Linus Torvaldsは4月14日、カーネルメンテナーのIngo Molnar(Red Hat所属)が提出したLinux 7.1に向けたパッチ「x86-platform-2026-04-13」をマージした。このパッチはLinusが数年前から望んできたi486 CPUサポートの終了を段階的に進めるための第一弾で、今回のマージによりLinux 7.1におけるM486、M486SX、およびAMD ELAN(MELAN)のサポートが削除されることになる。
Ingo Molnarのコメントにあるように、今回のパッチはLinuxカーネルにおけるレガシー整理の「最初の小さな一歩(first minimal step)」に過ぎないが、Linusは7.1以降もこの流れを本格化させていくとみられている。
また、4月13日には古参のカーネルメンテナーであるChristian Braunerが提出したLinux 7.1のパッチ「vfs-7.1-rc1.kino」がマージされている。これはinode番号を格納するi_inoフィールドの型を、通常は32ビットで用いられるunsigned longから、つねに64ビットの値を扱うことができるu64に変更するもので、i_inoのサイズは4バイトから8バイトに増えることになる。Braunerは「この変更により、(32ビット環境では)スラブキャッシュのサイズやフィールドのアライメントに影響を与える可能性がある」と指摘しているが、Linusやカーネルメンテナーたちは32ビット環境での使い勝手が多少悪くなったとしても、カーネルを64ビット前提の世界に寄せていく方針を強化していくようだ。
Linuxカーネルは世界中で何十億ものデバイスで動いているため、レガシーを簡単に切り捨てることはできない。しかしメンテナンスコストやセキュリティ上の問題、カーネル開発リソースの限界などから、ここ数年はレガシーサポートを大幅に縮小し、新機能は64ビット前提で開発される傾向にある。Linux 7.xのバージョンナンバーが大きくなるにつれ、i486 CPUに象徵されるレガシーは確実にサポートの対象から外れていくことは間違いない。