この連載はOSSコンソーシアム データベース部会のメンバーがオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。
[MySQL]2026年4月の主な出来事
4月には2年ぶりとなるMySQLサーバーの長期サポート版である、MySQL 9.
MySQL 9.
コミュニティからの開発への参加を促すため、ロードマップ策定をオープンな形で議論するMySQL Community Discussionを毎月開催し、4月には第3回が開催されています。MySQLの開発に参加や貢献をするためのガイドとしてMySQL Community Developer Guideが公開されており、このガイドは新しいツールやプロセスが追加されるごとに継続的に更新されていきます。
MySQL 9.7.0 LTSの新機能
コミュニティ版のMySQL 9.
- 性能関連
-
- PGOで最適化したコミュニティ版バイナリ
- ハイパーグラフ・
オプティマイザ
- アプリケーション開発関連
-
- JSON Duality (DMLの利用) ※従来のコミュニティ版はSELECTのみ可
- 可観測性関連
- OpenTelemetryサポート
- レプリケーション関連
-
- マルチスレッド・
アプライヤーやInnoDB Clusterフロー制御のメトリクス
- マルチスレッド・
- グループ・
レプリケーション -
- レプリケーション遅延やリソース使用状態の監視、自動ノード削除、自動復旧
- フェイルオーバー時の最新のトランザクションを考慮したプライマリ選定
他にも、OpenSSLを同梱するバイナリではOpenSSLが3.
商用版のMySQL Enterprise Editionには、動的データマスキングが追加されました。MySQLでのこの機能は、ユーザーアカウントやロールによって、見せるデータをマスキングするかどうかを設定できます。特にAIがMySQL内のデータを利用する場合やレポート生成などの際に、機密データの一部を伏せた状態で利用させる必要がある場合に役立ちます。
MySQLコミュニティ・ロードマップ
MySQLのロードマップはこれまではオラクルが単独で決定してきていました。もちろん利用者の方々からの意見はある程度は反映されていたものの、特にここ数年は十分に意見を取り込めているとは言えない状態が続いていました。この反省も踏まえ、2月からMySQL Community Discussionという名称のオンライン・
この中で、MySQLコミュニティ・
このロードマップでは4つのカテゴリが挙げられています。なお、このロードマップの図は開発の時系列を表したものではありません。
- AIとクラウドへの最適化
- 開発エンジニアとDBA向け機能
- 機能の拡張性とエコシステム
- パフォーマンスと可観測性
このカテゴリをもとに、MySQLの開発に参加または貢献したい方々を募っています。5月26日には具体的なロードマップを固めていくことと、MySQLのエコシステムに参加して他の開発者との協力体制を整えていくことなどを議論するMySQLコントリビューター・
MySQLコミュニティ版の脆弱性情報サイト
これまでMySQLの脆弱性情報は、オラクルのCritical Patch Update
[PostgreSQL]2026年5月の主な出来事
4月はPostgreSQL本体のリリースは無く、5月にマイナーバージョンがリリースされる見込みです。今回はPostgreSQLエンタープライズ・
5月29日にPostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアムが成果報告セミナーを開催
国内の有力企業が集まり、共同でPostgreSQLの普及・
毎年、PGEConsの成果報告セミナーはテーマのバリエーションも多く、個々の発表の密度も高い、硬派系のイベントとなっています。その分、他では聞けない貴重な知見もたくさん発表されるのではないかと期待しています。
新バージョン19に向けたコミットフェストはどうなった?
