Google⁠AIマーケティングツール「Pomelli」ブランドプロフィール作成支援のエージェント機能を追加 —⁠—ブランドガイドと簡易Webサイト生成にも対応

Googleは2026年5月19日、Google Labsで提供する実験的なAIマーケティングWebアプリ「Pomelli」に、ブランドプロフィールの作成を支援するエージェント機能を追加したと発表した。Pomelli Agentでブランドの特徴をまとめた「Business DNA」を作成し、その情報をもとに定型的なブランドガイドや簡易的なWebサイトも生成できる。

この記事では、Pomelliの概要、今回追加された機能、基本的な使い方を紹介する。

Pomelliの概要

Pomelliは、Google Labsが提供する実験的なAIマーケティングWebアプリ。2025年10月の公開時には、中小企業がブランドに沿ったソーシャルメディアキャンペーンを作成しやすくするツールとして紹介された。ヘルプでは、Webサイトを持つ事業者向けのスタンドアロンWebアプリとして扱われている。

Pomelliでまず作成するのが、⁠Business DNA」と呼ばれるブランドプロフィール。Webサイトやアップロードした資料・画像などを分析し、ブランドの語り口・フォント・画像・カラーパレットなどを整理する。以降に生成されるソーシャルメディア投稿や広告向けクリエイティブは、このBusiness DNAを土台にする。生成したマーケティングクリエイティブはダウンロードして、各種ソーシャルメディアなどで利用できる。

2026年2月には商品写真をスタジオ風やライフスタイル風の画像に変換するフォトショット機能が追加され、2026年4月には欧州向けにも提供が広がった。現在は日本でも利用できるが、対応言語は英語のみ。無料で利用でき、ヘルプによれば、画像・動画生成は数百回程度可能という。

利用を始める前に、データの扱いも確認しておきたい。Pomelliのプライバシー通知によると、GoogleはBusiness DNAやプロンプト、生成したコンテンツ、利用状況、フィードバックなどを収集する。アカウント設定の「Pomelliの改善にご協力ください」をオフにすれば、フィードバックを提供した場合を除き、今後のPomelliコンテンツをGoogleの生成AIモデルのトレーニングに使わないようにできる。ただし、サービス提供や不正使用対策に必要なデータ利用は、この設定の対象外になる。そのため、レビュアーに見られたくない機密情報は入力しないよう注意したい。

今回追加された機能

今回の更新では、Business DNAの作成からブランドコンテンツやWebサイトへの展開までを支える3つの機能が追加された。ここでいうPomelli Agentは、Pomelli上の作業全般を代行する汎用エージェントではなく、Business DNA、つまりブランドアイデンティティの構築を支援する機能にあたる。

  • Pomelli Agent:既存の製品資料や写真をアップロードしたり、エージェントとチャットしたりして、Business DNAを作成する機能。Webサイトをまだ持っていない場合でも、資料や対話を起点にPomelliを使い始めやすくなる。
  • ブランドブック(Brand books⁠⁠:Business DNAをもとに、ブランドのカスタム画像、フォント、色などを含む定型的なブランドガイドを生成する機能。
  • Webサイト(Websites⁠⁠:同じBusiness DNAをもとに、簡易的なWebサイトを生成する機能。作成したWebサイトは、後から編集や公開設定も行える。

基本的な使い方

ここからは、各機能の具体的な画面や操作の流れを見ていく。

登録と初回ウェルカム画面

Pomelliを利用するにはGoogleにログインした上で、Pomelliのサイトにアクセスする。ページ上の「Let's get started」ボタンをクリックし、表示される注意事項に同意して登録する。続いて、⁠Pomelliの改善協力」「メール配信」のオプションを設定するダイアログが表示される。Pomelliの改善協力は、データをモデルの改善に利用するかどうかの選択にあたるため、内容を確認して設定する(後述の詳細メニューにある「Account Settings」からも変更できる⁠⁠。

