OpenAI⁠⁠、AIとチームで作業する「ChatGPT Space」と⁠⁠、継続的に動作するクラウドエージェント「dots」を発表⁠⁠。GPT-6.1 Solも提供開始

OpenAIは2026年9月29日、開発者向けイベント「OpenAI DevDay 2026」で、ChatGPT、Codex、AIモデルなどに関する20件超の発表を行った。基調講演では、ChatGPTを毎週12億人が利用していることも明らかにした。

ChatGPTには、チームで文書やファイルを共有し、AIと一緒に作業する「Space」を導入する。専用のクラウド環境で継続的に仕事を進めるエージェント「dots」も発表した。新モデル「GPT-6.1 Sol」の提供も始めた。Codexでは、CLIの表示や複数エージェントの管理を改善した。

ChatGPTのサブスクリプションに含まれる利用枠を対応する外部アプリでも使えるようにし、月額500ドルの新プラン「Pro 500」も導入する。月額200ドルの「Pro 200」は、プランに含まれる利用枠をPlusの20倍から10倍へ変更する。既存ユーザーは従来の枠を一定期間維持できるほか、追加クレジットも付与される。

基調講演の最後にはCodexの利用制限をリセットするボタンが押され、有料プランの利用者に、後から使えるリセット(banked reset)が付与された。

ChatGPTのWeb版を刷新⁠、Spaceで共同作業

OpenAIのAndrew Ambrosino氏は、デスクトップアプリのコードベースをもとに、直近5週間でChatGPTのWeb版を全面的に書き直したとXで説明している。

同氏によると、GPT-6 Astraがあって初めて実現できた開発で、dots、Space、Codex Cloudなど、多くの新機能をWebとデスクトップへ同日に展開できるようになったという。

Spaceで文書や資料を共有

ChatGPT Spaceは、文書やファイルを集め、人とAIが共同で作業する場所。ファイルの保存・検索・再利用を担ってきたLibraryの役割を広げ、資料を管理するだけでなく、共有する文書を作成し、継続的に更新できるようにする。文書や関連資料は、テーマやチームごとにまとめて共有できる。

Pagesで人とAIが文書を共同編集

Pagesは、Space内で人とChatGPTが一緒に編集する文書。既存の会話から文書を作るようChatGPTに依頼したり、空のページへ直接書き込んだりできる。ページは見出しや段落、表などのブロックで構成し、画像、ファイル、コード、ほかのページへの参照も組み込める。画像の生成や対話的な図・計算ツールもページ内で利用できる。

調査やページ全体の更新は、ページの横のチャットから依頼できる。特定の箇所を直したい場合は、文章を選んで変更を依頼するほか、ページ本文やコメントで@ChatGPTや@dotを呼び出して指示できる。利用できるエージェントや操作は、アカウントのアクセス権によって異なる。

ページを編集権限付きで共有すると、複数人で同時に書き込めるようになる。メンバー同士でコメントを使って質問やフィードバックを残すこともできる。

共有相手はページに書き込まれた情報を閲覧できるが、個人の非公開チャットやメモリまで共有されるわけではない。共有相手や閲覧・編集の権限は、ページやSpaceの共有設定で管理する。Spaceや親ページを共有すると、その中のページにもアクセス権が引き継がれる。設定できる範囲は、アカウントや所属するワークスペースによって異なる。

SpaceとPagesは、発表時点ではPro、Business、Enterprise向けに提供する。Enterpriseでの共有は、有効化が必要なプレビューとなる。提供対象のアカウントではLibraryをSpaceに置き換えるが、既存のProjectsは別に残る。

Webとデスクトップでは作成・編集・共同作業に対応し、モバイルではページの検索、閲覧、共有を利用できる。モバイルでの作成・編集は今後の対応となる。

文書に加え、スライドの共同編集機能も今後数週間で提供する予定。会話や自分のテンプレートからスライドを作成し、人とエージェントが同時に編集できるようにする。コメントによるやり取りやChatGPT内でのプレゼンテーションに対応し、PowerPointやGoogle Slidesへの書き出しも可能になるという。

Teamsで定例作業を自動化

BusinessとEnterpriseでは、ChatGPT内で同僚をチームにまとめ、ページやプラグインなどを共有する「Teams」も利用できる。

定例の報告などをChatGPTに任せ、チームで管理できる「Team Tasks」も用意する。実行する時刻や作業内容を設定し、メンバーが指示を修正できる。連携したサービスに新しいメールやSlackメッセージが届いたときに、処理を始めることもできる。毎週の顧客対応のまとめや、プロジェクトのチャンネルに届いた更新の整理などに使う。

