Krita⁠バージョン5.3/6.0を同時リリース
—⁠—Qt 6でビルドされる6.0はLinux版でHDRに対応

OSSのデジタルペイントツールKritaは2026年3月24日、バージョン5.3.0および6.0.0を同時リリースした。今回のリリースは、ビルドに使用するQtおよびKDE Frameworksのバージョンによって生成されるバージョンが異なり、Qt 5でビルドした場合はKrita 5.3.0が、Qt 6でビルドした場合はKrita 6.0.0が生成される。

Krita 6は、複数のLinuxディストリビューションでQt5のサポートが終了しつつある背景を受けた、将来を見据えたQt6への移行措置となる。Krita 6はWayland Color Management Protocolに対応したことで、Linux版KritaはHDRをサポートし、フラクショナルスケーリングや10ビット表示をサポートした。この恩恵を受けるには最新のウィンドウマネージャー(公式推奨はKWin 6.4.4以上)が必要となる。

なお、Qt 5から6の移行は大規模な変更を伴うため、Krita 6は現在のところ、全プラットフォームで早期アクセス扱いで、まだ実験的な位置づけとなっている。そのため実作業にはKrita 5.3.0の利用が推奨されており、年内に6系がメインバージョンとなる見込み。

主な新機能と改善点

5.3.0、6.0.0の両バージョンに共通する主要な変更点は以下のとおり。

  • テキストツールの全面刷新:キャンバス上での直接編集をはじめ、テキストの自動折り返し、シェイプ内への流し込みやパスに沿った配置が可能になった。専用のドッキングパネルも追加されている。
  • 制作を補助する新ツール:ベクターオブジェクトを迅速に分割・結合し、コミックのコマ割りを直感的に行える、Comic Panel Editing toolが搭載された。
  • 既存ツールの向上:塗りつぶしツールにおける「隙間を閉じる(Close Gaps⁠⁠」機能の追加、自由変形ツールのバウンディングボックス回転対応、ゆがみ(Liquify)モードの高速化などが行われた。さらに、ストローク速度をもとにした平滑化の自動調整も可能になった。
  • ブラシとフィルターの拡張:複数回のストロークでも不透明度が蓄積されないマーカーブレンドモードを追加。また、Propagate ColorsフィルターやReset Transparentフィルターなどが追加された。
  • 録画機能の強化とファイル対応:リアルタイム録画機能を実現。また、PSDファイルから複雑なテキストおよびシェイプの読み書き対応、Radiance RGBE(.hdr)フォーマットに対応した。

Krita 5.3.0と6.0.0は、Windows向けにインストーラーとZIP版、Linux向けにはAppImage、MacOS向けにdmgファイルが提供される。Android向けにはベータとして、タブレット用のAPKファイルが提供される(6.0.0は未提供⁠⁠。

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