構成でインストールする場合、npxやuvxコマンドを直接実行する必要があり、ホストシステムへの完全なアクセス権を持つ未検証コードの実行というセキュリティ上のリスクがあった。この課題に対し、Docker社は2025年5月に「Docker MCP Catalog」のβ版を公開。MCPサーバーのイメージはDocker Hub上で配布され、Catalogを通じて一元的に管理・発見できる仕組みを構築。暗号署名・SBOM(Software Bill of Materials⁠⁠・ホスト分離・最小権限アクセス・脆弱性スキャンなど多層的なセキュリティ対策を組み込み、安全な配布を実現した。β版公開から数週間で100万以上のプル、数百件のパブリッシャー申請があったという。

なお、Docker MCP Catalogで配布されるMCPサーバーは「Docker-built」「Community-built」に分類される。Docker-builtでは、Docker社がビルドパイプライン全体を管理し、署名・SBOM・プロビナンス証明・継続的な脆弱性スキャンを実施する。一方Community-builtでは、開発者自身がDockerイメージ化してCatalogで配布する方式となる(ビルドプロセスはDocker社の管理外だが、コンテナ配布により安全性が向上している⁠⁠。

今回のアップデートでカタログ機能が強化され、MCPサーバーのDockerイメージを誰でも登録申請できるようになった。

カタログでは、ユースケース別の分類(Data Integration, Development Tools, Communication, Analyticsなど)や機能・GitHubタグによる検索、各サーバーのセキュリティ情報の明示などが追加。Docker MCP Catalogへの登録は、MCPサーバーをDockerイメージとしてパッケージ化し、GitHubのOfficial Docker MCP Registryでプルリクエストを作成、その際にDocker-builtまたはCommunity-builtを選択して申請する。その後、セキュリティガイドラインに準拠したサーバーがCatalogで公開され、Docker HubやDocker Desktopから利用できる。利用・登録にはDocker社の利用規約・プライバシーポリシー等が適用される。

今後は、リモートMCPサーバーや、コミュニティ主導の公式MCPレジストリとの連携も予定されている。

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