チームの所有者は、自分に利用が許可されている外部サービスの接続を選び、Team Tasksで使うよう設定する。タスクはクラウド上で動き、接続先のアカウントに認められた範囲で情報を取得したり、操作したりする。

Meetingsで会議メモをSpaceに保存

ChatGPTアプリ向けのMeetingsプラグインは、会議の内容から要約と次の作業候補を作り、Spaceのページへ保存する。会議の文字起こしに加え、ユーザー自身が書いたメモや、利用を許可した連携アプリの情報を使ってまとめる。自分で書いたメモも同じページに残り、内容を確認して共有したり、メールの下書きや計画の更新など、提案された次の作業をChatGPTに依頼したりできる。

現時点では、macOS版のChatGPTアプリで使える。Macのマイクが拾う声や、オンライン会議の相手の声などMac上で再生される音声を取り込み、OpenAIへ送信してメモを作る。会議にボットを参加させる必要はなく、対面の会話にも使える。録音前には参加者全員へ知らせ、同意を得る必要がある。メモが完成すると、音声はMacとOpenAIのサーバーから削除されるため、後から再生することはできない。

発表時点ではProとBusiness向けのベータ版。Enterpriseは一部顧客で試験中で、一般提供には至っていない。Windows、iOS、Androidへの対応も今後予定している。

Slack⁠・Microsoft TeamsからChatGPTに依頼

SlackやMicrosoft Teamsでは、チャンネルやスレッドで@ChatGPTに依頼し、議論を計画書や報告書へまとめられるようになった。同じ会話の中でメンバーが情報を追加し、結果の修正を求める使い方にも対応する。対象はChatGPT Business、Enterprise、Edu。管理者がこの機能を有効にしたチャンネルでは、個別のChatGPTライセンスを持たないメンバーも、@ChatGPTを使って質問や作業の依頼ができる。

@ChatGPTは、組織が設定したアシスタント専用のアカウントで動く。このアカウントで依頼を処理した場合、その利用量は専用アカウントの使用分として記録される。組織のワークスペースに設定された支出上限も適用される。

利用できる情報と操作は、組織が接続したツールや設定した権限によって決まる。メンバー個人が連携した外部サービスのアカウントを使うには、本人の許可が必要となる。その場合の利用量は、そのメンバーの使用分として記録される。

dots⁠、クラウドで継続的に仕事を進める

今回の発表の目玉の一つとなるdotsは、GPT-6 Astraを搭載し、ユーザーから任された目標に向けて継続的に働くエージェント。個々のエージェントをdotと呼び、それぞれが専用のクラウド環境でブラウザーの操作や情報の分析、ファイルの作成などを行う。外部サービスを接続するプラグインを通じて4,000以上のアプリと連携し、ユーザーが会話していない間も仕事を進める。

OpenAIは用途として、飲食店の予約のような身近な作業から、開発や業務の継続的な支援までを挙げている。ユーザーは目標や優先順位に加え、dotだけで進めてよいこと、事前に確認すること、実行してはいけないことを伝える。dotはその範囲で次に必要な仕事を考え、判断が必要な場面ではユーザーに確認する。

会話をまたぐ作業では、過去のやり取りや好み、決定事項などの文脈を使う。ChatGPT、Slack、Microsoft Teams、音声通話のどこから話しかけても同じdotが対応し、連絡手段を変えても記憶は引き継がれる。作業の進捗はChatGPTで報告し、判断を求める連絡はSlackへ送るなど、報告先を指示することもできる。

dotsの導入ガイドでは、継続して任せる仕事の伝え方やプロンプト例も紹介している。参照する資料や自分の判断が必要な場面を伝え、定期作業では時刻、タイムゾーン、実施期間を指定して、設定内容をdotに確認させる使い方を取り上げている。

専用のクラウド環境とCodex連携

dotのクラウド環境は、ユーザーのPCから独立して動く。手元のPCの電源を切っても、クラウド側の作業は続く。

ローカルのPCへのアクセスは任意で、初期状態では無効になっている。接続すると、そのPCのファイルやアプリを使った仕事を任せられる。ただし、ローカルPCを使う際は、そのPCがオンラインで、ChatGPTアプリを開いている必要がある。