初回確認ダイアログの後、ウェルカム画面が表示される。Pomelliでは、まずBusiness DNAを作成し、必要に応じてカタログ(Catalog)を作成する。そのうえで、キャンペーン(Campaign⁠⁠、フォトショット(Photoshoot⁠⁠、ブランドブック(Brand Book⁠⁠、Webサイト(Websites)を生成する流れが示されている。

また、画面右上には詳細メニューが表示される。ここから、Business DNAのリセットやダウンロード、アカウント設定、各種案内へのリンクにアクセスできる。詳細メニューには「Connected Apps」もあり、Google Adsアカウントを接続してPomelliで作成した画像や動画の共有に使える。

ウェルカム画面の下部に表示されている「Let's go!」ボタンを押す。

Business DNAの作成

「Let's go!」を押すと、Business DNAの作成画面が表示される。

Business DNAは、ブランドの特徴をまとめたプロフィールで、Pomelliはこれをベースにコンテンツを生成する。

Webサイトがある場合は、URLを入力してブランドを分析する方法が手軽に使える。WebサイトのURLを入力するダイアログにURLを入力すると分析が始まる。

Webサイトの分析が終了すると、生成されたBusiness DNAが表示される。概要(Brand Overview)タブには、名前、ロゴ、タイポグラフィ(フォント⁠⁠、色、タグライン(Tagline⁠⁠、ブランドの価値観(Brand values⁠⁠、ビジュアルの世界観(視覚的トーン&マナー;Brand aesthetic⁠⁠、言葉のトーン&マナー(Brand tone of voice⁠⁠、事業概要(Business overview)といったブランド要素がカード状に並ぶ(現在のところ、上下にスクロールするには、特定のカードを選択して上下キーを使う⁠⁠。

ページ右側には、Pomelli Agentとのチャット画面も表示される。Business DNAが作成されていれば、内容を確認したうえで、キャンペーン、フォトショット、Webサイト作成へ進める旨が示される。

ここで、Pomelli Agentを使って、Business DNAのカード情報を更新することもできる。実際に事業概要を修正するよう指示したところ、2つの提案が表示された。片方を選択すると、自動的にBusiness DNAの事業概要が更新された。

Business DNAは、概要に加えて詳細情報も設定できる。詳細(Brand Details)タブでは、所在地(Location⁠⁠、電話番号(Phone Number⁠⁠、営業時間(Business Hours⁠⁠、キーワード(Keywords⁠⁠、ソーシャルリンク(Social Links⁠⁠、行動喚起リンク(Call-to-Action Links⁠⁠、推薦者の声(Testimonials)といった項目がカード状に並ぶ。必要に応じて入力することで、Business DNAの内容を充実させられる。

ここまでは、WebサイトのURLを入力してBusiness DNAを作る方法を見てきた。Webサイトがない場合や、ゼロからBusiness DNAを作成したい場合は、URL入力ダイアログ内の「No website yet?」を押す。すると、⁠From scratch(スクラッチで作成⁠⁠」と「From template(テンプレートから作成⁠⁠」の選択画面が表示される。

スクラッチで作成する場合は、空のBusiness DNAの画面が表示される。右側に表示されるPomelli Agentと手元の素材データを使いながら、ブランドの特徴を入力していく。

テンプレートから作成する場合は、テンプレート選択画面で候補を一つ選び、それを出発点にBusiness DNAを作成できる。

なお、Pomelli画面右上の詳細メニューから「Reset Business DNA」を選択すると、Business DNAをリセットできる。

Business DNAを作成できたら、画面下部の「Let's go」ボタンが押せるようになる。これを押すと、Business DNAをもとに、キャンペーン、フォトショット、Webサイト、ブランドブックのどれを作るか選ぶダイアログが開く。

ここでは、キャンペーンを選んで次の画面へ進む。

カタログの作成

一度Business DNAを作成すると、Pomelli画面左側にサイドバーが表示される。このサイドバーからBusiness DNA、カタログ、各クリエイティブ機能にアクセスできる。

