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そろそろお別れの時間が来たようだ ―i486サポート⁠終了へのカウントダウンが始まる

“i486のメンテナンスは本来、我々が抱えるべき類の負荷ではない。あたりまえだけど開発者の誰もこの環境のことを気にかけていないし、誰も動作検証をしようとしない。そりゃそうだよ、だって古くて誰にとっても無関係なハードウェアなんだから⁠⁠ ―Linus Torvaldsが2022年10月にi486 CPUのサポート終了に関してこう言及してから約3年半、ようやく実現に向けて本格的な動きが始まったようだ。

LinuxカーネルエンジニアのIngo Molnar(Red Hat所属)は3月30日、i486 CPUのM486、M486SX、およびAMD ELAN(MELAN)のビルドオプションをKconfigから削除するパッチを開発ブランチに投稿した。このパッチがマージされればi486 CPUサポートが段階的に終了することとなり、2012年12月のi386サポート終了に引き続き、カーネルメンテナンスの負荷軽減が期待される。

MolnarはパッチのコメントでLinusが最近、⁠僕は本当に、i486のサポートを打ち切るべきときがきたと強く実感している。こんな問題に誰かの開発リソースを1秒たりとも費やすべき理由なんかどこにもない」とコメントしていたことを明かしている。

Linusはもともと、古いアーキテクチャのサポートを長く続けることには否定的な態度を取っており、i486に関しては「いずれは博物館の展示品となるものであり、どうしても実行したいなら博物館のカーネルを実行すればいい」と主張していた。同様にMolnarも「i486サポートは開発者の時間を無駄にしている」と従来から主張している。なお、i486の誕生は1989年だが、開発元のIntelは2007年にこのプロセッサファミリの開発を中止しており、すでにハードウェアサポートも行われていない。

x86アーキテクチャではx86-32環境下に多様で複雑なハードウェアエミュレーション機構が組み込まれている。太古の32ビットCPUをサポートするためだけにその機構は存在しており、それらのCPUをモダンカーネルと組み合わせて使っている人はごくごくわずかだ。こうした互換性を維持するためだけの⁠つなぎ⁠のしくみは別の新たな問題を引き起こし、その解決のために開発者の時間が費やされることもある。本来なその時間はもっと別の作業に費やされるべきなのに。

Molnarが作成したパッチは、早ければ6月後半のリリースが見込まれる「Linux 7.1」に反映されることになりそうだ。

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