Alibaba CloudのQwenチームは、AIモデル「Qwen3.8-27B」のオープンウェイトを公開した。画像や動画を扱える270億パラメータのマルチモーダルモデルで、Apache License 2.0が適用される。Hugging FaceとModelScopeから入手できる。
27BのDenseモデル、 最大100万トークンまで拡張可能
Qwen3.8-27Bは、ビジョンエンコーダーを備えたDenseモデル[1] で、画像や動画を理解できる。Qwenは、コーディング、専門的な業務、研究、複数ステップにわたるエージェントタスクで性能を高めたとしている。言語モデル部分は64レイヤーで構成される。
モデルが標準で扱えるコンテキスト長は262,144トークンで、YaRN[2] により最大100万トークンまで拡張できる。Thinkingモードはデフォルトで有効で、最終回答の前に推論過程が生成される。このモードはリクエストごとに無効化でき、推論の深さはreasoning_effort でlow、medium、xhighの3段階から調整できる。
Hugging Faceなどに掲載されているモデルカードから、評価結果の一部を抜粋する。
ベンチマーク
Qwen3.8-27B
Qwen3.6-27B
Qwen3.7-Plus
Opus4.6 Max
Terminal Bench 2.1(ターミナル操作)
73.0
63.4
64.0
78.2
SWE-bench Pro(ソフトウェア開発)
61.7
53.5
57.6
53.4
OSWorld-Verified(コンピューター操作)
84.3
63.9
73.3
72.7
なお、SWE-bench Proでは、Opus4.6 MaxのスコアのみAnthropicの公表値を採用し、ほかのモデルはQwenがClaude Codeハーネスで評価している。このほか、Qwen独自のベンチマーク結果も掲載されている。
[2] YaRN(Yet another RoPE extensioN)は、Transformerがトークンの位置を扱うために使うRoPE(Rotary Position Embedding)を拡張し、学習時より長いコンテキストを扱えるようにする手法。Qwenは、標準のコンテキスト長を超える長文を処理する方法として、YaRNなどのRoPEスケーリング手法を紹介している。
2.4兆パラメータのオープンウェイトモデルも公開
Qwenチームはこれに先立ち、「 Qwen3.8-2.4T-A95B」のオープンウェイトも公開している。総パラメータ数は2.4兆で、Mixture of Experts(MoE)構成により推論時には950億パラメータを有効化する。標準のコンテキスト長は27B版と同じ262,144トークンで、最大1,010,000トークンまで拡張できる。
公開された2.4T版はテキスト専用で、Thinkingモードを無効化できない。これに対し、Qwen Cloudの「Qwen3.8-Max」は画像入力に加え、Thinkingモードを使わない応答にも対応する。ライセンスも異なり、Qwen3.8-27BにはApache License 2.0、2.4T版には商用利用も認める独自の「qwen3.8-max」ライセンスが適用される[3] 。