上から2つ目のDNAアイコンにマウスオーバーすると、Business DNAの概要画面に移動する「Overview」と、カタログ「Catalog⁠⁠、メディア素材の管理「Assets」の3つのサブメニューが表示される。

カタログでは、商品やサービスを管理する。登録した商品・サービスは、ブランド情報にあたるBusiness DNAと組み合わせて、キャンペーンやフォトショットの生成に利用できる。Pomelliに「自社が何を売っているのか」⁠どの商品やサービスを宣伝したいのか」を伝えるための情報源になる。

WebサイトのURLからBusiness DNAを作っていた場合、簡易的なカタログが作成されていることがあるため、必要に応じて削除・編集する。

また、URLを新たに指定したり、スクラッチでカタログを作ったりすることもできる。たとえばスクラッチでカタログを作る場合は、名前、説明文、複数の画像を入力できる。

URLから商品ページを登録した場合は、カタログ内にURLも設定される。このURLをもとに、カタログ情報を更新することもできる。

アセットの管理

同じサブメニューには「Assets」も用意されている。アセットには、Business DNAやカタログ作成時に収集された画像、アップロードした画像、Pomelliで生成した画像や動画が表示される。

ここに表示されている画像は、個別にダウンロードしたり、削除したりできる。

キャンペーンの作成

キャンペーン(Campaign)は、Business DNAとカタログの情報を使って、ソーシャルメディア投稿や広告向けのクリエイティブを生成する機能。

サイドバーからキャンペーンを開くと、画面上部にはキャンペーン作成のプロンプト入力欄が表示される。画面下部には「Suggestions based on Business DNA」⁠Business DNAに基づく提案)として、Business DNAをもとにしたキャンペーン案が並ぶ。

一度キャンペーンを作成すると、プロンプト入力欄直下に「Recent Campaigns」が現れ、作成済みのキャンペーンカードも表示される。

キャンペーン作成では、プロンプトを使う。プロンプト入力欄では、カタログを選択する「Product⁠⁠、画像の追加、アスペクト比(Story:9:16、Square:1:1、Feed:4:5)の指定も行える。

プロンプトを入力して「Generate Brief」を押すと、入力した情報をもとにキャンペーン概要(Campaign Brief)が生成される。ここで、キャンペーンのタイトルや概要、キャンペーンの目的や特典などを確認し、必要に応じて編集する。確認ボタンを押すと、キャンペーンのクリエイティブ案が生成される。

この例では、4つのクリエイティブ案が生成された。

生成されたクリエイティブ案は個別に操作できる。画面上のメニューから、ダウンロード、編集、サイズの異なる複製、アニメーションの生成、Google Adsへの共有などを選べる。

編集画面では、プレビューを見ながらテキストやデザイン要素を調整できる。なお、キャンペーンのヘルプによれば、アニメーションに対応するのは9:16形式のみ。

フォトショットの作成

フォトショット(Photoshoot)は、商品画像からスタジオ風・ライフスタイル風の商品写真を生成する機能。カタログに登録した商品を選び、生成に使う画像やスタイルを指定すると、複数の写真案が生成される。

サイドバーからフォトショットを開くと、商品写真用のテンプレートを使うか、エディターで画像を生成・編集するかを選べる。左側の「Create a product photoshoot」⁠商品写真を作成)では、商品画像とテンプレートを選んで商品写真を作成する。右側の「Generate or edit an image」⁠画像を生成・編集)では、プロンプトで画像を作成したり、既存画像を編集したりできる。ここでは、商品写真を作るために前者を選ぶ。

左側の「Create a product photoshoot」を選ぶと、生成に使う画像の選択やスタイルを指定するパネルが表示される。まずはアセットにある画像を選択するか、新たに画像をアップロードする。

