Anthropic⁠Claudeの生成テキストに不可視のウォーターマーク —⁠—8月2日以降の新モデルは公開時から対応⁠既存モデルでも導入に向けて作業中

Claude CodeチームのThariq Shihipar氏は8月12日のX投稿で、対応モデルが生成するすべてのテキストに、人の目には見えないが機械的に検出できるウォーターマークが埋め込まれると説明した。Anthropicは、利用者自身が使えるテキスト検出APIも提供する予定という。

Anthropicの公式ヘルプHow Claude marks AI-generated content | Claude Help Centerによると、2026年8月2日以降に公開されるClaudeモデルは、公開時からウォーターマークを組み込む。8月2日より前に公開したモデルについても、導入に向けた作業を進めているという。こうした取り組みは、同社が署名したEU AI法第50条第2項の「AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範」への対応の一環にあたる。

テキスト自体に埋め込み⁠Claude CodeやAPIの出力も対象

Anthropicは、モデルが生成するテキスト自体に不可視のウォーターマークを直接組み込むとしている。利用者の目には見えず、Claudeの応答の意味や品質、読みやすさは変わらないという。テキストをコピーして別の場所へ貼り付けても引き継がれ、編集後にも残る場合がある。具体的な実装方式は、現時点の公式ヘルプでは説明されていない。

Anthropicは、Claude、Claude Code、Claude Cowork、Claude Tag、Claude Platform(API)など、対応モデルを利用できる各製品のテキスト出力にウォーターマークを適用する。AWS、Google Cloud、Microsoft Foundryを介した利用も含まれ、Claudeが提供されているすべての地域が対象となる。

なお、SVG、PNG、JPEGなどの対応ファイルには、C2PA準拠のデジタル署名付き来歴情報を添付する。ファイルがClaudeで処理されたことや、その後に改変されたかどうかを確認するためのもので、テキストのウォーターマークとは仕組みが異なる。

ウォーターマークの有無だけでは文章の作成過程を断定できない

Shihipar氏は、プルリクエストがClaude Codeで生成されたものかを調べる用途を例に挙げている。Anthropicは、ユーザーや第三者がウォーターマークを検出できる手段を用意する方針で、その詳細は今後公開する技術文書で説明するという。

ただし、公式ヘルプには、検出されたウォーターマークは文章がClaudeで処理された可能性を示すものの、それだけでClaudeが元の文章を作成したとは断定できないとの記述もある。例えば、人が書いた文章をClaudeで校正、翻訳、要約しただけでも、出力にウォーターマークが付く可能性がある。Claudeで処理した後に編集・抜粋されたり、ほかの素材と組み合わせられたりする場合もある。

反対に、ウォーターマークが見つからなくても、その文章がAIによって生成・処理されていない証明にはならないとしている。ウォーターマークに未対応のモデルによる出力のほか、Claudeでの処理後に大幅に編集・言い換え・翻訳された文章や、ほかの文章と組み合わせられたもの、短すぎる文章では、検出できない場合がある。


以下、8月15日追記。

隠し文字ではなく⁠単語選択のパターンを利用

Anthropicはその後、8月14日にFAQを含めたHow Claude’s text watermark worksを公開した。FAQでは、テキストのウォーターマークに使う仕組みを説明している。テキストに文字を付加する方式ではなく、隠し文字も使用しない。次の単語として同程度に適切な候補が複数ある場面で、鍵と直前の数語を使って選択を決め、文章全体にパターンを残す。鍵を使って単語の並びを照合することで、Claudeが生成に関与した可能性を確率として示せるという。Google DeepMindが2024年に発表した「SynthID-Text」をベースにした方式を採用している。

同社によると、内部テストでは文章の内容や創造性、読みやすさへの影響は確認されなかった。処理に追加のトークンは必要なく、利用料金も増えない。ウォーターマークには利用者を識別する情報が含まれず、特定の個人や組織、Claudeとの会話にひも付けて追跡することもできないとしている。

正確な出力が求められ、単語の選択肢が限られる場面ではウォーターマークを適用しない。このため、コードでは一般的な文章より適用される機会が少ないが、コメントなど任意の語句を選べる部分には適用できる。8月2日より前に公開した既存モデルについては、今後数カ月かけて対応を展開する予定という。

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