JetBrainsとZedは2026年1月28日、「 ACPレジストリ(ACP Registry) 」をベータ版として公開したことを発表した。これはACP(Agent Client Protocol)に対応するコーディングエージェントのオープンディレクトリであり、すでにJetBrains IDEおよびZedに直接統合されている。
ACPは、コーディングエージェントとIDEやエディタ(クライアント)を接続するためのオープンなプロトコル。LSP(Language Server Protocol)がプログラミング言語とクライアントの連携を標準化したように、ACPはエージェントとクライアント間の通信の標準化を進めるもの。この仕組みにより、エージェント開発者は、ACPに準拠した実装を行うだけで済むようになる。個別の統合開発が不要になることで、ユーザーはJetBrains IDEやZedなど、ACPをサポートするエディタ上で幅広くACP対応エージェントを利用できるようになる。
今回発表したACPレジストリを利用することで、クライアントごとの設定ファイルの手動編集やエディタごとの拡張機能の導入を行うことなく、自身のワークフローに適したエージェントを発見し、ワンクリックでインストールできるようになる。また、新バージョンへの更新や、タスクに応じたエージェントの切り替えも容易になるという。
現在、ACPレジストリに掲載されているエージェントは以下のとおり。
Auggie CLI:Augment Codeの強力なソフトウェアエージェント。
Claude Code:Claude Code用ACPアダプター。
Codex CLI:OpenAIのコーディングアシスタント用ACPアダプター。
Factory Droid:Factory AIを搭載したAIコーディングエージェント。
Gemini CLI:Google公式のGemini用CLI。
GitHub Copilot:GitHubのAIペアプログラマー。
Mistral Vibe:Mistralのオープンソース・コーディングアシスタント。
OpenCode:オープンソースのコーディングエージェント。
Qwen Code:AlibabaのQwenコーディングアシスタント。
クライアント側からは、以下のURLを通じてレジストリ情報を取得することもできる。
curl https://cdn.agentclientprotocol.com/registry/v1/latest/registry.json
なお、ACPレジストリへの登録は、GitHub上のACP Registryリポジトリをフォークし、エージェントIDのフォルダを作成後、スキーマに従ったagent.jsonファイルとアイコンを追加してプルリクエストを送信するかたちになる(現時点での掲載対象は認証フローをサポートするエージェントのみに限定されている) 。
JetBrains IDEでACPレジストリを利用するには、最新のJetBrains AIプラグインを導入する。そして、設定画面のToolsからAI AssistantのAgentsを開くか、エージェント選択メニューで「Install From ACP Registry…」を選び、目的のエージェントのInstallボタンを押すことで、すぐにAI Chatで使用できるようになる。
Zedでは、エディタ内に設けられたACP Registryページからエージェントの検索とインストールが可能になっている。これまでZedはAgent Extensionsを通じてエージェントを配布していたが、長期的にはレジストリ経由での統一された配布方式へ移行する方針とのこと。現時点では併用可能だが、同一エージェントを重複してインストールした場合はレジストリ版が優先して動作する。
コラム: GitHub Copilot CLI、 ACP対応へ
GitHubは2026年1月28日、Copilot CLIにおけるACP対応がパブリックプレビューとして利用可能になったことを発表した。これはGitHub Copilot CLIがACPに準拠した「AIエージェント」として振る舞えるようになったことを意味する。これにより、サードパーティのエディタなどがCopilot CLIを介してCopilotの機能と連携することが可能になった。
Copilot CLIは、専用のフラグを付与して実行することで「ACPモード」として起動し、外部からの接続を待機するようになった。接続方式は標準入出力またはTCPポート通信に対応している。
# stdio(標準入出力)経由でエージェントを起動
copilot --acp
# TCPポート(例:8080)を指定して接続を待機
copilot --acp --port 8080
ACPクライアントとなるエディタは、起動したCopilot CLIのエージェント機能を検出した後、カスタム作業ディレクトリを持つ独立したセッションを作成する。このセッションを通じて、テキスト・画像・コンテキストリソースを含むプロンプトの送信や、作業状況のストリーミング受信、ツール実行時の権限リクエストへの応答、さらには操作のキャンセルやライフサイクル管理といった一連の対話的な操作を行う仕組みとなっている。
ACPが使えるようになったことで、以下のような用途が想定されている。
IDE統合:公式サポート外のエディタや開発環境であっても、Copilot CLIをバックエンドとしてCopilotの機能を組み込む。
CI/CDパイプライン:自動化されたワークフロー内でCopilot CLIを起動し、エージェントによるコーディングタスクを自動実行・編成する。
カスタムフロントエンド:特定の開発ワークフローに特化した専用インターフェースを独自に作成する。
マルチエージェントシステム:ACP利用し、Copilotを他のAIエージェントと連携・協調させる。