画像を選択すると、画像に合ったスタイルが複数提案される。別の見せ方にしたい場合は、手動でスタイルを選ぶこともできる。

スタイルの一覧には、背景や演出の異なる候補が並ぶ。使いたいスタイルを選択したうえで、生成する画像のサイズを指定する。

「Generate Photoshoot」を押すと、選んだ画像とスタイルをもとに複数の写真案が生成される。生成結果のカードでは、画像ごとのメニューから、Business DNAへの保存、ダウンロード、削除を選べる。共有アイコンを開くと、Google Adsに送るためのメニューも表示される。

生成した画像は追加編集もできる。編集画面では、右側にプロンプトを入力できるチャット欄が備えられている。

画面下部の保存ボタンからは、すべてのアセットのダウンロードや、生成した複数画像をカタログ項目に追加する操作も選べる。

なお、フォトショットのヘルプでは、入力画像について、製品全体がはっきり写っていること、1枚に1つの製品だけを含めること、十分な照明があること、追加のグラフィックスを含めないことがベストプラクティスとして示されている。

ブランドブックの作成

ブランドブック(Brand Book)は、Business DNAをもとに、ブランドの見た目や特徴をまとめた定型的なガイドを生成する機能。ブランドのカスタム画像、フォント、色などを1つの資料として確認できる。

ブランドブックを選択すると、まだ作成していない場合は自動的に作成が始まる。

作成時は、まずブランドブックの表紙を選ぶ。Business DNAに含まれるブランド名やロゴ、色をもとに、複数の表紙候補が表示される。表紙画像は、改めて生成することもできる。

次に、ブランドブックに掲載する画像を選択する。選んだ写真は、ブランドの雰囲気を伝える素材としてブランドブック内のページに配置される。

生成後は、ブランド名、ロゴ、カラー、タイポグラフィ、画像などを含むブランドブックをプレビューできる。ブランドブックのみをブラウザで表示してプレビューすることもできる。

生成されたブランドブックは、ロゴやカラー、画像をページごとに整理した定型的なレイアウトだった。

作成したブランドブックはPDFとしてダウンロードできるほか、プレビュー、公開、URL共有にも対応する。社内外でブランドの基本情報を共有したい場合や、キャンペーンやWebサイトの作成前にBusiness DNAの内容を確認したい場合に使いやすい。詳しくは、Brand Bookのヘルプを参照したい。

Webサイトの作成

Webサイト(Websites)は、Business DNAをもとに簡易的なWebサイトを生成する機能。

Webサイト機能を選択すると、まだWebサイトを作成していない場合は、Business DNAをもとにしたWebサイトの生成が始まる。生成後は、中央にWebサイトのプレビュー、下部にバージョンのサムネイル、右上に公開や共有、削除の操作が表示される。右下の「Edit」からは、右側にプロンプト入力用の編集パネルを開ける。

生成されたWebサイトには、Business DNAの内容をもとにした見出しや説明文、ナビゲーション、リンクボタンなどが配置される。プレビュー画面では、ページをスクロールしながら各セクションの内容を確認できる。

編集時は、⁠Your Prompt」に変更したい内容を入力し、⁠Edit Website」を選択する。編集を実行するとWebサイト全体の再生成が始まる。編集後は新しいバージョンとして残り、画面下部のサムネイルから以前のバージョンも確認できる。プロンプトには具体的な変更内容を入力し、複数の編集内容は1つにまとめることが推奨される。

右側パネル下部には、ページ上部のリンクボタンを更新する「Update Your link here」と、Business DNAを編集する「Edit Business DNA」も用意されている。

Webサイトが公開されていない状態では、画面上部に「Your website is not published」と表示される。右上の「Publish」トグルで公開/非公開を切り替えられる。プレビューは「Preview in New Tab」から新しいタブで確認できる。公開したページのURLは、筆者環境ではhttps://labs.google.com/u/0/pomelli/…の形式で発行された。

なお、筆者環境で試した範囲では、公開前のPomelli上のプレビューでは画像が一度も表示されなかった。一方、公開したページでは画像も表示された。

※今回の記事では、架空の書籍画像と書籍情報をNano Banana 2/Geminiで生成し、Pomelliのカタログ等に利用しました。

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