前回のこの連載で、2026年秋にリリース予定の次期メジャーバージョンに入ることが期待される新機能や改善を紹介しました。今回は前回に取り上げたものの中から、バージョン19に向けた最終のコミットフェストやそれ以前にコミット済みのものをいくつかピックアップします。これらは新バージョンに入る可能性はかなり高いでしょう。
- COPY FROMのSIMD
(Single Instruction, Multiple Data) 化による性能向上 - グラフ問い合わせ SQL/
PGQ (Property Graph Queries) - VACUUM FULL / CLUSTER CONCURRENTLY
(空き領域回収) - オンライン設定変更が可能になったパラメータ:wal_
level (WALに書き出す情報量)
また、期待されていたもののバージョン19には入らず、更に次のバージョンに向けて見送りになったものもあります。
IVMの機能拡張pg_ivmのバージョンアップ
IVMはPostgreSQL本体の機能として組み込まれるのは今回も見送りになりそうですが、拡張機能としては既にリリースされており、3月31日、その機能拡張pg_
Tsurugi最新情報
4月6日、国産OSSデータベースTsurugiの新バージョン1.
- SQL機能追加として、スカラーサブクエリー、EXISTS演算子、IN句内でのサブクエリーに対応
- SQLでは他にも機能追加があり、VALUES句
(テーブル構築式) の拡張、およびFROM句を省略したSELECT文に対応 - クライアントライブラリの拡充として、Pythonの標準的なデータベース接続APIであるPython DB-API 2.
0 (PEP 249) に対応したTsurugi Python DB-APIを公開
また、この新バージョンリリースとは別に、3月31日、Tsurugiのプラットフォーム対応の状況を説明するブログ記事が公開されています。この情報は、TsurugiのソースファイルをGitHubからダウンロードして自分でビルドする人を対象としたもので、さまざまなプラットフォームについてのTIPSになります。なお情報は2026年3月時点のものです。
2026年5月以降開催予定のセミナーやイベント、ユーザ会の活動
イベントごとに利便性のあるオンライン開催や、従来通りのオンサイト
Oracle Cloudウェビナー - MySQLの最新ロードマップを展望 - 9.7 LTSの注目機能とエコシステム拡大のための新方針
| 日程 | 2026年5月13日 |
|---|---|
| 場所 | オンラインセミナー |
| 内容 | 2026年4月にリリースの最新の長期サポート版であるMySQL 9. コミュニティとのロードマップに関する公開ディスカッション、いち早く新機能を検証いただくためのアーリー・ |
| 主催 | 日本オラクル セミナー事務局 |
PGEConsセミナー - 2025年度活動成果報告会
| 日程 | 2026年5月29日 |
|---|---|
| 場所 | オンライン開催 |
| 内容 | 本文でも紹介しましたが、PostgreSQLエンタープライズ・ |
| 主催 | PostgreSQLエンタープライズ・ |
MySQL Technology Cafeリターンズ - MySQL 9.7.0 LTSリリース & シン・開発戦略
| 日程 | 2026年7月27日 |
|---|---|
| 場所 | オンライン |
| 内容 | 4月にリリースされたMySQL 9. MySQLの開発チームでは、3月に発表した新しい 今回のウェビナーではこれらのアップデートもあわせてご紹介します。申し込みサイトは近日公開予定です。開催はオンラインのみの予定です。 |
| 主催 | Oracle Code Night |
オープンソースカンファレンス(OSC)〔5月〜8月開催分〕
| 日程 | 〔Nagoya〕2026年5月23日 〔Sendai〕2026年6月6日 〔Hokakido〕2026年6月27日 〔Shimane〕2026年7月11日 〔Kyoto〕2026年8月1日 |
|---|---|
| 場所 | 〔Nagoya〕中小企業振興会館 〔Sendai〕東北電子専門学校 〔Hokakido〕札幌市産業振興センター 〔Shimane〕松江テルサ 〔Kyoto〕京都リサーチパーク 4号館 |
| 内容 | オープンソースカンファレンス 〔Nagoya〕プログラムが公開されています。 〔Sendai〕出展者募集は4月22日に終了しています。 〔Hokakido〕出展者募集中です 〔Shimane〕参加ご希望の方はWebサイトをご参照ください。 〔Kyoto〕5月中旬から出展者募集予定です。 OSSデータベース関連の発表の詳細は、公開される各回のプログラム詳細をご参照ください。 |
| 主催 | オープンソースカンファレンス実行委員会 |