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Linux 7.0リリース⁠AIツールがカーネル開発に本格導入

Linus Torvaldsは4月12日、⁠Linux 7.0」を公開した。通常のスケジュール通り、約2ヵ月の開発期間中に7本のリリース候補版(RC)を経てのリリースとなる。メジャーナンバーがアップデートするのは2022年10月にリリースしたLinux 6.0以来、約2年半ぶりとなる。

Linux 7.0のおもなアップデートは以下の通り。

  • Intelの次世代PC向けCPU「Nova Lake」および次世代データセンターGPU「Crescent Island」のサポート強化
  • ユーザ空間に対する汎用的なファイルI/Oエラー報告機能(API⁠
    • …ファイルシステムがメタデータとファイルI/Oのエラーレポートをfsnotifyに送信するための汎用「fserror」インフラストラクチャ
  • XFSにおける新しいヘルスモニタリング機能
    • …ファイルシステムの状態に関するイベント情報(メタデータの状態異常、ファイルI/Oエラー、アンマウント/シャットダウンなどのファイルシステムの状態変化など)をユーザ空間にリアルタイムで提供
  • Clang(バージョン22以降)の言語拡張機能(スレッドセーフティ解析)のサポート
  • io_uringにBPFフィルリングを追加
    • …コンテナ利用を可能にするため、eBPFではなく従来のBPFプログラムを使用
  • システムコール「open_tree()」に新しいフラグ「OPEN_TREE_NAMESPACE」が追加、コンテナのセットアップがより高速かつ容易に
  • システムコール「rseq()」にタイムスライス拡張メカニズムが実装
  • プリエンプションの選択の簡素化
    • …最新のアーキテクチャ(arm64、loongarch、powerpc、riscv、s390、x86)では完全プリエンプション(full preemption)と遅延プリエンプション(lazy preemption)の2つのプリエンプションモデルのみを使用
  • TCPの輻輳通知を改善するため、AccECN(Accurate Explicit Congestion Notification)がデフォルトで有効化
  • Btrfsにおける実験的なサポートとして、論理リマッピングツリー機能(rmap-tree)が追加、将来的にはI/O処理時の間接参照レイヤとして機能
  • Rustの実験フェーズの正式な終了、Rust 1.95への準備

なお、Linusはリリースで「⁠⁠Linux 7.0では)AIツールを多用しているため、しばらくはいろいろなケースが見つかるだろうけど、当面は少なくともこれが⁠ニューノーマル(new normal)⁠になるかもね。どうなるかは時間が経たないとわからないけど」とコメントしており、今回の開発ではAIによるレポート作成やレビューが数多く行われたことを明らかにしている。偶然メジャーバージョンアップと重なったが、Linux 7.0はカーネル開発におけるAI活用を本格的に導入したバージョンとしても記録されるかもしれない。

Linusは4月13日(米国時間)に次の「Linux 7.1」のマージウィンドウをオープンする予定で、すでに40件異常のプルリクエストが手元にあるという。開発が順調に進めば2週間後の4月26日に最初のリリース候補版である「Linux 7.1-rc」が登場し、6月下旬には「Linux 7.1」が公開されることになる。

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