OpenAI Developersは、開発者向けのdotsの利用例をXで紹介している。この例では、dotが接続したアプリに届くバグ報告や機能要望を整理し、繰り返し現れる問題を調べる。優先順位を踏まえてビルドの失敗や改善課題を調査し、コードの変更やテストにはCodexを使って、レビューできる状態のプルリクエストを用意する。

開発作業を任せる際は、コードベースの背景もdotに伝える。開発者は、クラウド環境で動くdotの作業画面を表示し、進み具合を確認できる。

自発的な調査と操作時の安全対策

依頼された仕事に加え、dotはほかに役立てることを探すため、クラウド環境でバックグラウンドの調査を始めることがある。OpenAIはこれをproactive researchと呼び、旅行の予定変更に気付く例や、予定している欧州旅行の候補地について情報を集める例を挙げている。調査結果はdot専用のメモとして蓄え、次の提案や仕事を考える材料にする。

この調査では、アクセスを許可された連携サービスの情報を読み取り専用のツールで集める。調査処理そのものが他人へメッセージを送ったり、連携サービスの内容を変更したり、ブラウザーやPCを操作したりすることはできない。調査結果をもとにdotが操作を行う場合は、通常の権限確認や安全性のチェックを受ける。

dotの操作全般に適用する条件は、ユーザーがCustom Rulesで設定できる。たとえば、「⁠顧客へのメッセージ送信は事前承認を求める」「⁠メールは送信しない」といったルールを指定する。メール送信やファイル変更などの前には、別の安全性確認システムであるAuto-reviewが、予定する操作をユーザーの指示やルールと照合する。

ユーザーが設定する条件に加え、dotsにはCustom Rulesでも解除できない安全上のルールが組み込まれている。購入やデータの完全削除などにはユーザーの承認が必要となり、パスワード変更などはユーザー自身が行う。

Pro⁠、Business Premiumなどへ順次提供

dotsはProとBusiness Premiumへ順次提供し、1体分の利用を追加料金なしでプランに含める[1]。

初期設定はChatGPTのデスクトップアプリ、またはPCで開いたChatGPTのWeb版で行う。モバイルアプリにも順次対応し、設定済みのdotとやり取りできるようになる。ただし、モバイルアプリからの新規作成とモバイルWebには、発表時点では対応していない。

OpenAIのThibault Sottiaux氏は、dotとの会話だけでなく、dot自身が直接行う仕事も、通常のプランの利用枠を消費しないと説明した。ただし、dotに開始・管理を依頼したCodexのタスクや、調査・資料作成などを任せるChatGPT Workのタスクは、通常どおり利用枠を消費する。

同氏は、dotの基本機能を今後もプランに含める方針も示した。処理速度や引き受けられる仕事量を増やす機能は、今後有料で提供するという[2]。

将来は、dotを追加できるようにする。また、dotに任せる「より踏み込んだ作業(deeper work⁠)⁠」には利用枠がある。OpenAIは、提供開始後の1カ月間、この作業に使える利用枠を増やすとしている。

このほか、企業が専用のIDやアクセス権を与え、特定の業務を任せる「specialist dots」も紹介した。OpenAIが導入企業と協力し、担当業務や利用ツール、作業の確認・承認の手順を個別に定めて試験導入を進める。Microsoft Agent 365の管理・セキュリティ機能との連携にも取り組んでいる。

PluginsでChatGPTにアプリの画面を組み込む

ChatGPTのプラグインは、外部サービスやツールを接続し、会話の中で情報を参照したり操作したりするための機能。今回発表された「Plugin Extensions」では、開発者がアプリ専用の画面や編集機能をChatGPT内に組み込めるようにした。

会話の横でアプリを操作⁠、ファイルも編集

ChatGPTのサイドバーに、プラグインで連携するアプリを開く入口を追加できるようになった。会話の横に操作パネルを表示する拡張では、相談しながら同じ画面でアプリを扱える。ファイルの表示・編集にも専用のインターフェースを用意でき、対応する種類のファイルを開いたときに、そのプラグインで内容を確認し、変更を保存できる。

公式の紹介例には、Canvaでサイドバーからデザインを作成・プレビューする機能、Figmaのファイルを入力欄で検索して参照する機能、AdobeのAcrobatやPhotoshopでChatGPT内のファイルを編集する機能がある。

なお、拡張の種類によって対応環境と提供時期は異なる。入力欄でのプラグイン内コンテンツの参照はデスクトップアプリ向けで、Free・Go向けのWeb上の拡張機能は今後提供する。

