イラストでわかる! Blenderの基礎知識

Blenderで深度マップを使用して立体的に見えるオブジェクトを作成してみよう 〜前編〜

本連載では、Blenderの基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第64回目は、深度マップを使用して平面のオブジェクトを立体的に見せる方法を見ていきます。

深度マップとは

深度マップとは、画像の各ピルセルがどれほどカメラから離れているかを示している画像データです。別名「デプスマップ」とも言われます。一般的に、グレースケールで描かれており、白いほど手前に、黒いほど奥側の距離にあることを示していることが多いです。

Blenderではモディファイアを使用することで、この深度マップから凹凸を作り出すことができます。今回は、平面に対してこの深度マップを使用し凹凸を作っていく方法を見ていきます。

まずは画像から深度マップを作成しよう

今回は、AIを使用して深度マップを作成していきます。以下のURLから深度マップを作成できるので、アクセスしてみましょう。

Marigold Depth Estimation - a Hugging Face Space by prs-eth

アクセスすると、画面中央に画像をアップロードする箇所があります。そこをクリックし、深度マップを作成したい画像を選択してアップロードしましょう。

アップロードすると、自動的に深度マップを作成してくれます。しかし、作成された深度マップをダウンロードするボタンがありません。そこで画像上で右クリックをし、⁠名前を付けて保存」を選択して、画像をダウンロードしましょう。

Blenderで操作していく

画像がダウンロードできたら、次はBlenderで操作していきます。Blenderを起動したら、まずはデフォルトの立方体を削除します。そして代わりに平面を配置します。

配置した平面にモディファイアを適用させましょう。平面を選択した状態で、⁠モディファイアプロパティ]から[ディスプレイス]をクリックします。⁠ディスプレイス]が反映できたら、⁠ディスプレイス]の項目内にある[新規]をクリックします。

次に[テクスチャプロパティ]に関するタブに切り替えます。⁠開く]から先ほど保存した深度マップの画像を選択しましょう。この時点では、オブジェクトにはなにも変化がありません。

オブジェクトが選択されている状態で[編集モード]に切り替えます。メッシュを全選択し、右クリックから[細分化]を選びます。ウィンドウ左下に小さく項目を調整するメニューが表示されているので、⁠分割数]を50ほどにしてみます。

細分化を行ったあとに、⁠オブジェクトモード]に切り替えると、深度マップをもとに、平面に凹凸が現れます。


このあとは、オブジェクトに元となった画像のマテリアルを貼り付けて、さらに凹凸を滑らかにするためにサブディビジョンサーフェスを適用して、適宜[ディスプレイス]の各数値を調整して……としていくのですが、長くなってしまうため、次回に持ち越したいと思います。

次回も読んでくださると嬉しいです!

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