生物ミステリー(生物ミステリー プロ)
オルドビス紀・シルル紀の生物
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土屋健 著
群馬県立自然史博物館 監修 - 定価
- 2,948円(本体2,680円+税10%)
- 発売日
- 2013.11.12
- 判型
- A5
- 頁数
- 144ページ
- ISBN
- 978-4-7741-6085-6
サポート情報
概要
魅惑的な古生物たちの世界。
知的好奇心をくすぐり,知的探究心を呼び起こし,そして何よりシンプルに面白い。
そんな世界を,みなさまにお届けします。
シリーズ2作目は「オルドビス紀・シルル紀の生物」。
カンブリア紀に比べると,オルドビス紀もシルル紀も知名度はイマイチです。
しかしこの時代も,カンブリア紀並みに興味深い世界が広がっています。
カンブリア紀に出そろった動物グループが,より多様化を進めたのがオルドビス紀です。このことは「オルドビス紀の生物大放散事変」とよばれます。世界各地に現代型の礁がつくられ,三葉虫の姿かたちが豊かになり,巨大な頭足類が登場し,そして生命史上“最初の大量絶滅”が発生します。
次の時代のシルル紀には,奇天烈動物好きなみなさんにきっと満足していただけるであろう「ウミサソリ類」が大いに繁栄し,そして我らが祖先の魚類は,将来の繁栄の起爆剤となった「顎」を獲得します。
この通り,生命史のミステリーを解いていくうえで,意外と(?)重要なのが,オルドビス紀とシルル紀なのです。
本書のここを見てほしい
- 直近の研究成果も余すこと無く。マニアな方々も納得の情報量。
- 世界各地の研究者・組織に協力を頂き,珍しい写真を豊富に掲載。
- 最新の見地による復元イラストが満載。見ているだけでも楽しい。
こんな方にオススメ
- 古生物に興味のある方
- オルドビス紀,シルル紀について知りたい方
- 既刊本に飽き足らないマニアックな方に,特にオススメです
目次
第1部 オルドビス紀
- 滅んでいなかった支配者
- “バージェスタイプ”の生き残り
- オルドビス紀という時代
- “舞台”が変化した
- オルドビス紀の生物大放散事変
2. 環境のスペシャリスト「三葉虫」
- 平たい三葉虫ばかりだった前時代
- オルドビス紀の三葉虫は「スペシャリスト」となった
- ロシアの浅海に築かれた三葉虫の王国
- 黄鉄鉱が残した脚
3. シンシナティの“窓”
- アマチュア研究者が拓いた地
- 台頭する腕足類
- 生態系の頂点にたった頭足類
- もう一つの“王者”,ウミサソリ類
- シンシナティの三葉虫たち
- ヒトデの仲間たち
- “生きていた文字”
- さまざまなシンシナティの生物たち
4. スームの“冷たい海”
- 南アフリカのスーム頁岩
- 謎の生物「コノドント」
- スーム頁岩の動物たち
5. 魚類黎明期
- 鱗をもった「顎のない魚」
- 大洋を渡れなかった魚
エピローグ
- オルドビス紀末の大量絶滅
第2部 シルル紀
- 大絶滅からの復活
- “最強の節足動物”,出現
- 多様な脚をもったミクソプテルス
- 垂直尾翼をもったプテリゴトゥス
- その他さまざまなウミサソリたち
- ウミサソリ類の進化の系譜
- カブトガニ類の進化の系譜
2. サソリとウミサソリのちがい
- 大サソリとウミサソリのちがい
- 海に出現した最初のサソリ
- 体長90cm級のサソリ
3. ロチェスターに開いたシルル紀の“窓”
- シルル紀という時代
- ニューヨーク州の化石産地
- 懸濁物食者たちの棲み分け
- ロチェスターの三葉虫たち
- 他にもいろいろ。ロチェスターの多様な動物たち
4. シルル紀のポンペイ
- ヘレフォードシャーの火山灰の中に
- シルル紀のマレラ
- “ミニ王蟲”オファコルス
- ヘレフォードシャーのカブトガニ
- “最古の雄”とさまざまな動物たち
5. 魚たち
- 甲冑魚の勃興
- 顎の誕生
エピローグ
- 陸地の緑化が始まった
プロフィール
土屋健
オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学,古生物学)。その後,科学雑誌『Newton』の記者編集者を経て独立し,現職。近著に『そして恐竜は鳥になった』(誠文堂新光社),『大人の恐竜大図鑑』(洋泉社),『大人のための「恐竜学」』(祥伝社新書)など。