Codex向けには、Figmaがプラグイン内でDev Modeを利用する機能も紹介した。

Sitesにプラグインの接続先データを取り込む

ChatGPTとの会話でWebサイトやアプリを作るSitesでは、対応するプラグインを組み込めるようにする。プラグインを組み込んだアプリでは、同じワークスペースのメンバーが、自分のChatGPTに接続した外部サービスの情報を使える。この機能の対象はBusiness、Enterprise、Healthcare、Edu。

利用者本人がSiteに情報の読み取りを許可すると、その人が外部サービスで閲覧できる範囲の情報をSiteからも参照できる。Siteの作成者のアカウントを使うわけではなく、外部サービスの情報の変更にも対応しない。利用者が接続したサービスの情報を参照できるのは、その人がSiteを使っている間に限られる。

公開したSiteを編集したり、定期的に更新したりする機能も改善した。Plus・Proでは、所有者や編集者がPCのブラウザーで公開済みのSiteから「Edit site」を選び、ChatGPTで編集を続け、変更を確認して公開できるようになった。

Siteの所有者は、Automationsからクラウドで繰り返し実行するスケジュールも作成できる。ただし、Siteを訪れた利用者が接続したサービスの情報は、この定期処理では使えない。

SitesでMCPサーバーをホスト

Sitesで作ったWebサイトやWebアプリを、ChatGPTやCodexから操作するための機能も加わる。AIと外部のツールを接続するMCPのサーバーをSites上で動かし、Siteの情報を検索したり更新したりするツールを、プラグインを通じて利用できるようにする。

たとえば、チーム向けの業務マニュアルを載せたSiteに、その内容を検索するツールを備えたMCPサーバーを追加するよう、ChatGPTに依頼する。Siteの所有者が公開すると、対応するプラグインが作成される。ユーザーはそのプラグインをインストールして接続し、ChatGPTやCodexの会話からマニュアルを検索できる。公式ヘルプでは、プロジェクトのダッシュボードに進捗を取得・更新するツールを追加する用途も示している。

このホスティング機能は、全プラン向けに順次展開する。BusinessとEnterpriseでは、管理者の設定に応じてワークスペースのメンバーへプラグインを共有できる。利用者にはSiteとプラグインの両方へのアクセスが必要で、各自がインストールと接続を行う。個人向けアカウントでは、Siteにホストしたプラグインを招待やリンクでほかの利用者へ直接共有する機能には、現時点で対応していない。

Shareable profilesでSitesや活動状況を紹介

Sitesの紹介には、Shareable profilesも使える。自分が作成したSitesを選び、プロフィールに掲載できる。

プロフィールには、名前や自己紹介に加えてChatGPTでの活動状況も掲載でき、どの欄を表示するかを選べる。活動状況には、チャットのメッセージ数、Work・Codexのトークン利用量、継続して利用した日数などが含まれる。会話のタイトルや内容は載らない。よく使うプラグインは別の欄に表示される。

公開した個人のプロフィールは、ChatGPTへログインした人が閲覧できる。Businessでは同じワークスペース内での共有を管理者が設定する。WebとデスクトップではSitesの紹介欄を利用でき、モバイルには未対応。Enterprise向けは今後提供すると案内している。

Python⁠・TypeScript向け拡張SDKを公開

OpenAIは、Plugin Extensionsを実装するための開発キット(SDK)も公開した。Plugin Extensionsは、MCPと、AIアプリ内に外部ツールの画面を表示するMCP Appsを基盤に、ChatGPT向けの機能を加えている。

Python向けのopenai-mcp-extensionsはMCPサーバー用、TypeScript向けの@openai/mcp-extensionsはMCPサーバーとMCP Apps用となる。

接続先の更新を受けて動くMCP Events

OpenAIは、提案中の仕様「MCP Events」に対応した。ユーザーが監視する対象と処理内容を指定すると、対応するプラグインが連携先の新しいメッセージやコメントなどをChatGPTへ通知する。ChatGPTは通知を受けた会話で、指示された処理を進める。

OpenAIは、バグ報告のチャンネルを監視して修正とテストを含むドラフトPRを作る例や、文書に付いたレビューコメントを反映する例を挙げている。

プラグインの申請と検索⁠・推薦を改善

プラグインの公開申請の手順も見直し、申請時に示す修正点などを分かりやすくした。開発者は、アップロードしたプラグインの自動チェック結果を確認し、問題を修正してから審査に出せる。

