米国では1、2年前から複数の州でOSプロバイダに対してユーザの年齢確認を義務付ける法案が可決されつつあるが、そのなかでも比較的初期から独自の法律を制定したことで注目されてきたのがカリフォルニア州である。同州では2025年10月に
この法案は2027年1月1日から施行され、OS提供者がこれに従わない場合は差止命令の対象となり
この法案に対して、Linuxディストリビュータを含む多くのオープンソースプロジェクトが困惑し、さまざまな議論が巻き起こった。そもそもこの法案はWindowsやmacOS、iOS、Androidといった商用OSを前提にしていたが、UbuntuやDebianのようなコミュニティ主導のオープンソースOSも法案が定める"OS提供者"に含まれるかどうかは明確にされていない。
たとえばDebianのプロジェクトリーダーだったAndreas Tilleは2026年4月に
一方でメジャーなLinuxディストリビューションのほとんどが採用しているinitシステムのsystemdは2026年3月、ユーザレコードusedbに誕生日フィールドbirthDateを追加する修正を行った。プロジェクトリーダーのLennart Poetteringは
だが、ここにきてAB-1043の修正案として
- 「アプリケーション」
には、対象となるアプリケーションストアを通じてスタンドアロンの実行可能なアプリケーションとして消費者に提供されないソフトウェアコンポーネントは含まれない - 「オペレーティングシステム提供者」
とは、受領者がソフトウェアを複製、再配布、変更することを許可するライセンス条項にもとづいてオペレーティングうシステムまたはアプリケーションを配布する個人または団体を意味しない
といった修正が加えられており、オープンソースOSが年齢確認の義務から影響を受けないようにしていることがうかがえる。
AB-1853は6月にもカリフォルニア州議会で採決される予定だが、修正案がそのまま可決されればLinuxやオープンソースコミュニティが抱いていた不安はとりあえず解消されると思われる。しかし、今回の法案はオープンソースの法的責任の所在や、年齢確認法そのものに対する賛否両論など、オープンソースエコシステムが抱えるさまざまな課題を浮き彫りにしたともいえる。今後、オープンソースのコンセプトに存在しなかった規制、たとえば今回のような"属性管理"を強要する規制が追加されそうになったとき、オープンソースプロジェクトはどのような選択を取るべきなのか、議論はまだ続きそうだ。
