Claude Codeを使ったAI駆動アプリ開発入門

便利なスラッシュコマンドを使いこなそう

Claude Codeは、CLI上で動くLLMによるAI開発支援ツールです。本連載は全5回を予定しています。実務経験1~3年程度のエンジニア向けに、対話モードでの会話の基本、コンテキストと@記法、スラッシュコマンドとパーミッションの基本を解説し、最後に学んだ知識を総動員してアプリ開発をハンズオンで体験します。なお本連載は2026年9月刊行の『Claude Codeで作って学ぶ AI駆動アプリ開発入門』から一部、抜粋・編集してお届けします。

第3回目は、Claude Codeの対話モード内で使用する「スラッシュコマンド」の基本とよく使うコマンドを解説します。

スラッシュコマンドとは

ここからは、対話の流れそのものを操作するスラッシュコマンドについて学んでいきましょう。スラッシュコマンドとは、対話モード内で / から始まるコマンドを入力して使う機能です。

本書の第2章で紹介した claude や claude -c はターミナルで実行するシェルコマンドでした。Claude Codeの起動や、直前のセッションの再開に使うものです。一方、スラッシュコマンドはClaude Codeの対話モード内で使います。コンテキストの確認、会話のリセット、モデルの切り替えなど、対話モード内の操作や設定を行うためのコマンドです。

スラッシュコマンドは数十種類用意されていますが、すべてを覚える必要はありません。ここでは日常的に使うものを4つのカテゴリに分けて紹介します。残りのコマンドは/helpやTab補完で探せるので、必要なときに見つけられれば十分です。

コンテキスト管理のコマンドを覚えよう

連載の第2回で詳しく解説した、コンテキストウィンドウを管理するための3つのコマンドです。ここでは一覧として確認しておきましょう。

コンテキスト管理コマンド一覧
コマンド 機能
/context コンテキストの使用率と内訳を確認する
/clear 会話履歴をリセットして新しいタスクに集中する
/compact 会話を引き継ぎながらコンテキストを圧縮する

セッション管理のコマンドを覚えよう

/clear は現在の会話履歴をリセットするコマンドです。一方、セッション管理のコマンドは、セッションそのものを保存・再開・整理するためのものです。対話を終了するとセッションは自動的に保存されるため、「⁠昨日の続きから始めたい」「⁠後で再開するつもりだから名前をつけておきたい」という場面で役立ちます。

/resume は「過去のセッションを再開する」

/resume は、過去のセッション一覧を表示して、選択したセッションを再開するコマンドです。

> /resume

Resume Session
 ⌕ Search

 ❯ ▶ READMEを書いてください
   2 seconds ago · main · 1.8 KB

     Create main.js with Hello and helloWorld function
   23 seconds ago · main · 8.2 KB

矢印キーで再開したいセッションを選び、Enterキーで再開します。各セッションには、最初に入力したプロンプトに基づいたタイトルが自動で付けられます。画面上部のSearch欄にキーワードを入力すると、タイトルで絞り込み検索もできます。昨日の作業の続きや、先週やっていた機能の実装に戻りたいときに使います。

/rename は「セッションに名前をつける」

/resumeの一覧には対話の冒頭部分が表示されますが、それだけでは内容を思い出しにくいこともあります。/renameでセッションに名前をつけておくと、後から見つけやすくなります。

> /rename 認証機能の実装
    Session renamed to: 認証機能の実装

セッションを後で再開する予定があるときに使います。「⁠今日はここまでだけど、明日の続きに使いたい」というセッションには /renameで名前をつけておきましょう。名前をつけたら /exit(またはCtrl+D)で作業を終えます。

プロジェクト設定のコマンドを知っておこう

コンテキスト管理とセッション管理は、会話の進行や履歴を操作するコマンドでした。続いて、プロジェクト全体の設定に関わるコマンドを見ていきましょう。

これらのコマンドはCLAUDE.mdと関連しています。CLAUDE.mdは、Claude Codeにプロジェクトのルールを伝える設定ファイルです(詳細は本書の第4章をご参照ください⁠)⁠。ここではコマンドの概要をつかんでおきましょう。

/init は「CLAUDE.mdを自動生成する」

CLAUDE.mdがないプロジェクトでは、Claude Codeはプロジェクトのルールを何も知らない状態で動きます。そこで最初に実行するのが /initです。プロジェクトのルートディレクトリで実行すると、CLAUDE.mdの雛形を自動生成してくれます。

> /init

実行後、プロジェクトルートにCLAUDE.mdが作成され、プロジェクトの概要やよく使うコマンドなどの雛形が自動入力されます。

/model は「使用するAIモデルを切り替える」

Claude Codeでは複数のAIモデルを切り替えて使えます。/modelコマンドで選択画面が表示されます[1]。以下はMaxプランでの表示例です。

> /model

Select model
Switch between Claude models. Your pick becomes the default for new sessions. For other/previous
model names, specify with --model.