利用者向けには、プラグインを探すディレクトリでの表示順位を見直し、ディレクトリや会話中で関連するプラグインを推薦する仕組みも改善した。

GPT-6.1 Sol⁠、複数の評価でAstraに接近

GPT-6.1 Solは、9月22日に発表されたGPT-6 Solの改良版となるモデル[3]。OpenAIは、複雑なコード変更やコードベースの調査、複数のアプリを使う長時間のエージェント作業などで性能を改善し、複数の評価でGPT-6 Astraに近づいたと説明している[4]。一方、標準APIの入力・出力トークン料金はAstraの5分の1に設定した。

キャッシュに保存した入力を再利用するときの料金も引き下げた。読み出し料金は100万トークン当たり0.10ドルで、Sol 6.1の通常入力料金より95%、GPT-6 Solのキャッシュ読み出し料金より50%低い。同じ指示や資料を繰り返し使うエージェントの処理で、入力にかかる費用を抑えられる。

GPT-6.1 Solのモデルガイドでは、決算資料から取締役会向けのプレゼンテーションを作る、製品の概要資料からWebサイトを構築するといった複雑な仕事で、費用も抑えたい場合の候補にSol 6.1を挙げている。費用や待ち時間より品質を優先する場合はAstra、範囲の明確な作業や単純な情報抽出にはLunaという位置付け。

提供先とモデルの基本仕様

ChatGPT WorkとCodexでは、GPT-6.1 Solを9月29日からPro向けに提供し、Plus、Business、Enterprise、Eduへ順次展開する。EnterpriseとEduでは、管理者による有効化が必要となる。APIからもモデルIDgpt-6.1-solで利用できる。通常の質問や会話に使うChatには、発表時点ではまだ提供されていない。

モデルが学習した知識の基準日となる知識カットオフは、2026年4月30日。検索やユーザーが渡す資料を通じて、それ以降の情報を扱うこともできる。

コンテキストウィンドウは105万トークンで、最大入力は92万2,000トークン、最大出力は12万8,000トークンとなる。コンテキストウィンドウは、入力した資料や会話、生成する応答など、モデルが一度の処理で扱う文脈の容量を指す。入力はテキストと画像、出力はテキストに対応し、モデル自体の音声・動画入出力には対応しない。

APIでは、推論に使う計算量を調整するreasoning.effortに、low、medium、high、xhigh、maxの5段階を指定できる。既定値はmedium。noneとminimalには対応しないため、既存の処理でこれらを指定している場合は設定の変更が必要となる。

外部のツールを呼び出す処理にはResponses APIを使う。Chat Completions APIも利用できるが、Sol 6.1ではツールを使わないリクエストに限られる。

コード修正や業務の自動化で性能を改善

OpenAI Developersが公表した評価では、実際のコードベースで複雑なソフトウェア開発課題を解くDeepSWE v1.1で、Sol 6.1は推論設定highで75.2%を記録した。GPT-6 Solの最高値は、最大の推論設定(maximum)で68.8%。Sol 6.1は、より低い推論設定で6.4ポイント上回り、タスク当たりの費用を約76%抑えたとしている[5]。

複数のアプリを使う一連の業務を、AIエージェントが完了できるかを評価するAutomationBenchでは、Sol 6.1は推論設定mediumで31.7%となった。同じ推論設定でのGPT-6 Solのスコアを4.8ポイント上回ったという。

コンピューター上でアプリを操作して作業を進める能力を評価するOSWorld 2.0のオフラインセットでは、Sol 6.1は最大の推論設定で71.4%を記録した。この値は、課題の途中までの達成も採点するスコアとなる。同じ設定のAstraは73.5%で、差は2.1ポイントだった。OpenAIによると、この評価でSol 6.1のタスク当たり費用はAstraの約7分の1となる。

Terminal-Bench 4.0で56.1%

ターミナルで複雑な作業を完了する能力を測るTerminal-Bench 4.0では、Artificial Analysisが独立した測定結果を公開している。9月30日時点の掲載値は、推論設定をmaxとしたSol 6.1が56.1%、GPT-6 Solが43.9%、Astraが59.1%。Sol 6.1はGPT-6 Solを12.2ポイント上回り、同じ設定のAstraとの差は3.0ポイントとなった[6]。

