Linux Daily Topics

Linux 7.1リリース ―新ドライバで“NTFSが復活”⁠i486⁠ISDN⁠PCMCIAドライバなどレガシーコード大規模削除

Linus Torvaldsは6月14日、⁠Linux 7.1」の正式リリースをアナウンスした。今回のリリースではAIツールによるバグ報告が相次いだことで、Linusが開発者に対して警告を発する場面もあったが、開発自体は順調に進み、通常のスケジュール通り約2ヵ月間の開発期間および7本のリリース候補版を経ての公開となっている。

Linux 7.1でもっとも大きなアップデートとされるのが、新しいNTFSドライバが実装されたことだ。

Linuxカーネルではもともと、NTFSに対して読み取り専用サポートしか提供しておらず、NTFSへのフルアクセスを必要とするユーザはFUSE(Filesystem in Userspace)上で動作するNTFS-3Gを利用するしかなかった。2021年11月にリリースされたLinux 5.15で読み取りと書き込みの両方をサポートするNTFS3が実装され、さらに2024年5月のLinux 6.9では読み取り専用のNTFSはカーネルから削除されるに至っている。

しかしNTFS3はカーネルにマージされてからメンテナンスのペースが滞りがちになり、パッチの適用などのコミットも年々減少する傾向にあった。カーネルサーメンテナーのNamjae Jeonは「NTFS3にはまだ多くの問題があり、メンテナンスも不十分」として2025年10月に4年をかけて開発したNTFSPLUSと呼ばれる代替NTFS実装を発表、すでに削除されていた読み取り専用のNTFSをベースに、適切な読み書きが可能で現代的な機能も備えたファイルシステムへと書き換えるパッチの提供を開始した。

Jeonが開発した新しいNTFSドライバは、NTFS3と比較して最大で110%もすぐれたパフォーマンスを示しており、とくにマルチスレッド書き込み性能やマウント時間の短縮などで大きな効果を上げている。LinusはJeonの成果を「NTFSの復活」と評価し、4/17付けでこのドライバをマージしている

また、Linux 7.1では従来から進められていたレガシーコードの削除が数多く行われており、i486サポートの段階的終了やISDNコードの削除、古いPCMCIAドライバの削除などが含まれている。レガシーコードの削除はメンテナーの負荷やメンテナンスコストの観点からLinusも肯定的な姿勢を示しており、今後のカーネル開発においても継続する流れだとみられる。

そのほかのおもなアップデートは以下の通り。

  • Intelの割り込み/例外処理寄稿である「Intel FRED(Flexible Return and Event Delivery⁠⁠」がデフォルトで有効化
  • Intel Arc BattleImageの性能向上
  • AMDの次世代GPU(未発表のRDNA 4派生製品または将来のRDNA 5)への準備
  • AMD Kaveriなど旧世代APUのAMDGPU改善
  • ARMのメモリパーティショニングおよびモニタリング機能(MPAM)のサポートが改善、ユーザ空間からの利用が可能に
  • Apple Silicon MacBook向けSMC電源ドライバ追加
  • io_uringサブシステムによるBPFサポート

Linusは6月15日(米国時間)には次期カーネルとなる「Linux 7.2」のマージウィンドウをオープンすると予定だが、6/14時点では旅行中で「ノートパソコンとインターネット接続のない長時間のフライトが2回あるため、マージウィンドウのタイミングがすこし不規則になるが、早期のプルリクエストは取得済みなので、一部の作業はオフラインで行うことができる」とコメントしている。Linusの旅程に大きな問題が起こらない限り、まもなくLinux 7.2の開発がスタートすることになりそうだ。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