AI開発のペースを調整する仕組みづくりを求める声明「Pacing the Frontier」公開 —⁠—OpenAIやAnthropicを含むフロンティアAI企業の従業員1,224人が署名

AI開発のペースを意図的に調整できるよう、技術面・ガバナンス面で必要な仕組みづくりを求める声明「Pacing the Frontier」が公開された。公式サイトには7月29日記事公開時点で、フロンティアAI企業の従業員1,224人が署名者として掲載されている。署名者にはOpenAI、Anthropic、Google、Meta、Thinking Machinesなどの関係者が含まれる。OpenAIとAnthropicは米国時間2026年7月28日、公式Xで声明に相次いで言及し、OpenAIは声明と共通する考えを示し、Anthropicは支持を明言した。

声明では、世界の主要AI企業がAI研究の自動化に近づいている可能性を指摘している。これによってAIの能力向上が急加速し、人間がシステムを理解・制御できなくなるリスクがあるという。新たなリスクへの対応、安全対策の開発、監督体制の強化には時間が必要になる一方、企業や国家には単独で開発速度を落としにくい競争圧力があるとしている。

そのうえで署名者らは、自動化が進むフロンティアAI開発全体のペースを意図的に調整できるよう、技術面・ガバナンス面で必要な手段を開発する国際的な取り組みを米政府が支援するよう求めた。具体的な開発停止の条件や規制案には踏み込んでいない。

公開されている主な署名者には、OpenAI チーフサイエンティストのJakub Pachocki氏とAnthropic CEOのDario Amodei氏がいる。このほか、Meta AI チーフサイエンティストのShengjia Zhao氏、Google DeepMind チーフストラテジーオフィサーのJasjeet Sekhon氏、Thinking Machines チーフサイエンティストのJohn Schulman氏も含まれる。ただし、⁠Pacing the Frontier」は各社による共同声明ではなく、フロンティアAI企業の従業員が、独立系非営利団体のGuidelight AI StandardsとEncode AIの支援を受けて公開した。サイト上の個人コメントは、所属企業の見解を必ずしも代表するものではないと明記されている。

OpenAIは、将来、AIによってフロンティアモデルの開発が著しく加速すれば、世界全体でAIの進歩のペースを調整する必要が生じる可能性があると投稿した。米政府が主導し、他のAI研究組織やオープンソースコミュニティとともに必要な手段や仕組みを開発する取り組みに貢献したいとしている。

Anthropicは公式Xで「Pacing the Frontier」への支持を表明し、CEOや複数の共同創業者、シニアスタッフが署名したと説明した。同社は前月に公開した再帰的自己改善に関する研究にも触れ、社会が備えるための時間を確保できるよう、AI開発のペースを意図的に調整する手段が必要だとの考えを示している。

公式サイトでは引き続き署名を受け付けており、署名者の確認には、勤務先のメールアドレスを使用するか、雇用関係を示す証明を提出する必要があるとしている。

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