OpenAIの発表では、別の評価であるTerminal-Bench Science 0.1も取り上げた。コードとターミナルを使ってデータ分析やシミュレーションなどの科学研究を進める課題で、Sol 6.1は最大の推論設定でGPT-6 Solの2倍超のスコアを記録し、タスク当たりの費用は半分未満になったという。

API料金とキャッシュの仕組み

GPT-6.1 Solの標準API料金はGPT-6 Solと同じく、100万トークン当たり入力2ドル、出力10ドルとなる。

繰り返し使う指示や文脈には、処理結果を保存して次のリクエストで再利用するキャッシュを使える。共通する入力を毎回すべて処理し直す負担を減らす仕組みで、Sol 6.1の読み出し料金は100万トークン当たり0.10ドル。キャッシュへ保存する書き込みには別の料金がかかり、同2.50ドルとなる。

これらの単価は、入力が27万2,000トークンを超えると変わる。入力とキャッシュの単価は2倍、出力の単価は1.5倍となり、超過分だけでなくリクエスト全体に適用する。

事実性と安全性の評価

事実性の評価では、少なくとも一つの事実誤認を含む回答の割合が、推論設定lowでGPT-6 Solの11.4%からSol 6.1の7.7%へ、3.7ポイント低下した。推論設定xhighではGPT-6 Solが4.5%、Sol 6.1が4.1%、Astraが4.0%で、Sol 6.1とAstraの差は0.1ポイントとなった[7]。

安全性については、Astraのシステムカードの追補として評価結果を公開した。安全性の自動審査で操作を拒否された後、その制限を回避しようとするかを調べた評価では、Sol 6.1に回避を試みる行動は観測されなかった。一方、日常の作業で操作を制限する警告への対応も調べた。警告に反して別の手段で作業を続けようとした試行の割合は、Sol 6.1で23.5%となり、Astraの17.4%を上回った[8]。

OpenAIは、安全対策を決めるための能力評価の枠組み「Preparedness Framework」に基づき、Sol 6.1のサイバーセキュリティ能力を「Critical⁠」⁠、生物・化学分野の能力を「High」として扱い、Astraと同じ保護策を適用する。

CodexのCLI⁠・クラウド開発⁠・レビューを更新

Codexは、コードの調査や変更、テストなどを進める開発支援エージェント[9]。DevDayでは、ターミナルで使うCLI、クラウド上の開発環境、コードレビューの更新を紹介した。

CLIの表示を改善⁠、/agentsで並行作業を管理

9月30日時点の最新版は0.159.2。npm install -g @openai/codex@latestで更新できる。

会話をさかのぼる際は、スクロールに応じて古い履歴を読み込む。ターミナルが保持するスクロールバックの上限を超えた履歴も閲覧できる。入力欄はスクロール中も固定表示される。

また、差分表示やツールの出力は折りたたみに対応した。長い実行結果や変更内容が並ぶセッションでも、必要な箇所を開いて確認できる。状態表示、ヒント、キーボードショートカットには専用の領域を設け、作業状況と操作の案内が整理された。

Mermaidで記述した図やLaTeX形式の数式も、対応するものはターミナル内で描画できる。全画面UIやこれらの描画機能は、9月22日公開のバージョン0.156.0で先行して提供されていた。

並行作業を管理するため、新しい/agentsビューも用意した。実行中の作業を一覧し、進み具合を確認しながらタスク間を移動できる。

Codex Cloudの開発環境を会話で準備

OpenAIはCodex Cloudの刷新を発表し、順次提供を始めた。Codexは従来からクラウドでタスクを実行できたが、今回は開発環境の準備や再利用、デスクトップ・Web・モバイルからの利用を見直した。

新しいクラウド環境では、Codexがリポジトリを調べ、必要なライブラリやツールを導入して動作を確認する。利用者は会話でバージョンや実行コマンドなどを指定し、準備した環境を確認して「Publish」で確定する。新しいタスクは、その時点のファイルやツールがそろった環境で始められるため、同じ準備を繰り返す手間を減らせる。

OpenAIは、デスクトップアプリの操作体験をWebとモバイルにも広げる。環境の準備はデスクトップアプリかWebで行い、準備後はモバイルでもその環境を選んでタスクを開始できる。進行中のタスクは別の端末から開き、進捗を確認したり、追加の指示を出したりできる。

従来版は「Codex Cloud(Legacy⁠)⁠」として当面残る。移行期間中、コードレビュー、セキュリティレビュー、既存のLinear・GitHub連携は従来版を使う。対応する既存環境は利用者の操作で新しい環境へ移行でき、元の環境と過去のタスク履歴は残る。

