Google⁠「Gemini 3.7 Flash」発表 —⁠—コーディングやエージェント能力を含め性能向上

Googleは2026年8月14日、生成AIモデル「Gemini 3.7 Flash」を発表した。コーディングやAIエージェントでの性能を高めたほか、Web開発や専門知識を必要とする業務への対応力も向上したという。同日からGemini APIやGoogle AI Studioなどで提供する。個人向けのGemini Sparkは、160を超える国でGoogle AI ProまたはGoogle AI Ultraの加入者が利用できる。APIは2026年末まで期間限定価格で提供する。

最大100万トークンのコンテキストに対応

Gemini 3.7 Flashはテキスト、画像、音声、動画を入力でき、コンテキストウィンドウは最大100万トークン、テキスト出力は最大6万4000トークンとなる。推論レベルを調整することで、品質、コスト、応答時間のバランスを変えられる。

モデルカードは、知識カットオフを2026年3月としている。ただし、分野によって情報の新しさに差があり、知識が2025年1月時点にとどまる場合もあるという。

既知の制約としては、基盤モデル一般にみられるハルシネーションのほか、まれに発生する処理の遅延やタイムアウトも挙げている。

コーディング⁠Web開発⁠専門知識を要する業務で性能向上

前モデルのGemini 3.6 Flashと比べ、デバッグをはじめとする問題解決能力を強化し、初回出力のコード精度も改善した。

公式ブログの詳細な性能表には、本番向けコードの品質を測る「FrontierCode 1.1 Main⁠⁠、Web開発の「Code Arena⁠⁠、企業業務の自動化を扱う「AutomationBench」など、多数のベンチマーク結果が掲載されている。

ここでは、それらのベンチマークのうち、ターミナル環境でのAIエージェントのコーディング能力を測る「Terminal-bench 2.1⁠⁠、同じくターミナル環境でコーディング以外も含む幅広いタスクの遂行能力を測る「Terminal-bench 3.0⁠⁠、エージェント、コーディング、科学的推論、一般能力の評価を組み合わせ、モデルの総合的な知的能力を示す「Artificial Analysis Intelligence Index」の結果を示す。

モデル Terminal-bench 2.1 Terminal-bench 3.0 Intelligence Index
Gemini 3.7 Flash 85.8% 14.9% 56
Gemini 3.6 Flash 78.0% 5.4% 52
Claude Sonnet 5 80.4% 14.6% 55
GPT-5.6 Terra 87.4% 20.8% 57
Muse Spark 1.2 82.9% 掲載なし 57

開発時には、行き詰まった際の対応や指示への追従を改善し、必要に応じてユーザーの意図を確認する。複数工程の計画やツール呼び出しもより入念に進め、確認や再試行の手間を減らせるとしている。

Web開発では、少ないプロンプトでも機能的なレイアウトと必要な機能を備えたアプリを生成できる。スクリーンショットや画像、デザインシステムなどを基にしたUIの再現度も高めたという。

また、金融、法務、生命科学などでは、推論能力と精度を高め、実際の業務フローへの対応力も向上したとしている。

CBRN⁠サイバー攻撃に関する悪用防止策を更新

Googleは、化学・生物・放射線・(CBRN)分野とサイバー攻撃に関する悪用防止策も更新している。ジェイルブレイクへの耐性向上を続け、重大な能力リスクに備えた安全対策も強化したとしている。

モデルカードでは、Frontier Safety Frameworkに基づく能力リスク評価を掲載している。Gemini 3.7 Flashの能力は、追跡対象能力レベル(TCL)と重大能力レベル(CCL)のいずれの基準も満たさなかった。ただし、CBRN分野の専門家によるレッドチーミングとサイバーセキュリティ評価では、CCLより手前の段階で早期警戒の対象となった。Googleは今後も予防的な対策を続けるとしている。

API料金と提供先

Gemini 3.7 FlashのAPI料金は、2026年12月31日までは入力100万トークン当たり0.75ドル、出力100万トークン当たり3.75ドルとなる。この価格は、Gemini 3.6 Flashの発表時価格の半額に当たる。2027年1月1日以降は、入力100万トークン当たり1.50ドル、出力100万トークン当たり7.50ドルを適用する。

開発者向けには、Gemini API、Google Antigravity、Google AI Studio、Android StudioでGemini 3.7 Flashを提供する。企業向けには、Gemini Enterprise Agent PlatformとGemini Enterpriseアプリで展開する。

個人向けには、Geminiアプリ内のAIエージェント「Gemini Spark」がGemini 3.7 Flashで動作する。この更新により、Gemini SparkはGoogle Workspaceアプリを使う能力を高め、複数のスキルを組み合わせる複雑なワークフローでは、精度と出力品質も向上したという。

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