2025年もあと数日を残すのみとなり、本コラムも本年最後の掲載なので、年末らしく、この1年で起こったLinux界隈のあれこれをざっくりと振り返ってみたい。
Linuxカーネル
メインラインのアップデートは1月19日の
カーネル機能のアップデートに関しては、ドラスティックな新機能の追加よりも、パフォーマンス改善やセキュリティ強化を重視した改善、とくにBtrfsやext4、XFSといった主要なファイルシステムの継続的な機能強化が目立った。また、2022年から始まったRustの統合が着実に進み、メインラインにおける実験的フェーズを完了したことも重要な進展のひとつだったといえる。なお、カーネル開発コミュニティとコンプライアンス案件で何度も衝突し、Linusからも警告を受けていたKent Overstreetがリードデベロッパとして開発するファイルシステムBcachefsはLinux 6.
2026年最初のカーネルリリースとなる
デスクトップはWayland一本化が進む
デスクトップ環境のトレンドとしてはやはりWaylandへの一本化がより進んだことが挙げられるだろう。GNOMEもKDEもX11のサポートを徐々に終了してWaylandにフォーカスする方針を明らかにしており、GNOMEに至っては9月リリースの
また、KDE Plasmaも10月にリリースした
もっとも、X11アプリを使わなければならない状況にあるユーザも少なからず存在するわけで、そうしたユーザに対してはWayland上でX11アプリを動かすための互換レイヤである
Others
その他、今年のLinux関連ニュースで気になったものを挙げておく。
- 2年ぶりのメジャーアップデートとなったDebian 13 "Trixie"が8月にリリース、Debian 15のコードネームは
“Duke” に決定、systemdフリーのDevuanもTrixieベースに - Intel、Brendan Greggなど著名なLinuxカーネルエンジニアやオープンソースエンジニアの退職が相次ぐ、オープンソースプロジェクト
「Clear Linux OS」 のサポートも終了 - Linux/オープンソースの開発におけるAIツールの利用についての議論が増えるもAI懐疑派/慎重派の発言も目立つ
- NVIDIA、BlackwellやRubinなど次世代GPUアクセラレータのLinuxサポートに積極的に対応、Rustで書かれたドライバ
「NOVA」 はLinux 6. 15でイニシャルサポート - Red Hat Enterprise Linux 10が5月にリリース、3年ぶりのメジャーアップデートでAIサポートとセキュリティを強化
- Linux Foudation、2025年度の収益として3億1000万ドルを達成、初の3億ドル超え
個人的に注目しているのが、Linux/オープンソース開発におけるAIの統合だ。先日、Firefoxの新CEOがFirefoxへのAI機能実装を宣言したところ、少なくない数のユーザから強い批判を受けたことは記憶に新しいが、おそらくLinuxカーネルやディストリビューションにおいても今後、同様のトピックが議論される機会が増えることが予想されるだけに、動向を注視していきたい。
2025年も本コラムをお読みいただき、ありがとうございました。良いお年をお迎えください。
