この連載はOSSコンソーシアム データベース部会のメンバーがオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。
セミナー「内向き思考打破が日本を救う!カギはOSSとコミュニティかな?」の報告
2月27日
コミュニティが支えるプリザンターでIT活用の民主化を
内田太志さん
プリザンターはWebデータベース型のノーコード/
そして、このようなシステム連携の部分は、エンドユーザの目に触れるフロントエンド部分とは別に、OSSであるプリザンターを支えるコミュニティやパートナーが活躍できる部分にもなっているようです。結果としてエンドユーザが自分たち向けのビジネスアプリを実現するITの民主化をしつつ、コミュニティやパートナーなども活躍できるエコシステムを形成しています。
内向き思考にならないレガシーシステムのモダナイズ
井坂徳恭さん
レガシーシステムの代表のように語られることが多いCOBOLですが、COBOLを使っていることがレガシーシステムの直接的な理由ではありません。運用されてはいるものの長年にわたり放置されて、新しいビジネス要件や運用形態に対応できなくなってしまって、IT資産の健全性を損ねているため負の遺産になっているのです。ただ、COBOLで実現された基幹システムは貴重なデータを抱えています。この貴重なデータを捨てるのではなく活用する手段が必要です。そのためにCOBOLで実現されたシステムのモダナイズが求められます。
COBOLで書かれたアプリケーション自体は、opensource COBOLやJavaトランスレータで現代のプラットフォームに移行できます。問題は新プラットフォームでデータをどこに置くかです。解決策のひとつとして、Open COBOL ESQL というCOBOLからPostgreSQLにアクセスするツールがあります。プリコンパイラとして
OSS選定の羅針盤 — 鳥瞰図WGが届ける最新版ガイド
佐々木寛太さん
前回のこの連載でOSS鳥瞰図のアップデート版が公開されたことをお知らせしました。このOSS鳥瞰図は、日本OSS推進フォーラムの鳥瞰図WGで作成とメンテナンスを行っていますが、実は私たちOSSコンソーシアムもこの鳥瞰図WGに参加して一緒に活動をしています。
OSS利用者がシステムにOSSを採用・
OSS鳥瞰図にはさまざまなカテゴリーのOSSを含めています。データベースの部分を例にしてOSS鳥瞰図の見方を図に示します。
このOSS鳥瞰図を維持・
組込みへの第一歩! 名刺基板の作成と発注
平塚有吾さん
上述のOSS鳥瞰図にはさまざまなカテゴリーが含まれていますが、難しいカテゴリーのひとつが組み込みソフトウェア分野です。稼働環境、開発環境、適用分野などが、いわゆるビジネスアプリーケーションとはかなり異なっています。そこで、この組み込み分野のOSS鳥瞰図については、OSSコンソーシアムのAI IoT Robotics Automotive部会
クロストーク(座談会)—— 内向き思考打破が日本を救う!
最後のクロストーク
- デジタル変革
(DX) への取り組みとデータ活用についての日本企業の現状 - OSS以外のいくつかの技術テーマへの取り組み状況
(デジタルツイン、ノーコード/ ローコード、開発内製化、アジャイル開発) - 企業としてのOSSへの関心と実際の取り組みとのギャップ
どのようなデータを示してどんな意見が語られたのかは、動画を公開していますので、是非そちらをご覧ください。
[MySQL]2026年3月の主な出来事
3月はMySQLサーバーのバージョンアップはありませんでした。2月21日にMySQL Shell for VS Codeがバージョンアップされ、バージョン番号の形式が
本連載の第127回でもご紹介したとおり、コミュニティとの連携の強化のための透明性の向上やエコシステムの拡大と強化のための方針を発表し、現在MySQLの開発チームでは準備できたものから順次展開を進めています。
3月に発表されたのが以下の3点です。
- MySQL 9.
7アーリー・ アクセス版のリリース - MySQL Worklogsの再開
- MySQLコミュニティ・
デベロッパー・ ガイドの公開
3月23日にはコミュニティからの要望のヒアリングや議論を行うオンライン・
MySQL 9.7アーリー・アクセス版のリリース
4月下旬にリリースが予定されている次期LTS
MySQL 9.
- MySQL InnoDB Cluster
(グループレプリケーション) のフロー制御のための統計情報 - レプリケーションのマルチスレッド・
アプライヤの統計情報 - グループ・
レプリケーションでのノードの自動排除と自動リカバリ - フェイルオーバー時にトランザクションの最新状態を考慮したプライマリの選定
- OpenTelemetry対応
- プロファイルによる最適化が行われたPGOバイナリ
- JSON Duality ViewでのDML対応
- ハイパーグラフ・
オプティマイザ
MySQL 9.
MySQL Worklogsの再開
開発中のMySQLの機能の仕様を公開するサイトWorklogsがこれまでもありました。開発チームのリソースがHeatWaveを中心とした開発に傾倒し始めた時期に、残念ながらWorklogsの更新が停止してしまいました。
3月6日からWorklogへの更新が再開され、MySQL 8.
