CES 2026からお届け!

速報⁠注目無人ロボットタクシー「ZOOX」実車体験レポート

CESは世界最大規模のハイテク展示会の1つで、毎年1月の第2週ごろにラスベガスで開催されています。

米国時間2026年1月6日に今年も開幕し、筆者にとっての2026年のCESは、まずこのZOOX体験から始まりました。

ZOOX

ZOOXとは完全自動運転(無人)のロボット・タクシー(Robotaxi)で、開発企業であるZOOX Inc.は、CES 2026に合わせて誰でもラスベガス市内で体験試乗できるサービスを提供していました。

今、東京でもRobotaxiとして実走しているWaymoなどは、通常の車に自動運転のためのセンサーとコンピュータを載せたものです。それに対して、このZOOXはRobotaxi専用の車として設計・製造されたもので、写真1写真2のような姿をしています。

写真1 ZOOX前面
写真2 後方からの写真

見てのとおり前後がなく、どちら向けにも走れるように作られています。車の内装も前後はなく、4席あるシートは2席ずつが向かい合わせについています。

ZOOXにとって「今(いま⁠⁠」どちらが前かは、ヘッドライトやテールライトの色が示している、ということでしょうか。

前後どちらにも走れる設計のためか、少なくとも後輪側にもステアリング機構があるようです。車止めへの寄せや出庫の場面では、前後両方のタイヤが切られている様子が観察できました。後方から撮影した写真で、若干左後輪が内に切れているのがわかるでしょう。

乗車予約から乗り込みまで

アプリで乗車の予約をするとUberやLyftなどと同様に、あと何分で来ます、という表示が出ます写真3⁠。

写真3 予約時の画面

ただ筆者が何度か予約した限りでは、最初はほぼ間違いなく「45+ min」待ちと出ます。最終的には1時間前後待つこととなりました。

印象としては数十台かそれ以上の車両が走っていそうなのですが、現時点では試運転のために無料、かつCESなので試したい人が多そうで仕方ないですね。

筆者は合計3回乗ったのですが、2回目に午前11:00のサービス開始時間に合わせて予約してすぐ(15分待ち)で乗れた以外は1時間程度待つことになりました。

車両が来たら、アプリを開いた状態でドアに近づけ、その後アプリに出てくる「Open doors」ボタンをタッチしてドアを開けます。

乗り込んだ後、ドアを閉めるのは車体内部にある(まるで携帯のスクリーンのような)縦型タッチパネルに出る「Close doors」ボタンで操作します。

何からなにまでこの感じで、アプリあるいはそれっぽい画面の車内タッチスクリーンで操作します。シートベルトを締めないと動きませんし、走行開始もこのタッチパネルのボタン。それでも段階ごとに音声ガイダンスが出て悩まないで済むのは、つまりソフトウェアによる知的な対応の価値ですね。

写真4 車内のタッチパネル操作

実走

ところで筆者は何年も前に「Aptive / Lyft」の自動運転車に乗ったのを最後に、ここ最近のWaymoなどに乗っておれず、あまり良い比較ができません。

それでもとにかく「しっかり加速する」⁠ちゃんと(対向車や歩行者を)待つ」という、ある種当然のことをZOOXは危なげなくこなすことが確認でき、またそれを楽しく味わいました。

直進路では前車にぴったりつけて(速度を同期して=決められた距離を維持して)走るように作られているようで、かなりしっかり加速します。また、米国の信号のない交差点での4 way stop(一旦停止して、基本は交差点に入ったもの順に(相手の挙動を見ながら)発進する)もうまく処理できているようです。

ただ、ちょっと日本で運転するよりは「強気」の運転というか、歩行者がまだ渡り終わっていない(ただし発進しても衝突しない)ところに到達したらグイッと加速する感じでした。

似たような状況でそのようなことが何度かあったので、思うにそのくらいが(学習の元になったはずの)米国運転者の「間合い」なのかなと思ったりしました。

Robotaxiにも地域性、あるいは国民性のようなものが出るのかと、ちょっとおもしろい体験となりました。

なお、いざ走り出すと、前後がないデザインなので「前方視界」と呼べるものはほぼなく、後席に座って前が見えるのはヘッドレストの間から見えるこの範囲です。筆者がZOOXの挙動が見たかったので、ひたすらこの僅かの隙間から周囲を見続けていました。

写真5 夜間は天井に星空?のようなデコレーション(LEDあるいは光ファイバ?)が出る

前が見えない代わり?ではないですが、乗客に見えるのは主にガラスのドア越しに見える「横」です。車に乗っていて前を見ない、というのはちょっと慣れない感覚なのですが、運転しないのだから前を見る理由はとくにないわけで、Robotaxiは基本的にこういう乗車体験になるのですね。

自動運転を見据えて各社がエンタテインメントを含めた車内体験に力を入れていますが、⁠まあたしかにそうだねえ⁠⁠、と実感しました。

タイヤサイズは185/60R22のよう[1]ですから、かなりホイール径が大きく、その割に細めのタイヤです。

走行中に後輪側のステアを切っているのならそのせいかもしれませんが、いくらか普通の乗用車とは異なる乗車感・乗り心地となりました。

こればかりは文字では書けません。機会があれば皆さん乗ってみてください。

おわりに~Robotaxiは乗用車の行く着く「真っ当な」ゴールか

筆者はRobotaxiは(重機などではない)乗用車の行き着く「真っ当な」ゴールだと昔から考えており、ZOOXはそれに最も近づいたものなんだろうなと考えています。実際、Fashion ShowのRide share乗降所で待っていると頻繁にZOOXが来ます。

それを見ていると、未来的な外観も相まって、ああこれがそのうち群れをなして走るのが当たり前になるのだろうな、と想像しました写真6⁠。

このところ、CESでは未来を感じることが薄めになりつつあるのですが、今回のZOOXの試乗3回は私にとっては新年の良い刺激となりました。

写真6 Fashion Show の乗降場に入るために左折している筆者の乗るZOOXが、同じところを右折して入ろうとする別のZOOXを待っている場面

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