発表時の対象プランはPlus、Pro、Business、Healthcare、Education、Enterprise。dotsからCodexのクラウド環境でタスクを作成することもでき、その場合はあらかじめCodex側で環境を作っておく必要がある。

レビュー画面を刷新⁠、GitLab対応はプレビュー

ChatGPTデスクトップアプリのコードレビュー画面を刷新した。Code Reviewプラグインでは、複数のリポジトリから自分やチームに依頼されたレビューを探し、プルリクエストの概要、差分、コメント、チェックの結果を確認できる。変更内容についてCodexに質問し、問題になりそうな箇所を調べてからフィードバックを送れる。

GitHub向けは一般提供で、GitLabのマージリクエストへの対応はプレビューとして追加した。従来のGitHub向け自動レビューによる指摘も、GitHubとCode Reviewの両方に表示する。

Security CloudでDaybreak Blueのモデルを利用

Codex Security Cloudでは、Daybreak Blueを通じて提供する防御用途のサイバーセキュリティモデルを標準で利用できるようにした。Codex Security Cloud内で使う場合、Daybreakへの別途申請は不要となる。デスクトップ版とWeb版のCodexでプラグインとして提供し、対象プランはPro、Business、Enterprise、Edu。

Codex Security Cloudは、GitHubリポジトリ全体のスキャンや、新しいコミットの継続的な確認を行う。検出した脆弱性を調査し、重複を整理して、レビュー用の修正案を準備する。今回の発表では、必要なときに実行するスキャンに加え、スケジュールを指定した実行も案内した。

ChatGPTの利用枠を外部アプリへ⁠、Pro 500も新設

ChatGPTのサブスクリプションでは、利用枠とその使い道を見直した。対応する外部アプリのAI処理にも利用中のプランの利用枠を使えるようにし、大きな利用枠と高速処理を備えるPro 500を追加する。既存のPro 200にも利用枠の変更がある。

Sign in with ChatGPTで外部アプリにも利用枠

「Sign in with ChatGPT」は、ChatGPTのアカウントで外部アプリやサイトへログインする機能。Plus・Proのユーザーは、対応するサービスで、OpenAI APIキーを使わずに自分のプランに含まれるAIの利用枠を使うことも選べる。利用枠の共有は、対応サービスを限定したプレビューとして提供する。

利用枠を使える対応先には、Devin、Notion、Vercel、Dactylなどがある。今回の案内では、オープンソースの連携先としてOpenClaw、OpenCode、Pi、T3も挙げている。

ログインだけに対応するアプリもあり、Airtable、Canva、GitLab、HubSpot、Supabaseが案内されている。

利用枠の共有を許可すると、対象となるAI処理はChatGPT Work・Codexと共通の利用枠を消費する。この許可によって、ChatGPTの会話やメモリがアプリに共有されることはない。設定画面ではアプリ別の利用状況を確認し、週の利用枠のうち、そのアプリが使える上限を設定できる[10]。

外部アプリ自体のサブスクリプション、実行基盤、有料機能などには、別の料金がかかる場合がある。

Pro 500の新設とPro 200の利用枠変更

Pro 500の料金は月額500ドル。ChatGPT Plusの25倍の利用枠と、Ultrafastへのアクセスを備える。Proは月額100ドル、200ドル、500ドルの3種類となる。

Pro 200については、新規申し込みの受付を再開するとともに、利用枠を見直す。Thibault Sottiaux氏はXへの投稿で、Plusを1とした利用枠の倍率をPro 100は5倍、新しいPro 200は10倍と説明した。

同氏は、同じ処理をAPIで実行した場合の料金を基準にすると、Pro 200の利用枠は従来の半分になると説明している。その上で、モデルの効率改善とAPI価格の引き下げによって、同じ費用で進められる仕事を増やす方針を示している。

Pro 200の既存ユーザーは、従来の20倍の利用枠を2026年10月29日まで維持できる[11]。その後は10倍となるが、月額200ドルの料金は変わらない。Thibault Sottiaux氏は追加クレジットの付与も案内した。

また、OpenAIは週の利用枠を都合に合わせて使えるよう、5時間単位の利用制限を再導入しない方針を示した。

UltrafastでAstraの生成を高速化

Ultrafastは、応答速度が重要な作業向けの高速処理オプション。Codexにおけるトークン生成速度がAstra Standardの最大8倍、Astra Fastの最大4倍となり、毎秒300トークンに達するという。APIでは最大6倍としている。