 › 1. Default (recommended) ✔ Opus 5 with 1M context · Best for everyday, complex tasks
   2. Opus (1M context)       Opus 5 with 1M context · Best for everyday, complex tasks
   3. Fable Fable 5 ·         Most capable for your hardest and longest-running tasks
   4. Sonnet Sonnet 5 ·       Efficient for routine tasks
   5. Haiku Haiku 4.5 ·       Fastest for quick answers
   6. Opus Opus 5 ·           Best for everyday, complex tasks

矢印キーで選択してEnterキーを押すと、モデルが切り替わります。モデル名を直接指定して切り替えることも可能です。

> /model sonnet

代表的なモデルは以下の4種類で、それぞれ性能・速度・コストのバランスが異なります。最初はデフォルトのまま使い、必要に応じて切り替えてみましょう。

モデルの特徴と向いている場面
モデル 特徴 向いている場面
Fable 最上位・最高性能 最も難易度の高いタスクや長時間タスク
Opus 高性能 複雑な設計・推論が必要な場面
Sonnet バランス型 日常的な開発作業全般
Haiku 高速 簡単な質問や確認作業

情報確認のコマンドを使ってみよう

ここまでの3カテゴリは何らかの「操作」を行うコマンドでした。最後のカテゴリは性質が異なり、Claude Code自体の状態を確認するためのコマンドです。

/status は「Claude Codeの状態を一覧表示する」

現在のセッションの名前やID、作業ディレクトリ、ログイン方法、使用中のモデルなど一通りの情報をまとめて確認できるコマンドです。動作が不安定に感じたときや、設定を確認したいときに実行してみましょう。

> /status

Settings:  Status   Config   Usage  (←/→ or tab to cycle)

Version: 2.1.219
Session name: /rename to add a name
Session ID: xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx
cwd: /Users/username/workspace/my-project
Login method: Claude Max Account

Model: Default Opus 5 · Most capable for complex work
MCP servers: (設定済みのMCPサーバー)
Memory: user (~/.claude/CLAUDE.md), project (CLAUDE.md)

出力例に表示されている項目の中には、個別のコマンドで確認・設定できるものもあります。まずは /statusで全体を俯瞰し、気になる項目を個別に調べるという使い方ができます。

/help は「利用可能なコマンドの一覧を表示する」

/help は、スラッシュコマンドの一覧と説明を表示するコマンドです。

> /help

コマンド名が思い出せないときに使います。本セクションで紹介したコマンド以外にも多くのコマンドが用意されているので、一度 /helpを実行して眺めてみるのもよいでしょう。「⁠コマンドを忘れたら /help」という習慣をつけておくと便利です。

/cost は「トークン使用量の統計を表示する」

/cost は、トークンの使用量とコストの統計を表示するコマンドです。API利用(従量課金)の場合に、利用コストを把握したいときに使います[2]。

> /cost
    Total cost:            $0.0000
    Total duration (API):  0s
    Total duration (wall): 6s
    Total code changes:    0 lines added, 0 lines removed
    Usage:                 0 input, 0 output, 0 cache read, 0 cache write

コマンド補完を活用しよう

ここまで4つのカテゴリのコマンドを紹介しました。コマンド名をすべて覚える必要はありません。Claude Codeにはコマンドを素早く探すための補完機能が用意されています。

Tab補完でコマンドを素早く入力する

連載の第1回目でTab補完を紹介しましたが、スラッシュコマンドの入力で特に威力を発揮します。コマンドの最初の数文字を入力してTabキーを押すと、自動的に補完されます。

/cle<Tab>  → /clear
/res<Tab>  → /resume(候補が複数ある場合は一覧表示)
/mod<Tab>  → /model

正確なコマンド名を覚えていなくても、先頭の数文字さえわかれば十分です。

「/」を入力するだけで候補一覧が表示される

対話モードで / を入力すると、利用可能なコマンドの候補一覧が表示されます。

> /

  /clear             Clear conversation history and free up context
  /status            Show Claude Code status including version, model...
  /compact           Clear conversation history but keep a summary...
  /doctor            Diagnose and verify your Claude Code installation...
  /init              Initialize a new CLAUDE.md file with codebase...
  /model             Set the AI model for Claude Code
  ...

候補から用途に合わせたコマンドを見つけたら、そのまま続きを入力してTabで補完するか、矢印キーで選択してEnterキーで実行できます。

まとめ

スラッシュコマンドは用途別に4つのカテゴリに分けて覚えると整理しやすくなります。

  • コンテキスト管理: /context、/clear、/compact
  • セッション管理: /resume、/rename、/exit
  • プロジェクト設定: /init、/model
  • 情報確認: /status、/help、/cost(API利用の場合)

日常的に使う頻度が高いのは /clear・/compact によるコンテキスト管理と、/resume によるセッション再開です。

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