3DP ジャングル

MakerChipを作ろう

先日こちらでも告知させていただいた3DPイベントで、3DPに興味がある人たちの中でもまだあまりMakerChipという文化が浸透していないことを知りました。

MakerChipは2024年ごろにK2_Kevinというユーザーが初めてデザインと規格をアップロードしてはじめたといわれている、カスタムデザインをあしらったチップのことです。規格とはいってもただ直径40mm、厚さ3~3.5mmのチップで、他には特に制限はありません。3DPのイベントなどで名刺代わりに配布・交換されることが多く、おもしろいデザインといだけでなく作者のクリエイティビティや製造技術などを見せるのによく使われます。

もともと著名なYouTuberなどを中心に個人個人で同じような名刺代わりの作品を配布する文化は存在していました。Maker's MuseチャンネルのAngus Young氏などはMaker Coinと銘打って似たようなことをしていましたが、MakerChipは敢えて規格を統一することによって制限を設けたことでコレクター的にも収集しやすくなり、制作側にも制限の中で技術力やデザイン力を発揮するというチャレンジがうまれたことが魅力かと思います。

日本でもJapan RepRap FestivalなどでMakerchipの交換をおすすめしていたりしますので、ぜひ皆様も作ってみてください。

パターンを使ってデザインしよう

先日のイベントにもっていくのを忘れてしまったのですが、実は私もMakerChipを作っていました。その時ヘッド4基搭載のSnapmaker U1を手に入れたばかりで早速4色プリントを使ってみたかったため、ギミックなどはおいておいてとりあえずカラフルなデザインのものを作りました。

builderscon MakerChip

このモデルは両面とも同じように「b」の字が見えること、カラースキームが良い感じにリピートしてるのがポイントです。そのため、これをデザインするにはパターンや反転をうまく使うのがこつです。

今回はデザインを独立したコンポーネントとして作りました。必要なスケッチはひとつだけで各パーツからそのデザインに依存したいので、依存関係をすっきりさせるためにデザインだけ別のコンポーネントにしました。

デザインとコンポーネント

円の淵にある縁の部分の大きさ(角度)などはそこに使う色数と、そのパターンを何回繰り返すか、そしてチップの大きさを先にパラメータとして定義することで自動的に計算させました。

パラメータの設定

ロゴのコンポーネントを作成し、ロゴ部分を作ります。ロゴ部分作ったらそのコンポーネントをコピー+回転移動させて、真裏に同じものを作ります。この際、⁠コピーを作成」にチェックボックスを入れるのを忘れないようにしましょう。

ロゴを複製した状態

次は縁の部分のコンポーネントを作っていきます。スケッチがある平面はチップのちょうど半分のところにあるつもりなので、ここではスケッチから左右対称に押し出しをしています。

縁部分の作成

今回は3色使うので、その分ボディをパターン機能で複製します。ここでは同一コンポーネント内にボディを複製しているところがひとつのポイントです。ここでも変数をうまく使って、あとで色数やパターンの回数の変数を変更するだけでデザインを調整できるようにしています。

縁を複製

これで縁部分が1セットできましたので、今度はこの1セットが入ったコンポーネントそのものをパターン機能で複製します。同じ円形状パターンを使っているのですが、オブジェクトタイプがコンポーネントになっているのがポイントです。

縁のセットを複製

最後にチップの本体というか、残りの部分を一気に作り、ここまで作った細かいパーツを本体側に引けば完成です。

本体の作成
縁やロゴを隠した状態
完成

MakerChipの入れ物を作る

今回はこれだけでもよかったのですが、どうせならお気に入りのMakerChipは飾りたいよね、ということでサクッと入れ物を作ってみました。MakerChipに限らず個人が作っているこれらのものはある程度大きさにばらつきがあるため、直径40mmから誤差±0.5mmくらいは問題なく収納できるようにしたデザインにしています。自立のための足はデザインする気力と時間がなかったので着脱式にしました。世の中にはもっと良いデザインがあるかもしれませんが、自作してみたかったのです。

正面
斜め

ポイントは4か所あるホールド部分です。いくつか他のデザインも試してみたのですが、結局プラスチックの弾性を活かして少しだけ動くパーツを作るのが一番使いやすかったため、このようなデザインしました。

ホールド部分

ホールド部分だけ、ざっくりと切れ目が入っています。これによって、中にMakerChipを入れるとほんの少しだけ広がるわけです。そして素材は元に戻ろうとするため、結果MakerChipをがっちりと固定してくれるわけです。なおホールド部分に円形に線が入っているのはそこだけ色を変えたかったからです。別のボディとしてわけていますが、プリントする際にはひとつのモデルとなります。

ホールド部分裏側

これでお気に入りのMakerChipもディスプレイできるようになりました。ぜひ次に3DP関連のイベントに行かれる際は自分のMakerChipを作って、交換してきてください!

完成

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