外貨崩落 生き残る人は知っているもう1つのシナリオ
―FX、外貨預金、外貨投資信託 崩壊 円キャリー・トレード
- 松田哲 著
- 定価
- 1,628円(本体1,480円+税10%)
- 発売日
- 2007.9.21[在庫なし]
- 判型
- 四六
- 頁数
- 248ページ
- ISBN
- 978-4-7741-3191-7
サポート情報
概要
低金利の円を売って高金利の外貨を買う,金利差狙いの「円キャリー・トレード」が外貨投資ブームを牽引しています。しかし,サブプライム・ローン問題をはじめとしたリスク要因によって,円キャリー・トレードは崩壊の危機にあるのです。
前触れなく襲ってくる外貨の崩落から儲けを守り,逆に利を伸ばすチャンスにしたいすべての投資家へ!今後上がる通貨,下がる通貨,そして外国為替相場の「これから」を説き明かします。
こんな方にオススメ
- FX取引の投資判断材料として、外国為替相場の今後を知りたい方
- FX取引の「外貨買い円売り」一辺倒のトレードで行き詰まってしまった方
- 外貨預金や外貨投資信託など外貨建て金融商品の購入を検討している方
目次
第1章 金利差,インフレ率,そして「円キャリー・トレード」
- ドル/円を買うということ,ドル/円を売るということ
- 変動相場制度の自動調整機能には限界がある
- 為替レートは通貨の交換比率に過ぎない
- 「ドル/円レート」と「円/ドルレート」の違いとは?
- 通貨の価値が動くと,一方の通貨は逆の動き方をする
- マーケットに参加する以上は,市場慣行を軽視してはいけない
- 自由に売買できない通貨はマイナー・カレンシー
- 外貨の高金利をフルに享受することはできない
- キャリー・トレードには決定的な矛盾がある
第2章 急激に拡大したマーケットには「クラッシュ」の危険性が潜んでいる
- 「円キャリー・トレード」は誰でもできる
- 日本人は「外貨売り円買い」のイメージが苦手
- なぜ,売りから入ることをためらってしまうのか?
- セールストークはいつも「買ってみませんか?」
- レートが急上昇するときに水面下で起きていること
- 「ミニ・クラッシュ」か? 「大クラッシュ」か?
- 外貨預金,インパクト・ローンはリスク回避の伝統的な手法
- 個人向けの外貨投資は,金利がインセンティブになって広がった
- FXブームの背景に日本の超低金利政策
- 「円キャリー・トレード」で組まれた韓国の住宅ローン
- 「円キャリー・トレード」は黄色信号の点灯を始めた
第3章 勝ち残るためのシナリオはトレンドの水面下で進行している
- 外国為替相場の専門用語をまとめて押さえる
- なぜ,いずれ下落する高金利通貨が買われるのか?
- 「実効為替レート」と「購買力平価説」は相場の役に立つのか?
- "ふぐの毒"を見てみぬふりをしてはいけない
- 「外貨買い円売り」で稼げるトレンドは,いつまでも続かない
- マーケットの特徴と乖離した,ドルの奇妙な値動き
- 「円キャリー・トレード」の裏に,もう1つの大きなテーマがある
- マーケットの注目は,ドル/円よりもユーロ/円に向かっている
- 上海株ショック後に,再び「円キャリー・トレード」は優勢に
- 2002年から続く「ユーロ高」のトレンドに変化なし
- 「円キャリー・トレード」が「ドル安」トレンドを覆い隠している
- 「外貨買い円売り」に乗るときは,ユーロ/円の"買い"
- 「高金利通貨が買われ,低金利通貨が売られる」は命題ではない
- 一度生まれた利上げの期待感はマーケットで膨れ上がっていく
- 円金利上昇の思惑は「円キャリー・トレード」の危険サイン
第4章 外貨の暴落は,これからも同じようにして起こる
- 過去の値動きから読み取れることがある
- 上海株ショックで,ドル/円は高値からフリーフォール状態に
- ユーロ/円は歴史的最高値から急落
- ドル/円の下落リスクは収まらず
- 1週間で,120円台から115円台半ばが割れる
- 上海株ショックの舞台裏を考える
- 雪崩を打った「質への逃避」からLTCMショックへ
- "事件"の検討よりも先に,やるべきことがある
- 村上龍氏を迎えた日は10年に一度の大相場
- 「クラッシュ」は,みなが油断しているときに限って起こる
- 「円キャリー・トレード」の破綻は避けることができない
第5章 外貨崩落の引鉄と,リスクを儲けに変えるトレード・テクニック
- 円金利の引き上げは向こう3年程度続く
- 円金利は5%台に乗る可能性もある
- FOMC声明文から「追加利上げの可能性」の文言が消える
- ドル金利引き下げのタイミングは,いつ訪れるのか?
- 外貨下落の火種――サブプライム・ローン問題
- 為替の上下動に加速をつけるヘッジ・ファンドの影響力
- 「ミニ・クラッシュ」が高値づかみのポジションを洗う
- ポジション調整は強制される前に自らするもの
- 利食いしかできない人が陥る罠
- 「円キャリー・トレード」崩壊時に取るべき手段は2つある
- 外貨が崩落するときに有効な「売りのテクニック」
- リスクを抑えながら"売り"の金額を膨らませていく
- 売り相場の利食いは徹底してやらなければいけない
- 生き残りたければ,"手負いのトラ"には近づくな
プロフィール
松田哲
早稲田大学法学部を卒業後,三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)に入社。同行本店国際資金為替部にて外国為替,国際資金業務のエキスパートとして活躍。その後,フランス・パリバ銀行,クレディ・スイス銀行,オーストラリア・コモンウェルス銀行などのチーフ・ディーラーを歴任。
2007年以来のドル/円相場の下落,リーマン・ショックの外貨崩落を見事的中させたことで,多くのFXトレーダーから絶大な支持を得ている。外国為替相場の長期トレンドを読み切ることを最も得意としている。
現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として,個人・法人向けにコンサルティング業務を行う。
『FX 「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社),『FX短期売買の教科書』(扶桑社)など著書多数。
売買のタイミングをズバリ解説した,会員限定有料メールマガジン『松田哲の独断と偏見の為替相場』を好評配信中。