GPT-6 Astra向けのUltrafastは、Codex、ChatGPT Work、APIで提供を始めた。Pro 100やPro 200では、発表時点で追加クレジットを購入しても利用できない。CodexとChatGPT Workでの個人向け提供はPro 500が対象となる。

Enterpriseではクレジット制または米ドル建ての従量課金契約、Eduではクレジット制の契約が対象となる。EnterpriseではUltrafastが初期状態で無効になっており、管理者が利用者を指定するか、ワークスペース全体で有効にする。

高速化には、利用枠の消費増が伴う。プランに含まれる利用枠を使う場合、Ultrafastは利用量をStandardの8倍として計算する。購入済みクレジットやEnterpriseの従量課金を使う場合の倍率は6倍となる。

APIでは、Astra向けUltrafastを全開発者に提供する。利用量に応じたAPIのティアごとに、1分当たりのトークン数に上限を設けている。利用時は、モデルにgpt-6-astra、service_tierに"ultrafast"を指定する。

GPT-6.1 Sol向けのUltrafastは近日提供予定としている。

アプリに判断と操作を組み込むAPI

開発者向けAPIでは、決められた選択肢から判断を返すDecisions APIと、複数の手順を進めるエージェントをアプリへ組み込むAgents APIを紹介した。

Decisions APIで分類や処理の振り分け

Decisions APIは、GPT-6 Lunaによるリアルタイムの判断をアプリに組み込むためのAPI。コンテンツの分類、リクエストの振り分け、エージェントが次に行う操作の選択などに使う。

開発者は質問と回答候補を定義し、判断材料としてテキストや画像を送る。APIは候補から選んだ結果を返し、アプリはその結果に応じて処理を進める。たとえば、サポートへの問い合わせと担当チームの候補を渡し、問い合わせの振り分けに使える。

発表時点では、一部のAPI顧客を対象にテスト用の限定プレビューを提供しており、数日以内に対象を広げる予定としている。

Agents APIにコンピューター操作を追加

Agents APIは、エージェントを動かす基盤をOpenAIが運用するサービス。9月10日に公開ベータ版を発表済みで、ツールの利用や複数エージェントの連携、長時間の作業に必要な文脈の管理など、Codexの実行基盤をアプリへ取り込める。

今回のDevDayでは、Agents APIにコンピューター操作を追加した。エージェントは、OpenAIがホストする環境でブラウザーを動かす。アプリがセッションを開始して進捗を受け取り、エージェントはブラウザーで観察した内容から次の操作を決める。Webサイトのテストや情報収集、アプリの画面を通じた操作などを用途としている。

AWSとの連携では、OpenAIのエージェントをAWS内で実行する「Amazon Bedrock Managed Agents」をプレビューとして発表した。AWSのコンピューティングやデータサービスと接続し、既存のAWS環境に合わせてエージェントを構築するための選択肢となる。

企業向けのデータ保護とMarketplace

企業向けには、データの機密性を保つ「Private Intelligence」と、パートナー製品の購入を企業契約に組み込む「OpenAI Marketplace」を紹介した。

ZDRの下で安全性を自動確認

Private Intelligenceの一つとなるPrivate Safety Processingは、プロンプトと応答をOpenAI側に保持しないZero Data Retention(ZDR)の下で、安全性を自動で確認する仕組み。確認に必要なデータは暗号化し、顧客が管理するクラウドストレージに保存する。人が内容へアクセスできない専用の実行環境で復号して確認し、詳細な結果も暗号化して顧客の保存先へ戻す。

Private Intelligenceには、モデルが入力を処理して応答を生成する際のデータを保護するPrivate Inferenceも含まれる。機密コンピューティングを用い、今秋にプレビューを予定している。

Marketplaceで他社製品の購入も契約上の利用額に

ベータ版として発表したOpenAI Marketplaceでは、パートナー製品の購入額の一部を、OpenAIとの契約で約束した利用額に含められる。ソフトウェアの契約と支払いは、企業とパートナーの間で直接行い、対象となる製品や金額は、契約とプログラムの条件によって決まる。

AIモデルの推論サービスを提供するBasetenも、Marketplaceへの参加と、Codexへの直接統合を発表した。同社によると、OpenAIの企業顧客は、既存契約で約束した利用額を、Basetenが提供するオープンモデルの利用にもあてられる。モデルはCodex内やResponses API経由で利用できるという[12]。

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