MySQLコミュニティ・デベロッパー・ガイドの公開
機能追加要望の提出やパッチを含めたソースコードのコントリビューションの手順を解説したMySQLコミュニティ・
この中では、これまでのコミュニティとの連携の強化の要点や、エコシステム拡大のための今後の改善予定なども合わせて記載されています。現時点では透明性の向上にフォーカスをしており、今後はより情報を公開することやコミュニティからの参加を促すための活動を進め、さらにプロセスやツールの再評価を行って改良につなげるとしています。また、報告されたバグへの対応の進捗をよりタイムリーかつわかりやすい形で公開することや、コミュニティからの貢献をなんらかの形で定期的にレポートとすることも検討されていることも書かれています。
[PostgreSQL]2026年3月の主な出来事
3月はPostgreSQL本体のバージョンアップリリースはありませんでした。次回は5月にマイナーバージョンがリリースされる見込みです。そこで今回は、秋頃にリリースが計画されている次期メジャーバージョン19向けに開発中の期待の新機能を紹介します。新バージョンに組み込まれるかどうか不明なので、ちょっと気の早い紹介です。
「PostgreSQL 19への展望 —— 開発中機能の紹介」の紹介
OSSコンソーシアムがセミナーを行ったのと同じオープンソースカンファレンス
PostgreSQLは、コミットフェスト
OSCでセミナーがあった段階で、紹介された大きい追加機能は新バージョンに入るかは未定だったようです。そして、高塚さんによると
今回のセミナーでは検証結果も提示された項目がありました。これらはJPUGの合宿にて性能測定などの実機検証を実施された結果のようです。
では、紹介された新機能候補の中から、さらにいくつかをピックアップしてみます。繰り返しになりますが新バージョンに入るかどうかは不明です。新バージョンに入りそうなものを選んでいるわけではなく、どちかというと期待したいものを選んで紹介します。
- COPY FROMのSIMD
(Single Instruction, Multiple Data) 化による性能向上 - 実機検証をされていて、CSVからの10万行のCOPY FROMローディングで所要時間を計測され、たしかに速くなっていることが示されています。
- フルページ書き込み以外でのWAL圧縮
- バッファページをそのまま書き出すフルページ書き込みについては、以前からWAL圧縮が行なわれていました。今回の新機能では、それ以外でも設定した閾値より大きいWALレコードを圧縮できます。検証されたケースでは30%ほどサイズが減少しています。
- マテリアライズドビューの部分リフレッシュとIVM
(Incremental View Maintenance) - IVMは元テーブルのデータを更新すると、マテリアライズドビューも自動で部分更新されるものです。ただし、利用可能なSELECT構文 / 関数に制限が数多くあります。
-
なお、この連載では以前からIVMの開発状況について取り上げていました
(第82回、第88回)。pg_ ivmという拡張機能としてはすでにリリースされていて、PostgreSQL本体へのIVMの組み込みが以前から期待されています。 - グラフ問い合わせ SQL/
PGQ (Property Graph Queries) -
SQL/
PGQは、リレーショナルデータベース内のデータをグラフ構造として表現、問合せするためのSQL:2023標準規格です。 - CREATE VARIABLE / LETコマンド
-
トランザクション制御外のセッション変数を実現するもので、商用データベース製品のPL/
SQLパッケージ変数の移植がしやすくなります。
その他、このセミナーでは次のような候補についても紹介されていました。
- REPACK コマンド:空き領域回収コマンド
- 行パターン認識:時系列データに対する値の変化のパターンの問い合わせ
- pg_
plan_ advice:ヒント付与の助言 (自動収集も可) やヒントを付与する機能 - オンライン設定変更が可能になったパラメータ:wal_
level (WALに書き出す情報量) と、shared_ buffers (共有バッファサイズ) - モニタリング機能の追加
2026年4月以降開催予定のセミナーやイベント、ユーザ会の活動
イベントごとに利便性のあるオンライン開催や、従来通りのオンサイト
HeatWavejp主催 HeatWavejp Meetup #18
| 日程 | 2026年4月13日 |
|---|---|
| 場所 | [オフライン会場] [オンライン会場] |
| 内容 | HeatWavejpは、MySQL HeatWave の良さを知っていただき、参加者同士でノウハウやナレッジを共有できるユーザーコミュニティです。ユーザ会設立3周年となる#18はLT大会を予定しています。 |
| 主催 | HeatWavejp |
Oracle Cloudウェビナー - MySQL 9.7 LTSリリース & 新製品戦略 (仮)
| 日程 | 2026年5月13日 |
|---|---|
| 場所 | オンラインセミナー |
| 内容 | 2026年4月にMySQLの2世代目のLTSとなるMySQL 9. |
| 主催 | 日本オラクル セミナー事務局 |
オープンソースカンファレンス(OSC)〔4月~7月開催分〕
| 日程 | 〔Kagawa〕2026年4月18日 〔Nagoya〕2026年5月23日 〔Sendai〕2026年6月6日 〔Hokakido〕2026年6月27日 〔Shimane〕2026年7月11日 |
|---|---|
| 場所 | 〔Kagawa〕e-とぴあ・ 〔Nagoya〕中小企業振興会館 〔Sendai〕東北電子専門学校 〔Hokakido〕札幌市産業振興センター 〔Shimane〕松江テルサ |
| 内容 | オープンソースカンファレンス 〔Kagawa〕セミナーのタイムテーブルが公開されています。 〔Nagoya〕出展者募集中です 〔Sendai〕出展者募集中です 〔Hokakido〕4月下旬から出展者募集予定です。 〔Shimane〕サイトを公開しましたが詳細はしばらくお待ちください。 OSSデータベース関連の発表の詳細は、公開される各回のプログラム詳細をご参照ください。 |
| 主催 | オープンソースカンファレンス実行委員会 |