現在開発中の「Linux 6.19」は、作業が順調に進めば2月8日に正式版がリリースされる見込みだ。リリース後には次のメインラインとなる「Linux 7.0(またはLinux 6.20)」のマージウィンドウが2週間に渡ってオープンするとみられるが、そこでは新機能の追加だけでなく、過去の遺物となった機能の削除も行われる。今回、1980年代から1990年代にかけてスーパーコンピュータ向けのインターコネクト(バス)として使われた高速並列インタフェース「HIPPI(High Performance Parallel Interface)」がLinux 7.0から削除されることが確定的となった。
HIPPIはEthernetがまだ10~100Mbpsと低速だった時代に1Gbps級のパフォーマンスを実現、科学技術や画像処理といった大量のデータを高速転送する分野で、スパコンなどハイエンドなハードウェアに限って使われていた。しかし多数の信号線を同時に使うパラレル転送方式であったためケーブルが太くて重く、また専用コントローラや専用ケーブルが必要で運用しにくいといった技術的制約に加え、1990年代後半からファイバチャネルやギガビットEthernet、InfiniBandといったより高速で安価なシリアル高速インタフェースが登場したことから、HIPPIはしだいに使われなくなっていく。
Linuxカーネルにおいては、長年に渡ってメインラインでのサポートが削除さることなく継続していたが、「HIPPIはこの20年以上ものあいだ、ほとんど注目されておらず、Gitの履歴全体を通してみるとHIPPIコードはツリー全体にわたる変更と修正しか受けていない」(パッチを作成したEthan Nelson-Moore)ことから、HPPIサポートとRoadRunner HIPPIドライバの削除を提案、1月20日付でこれが承認されたことで、約3,000行のコードがメインラインから削除される予定だ。