生物ミステリー(生物ミステリー プロ)
ジュラ紀の生物
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土屋健 著
群馬県立自然史博物館 監修 - 定価
- 2,948円(本体2,680円+税10%)
- 発売日
- 2015.6.12
- 判型
- A5
- 頁数
- 168ページ
- ISBN
- 978-4-7741-7406-8
概要
魅惑的な古生物たちの世界。
知的好奇心をくすぐり、知的探究心を呼び起こし、そして何よりシンプルに面白い。
そんな世界を、みなさまにお届けします。
シリーズ6作目は「ジュラ紀の生物」。
恐竜を圧倒し大型化したクルロタルシ類は、三畳紀末の大量絶滅で大打撃を受ける。
比較的小型のまま推移していた恐竜類は大量絶滅期を乗り越え、ついに陸上の主役の座に躍り出る。
海中では、絶滅期をくぐり抜けた海棲爬虫類が隆盛を極め、魚竜、首長竜がさらなる進化を遂げる。
ジュラ紀は、恐竜や海棲爬虫類、翼竜ばかりに目が行きがちだが、他にもさまざまな生物が登場する。
細々ながら着実に多様化を進める哺乳類。
カメ、トカゲなどの小型爬虫類、進化を続けるワニ形類、カエルなどの両生類。
三畳紀に入って再び勃興したアンモナイト類も忘れてはならない。
そして、静かに登場する鳥類。
本書では、これまでに発見・報告されている始祖鳥標本の画像をすべて収録しているので、お見逃しなく。
生物ロマン溢れるジュラ紀。
この時代を生きた生物たちの姿を垣間見よう。
本書のここを見てほしい
- 直近の研究成果も余すこと無く。マニアな方々も納得の情報量
- 世界各地の研究者・組織に協力を頂き、珍しい写真を豊富に掲載
- 最新の見地による復元イラストが満載。見ているだけでもワクワクできます
こんな方にオススメ
- 古生物に興味のある方
- ジュラ紀について知りたい方
- ※既刊本に飽き足らないマニアックな方にとくにお薦めです。
目次
1.“真の恐竜時代”の始まり
- 魚竜とクビナガリュウと翼竜を発見した「化石婦人」
- 大絶滅を生き抜いていた“イカ”
- ジュラ紀という時代
2.ドイツに開いた“第一の窓”
- 海から酸素が消えた日
- ホルツマーデン
- 魚竜の出産シーン
- バラバラ胎児のミステリー
- わずかなクビナガリュウ
- ワニ、翼竜、恐竜、魚類……吐いたのはだれだ?
- 旅をするウミユリ
3.躍進する爬虫類
- そして、カエル
- 巨大な眼をもつ魚竜
- クビナガリュウ類、繁栄す
- 最古のワニ、登場
- ワニ形類、水辺に進出す
- ワニ形類、水中に進出す
- カエル、跳躍す
4.アジアの恐竜王国
- ジュンガル盆地
- 巨大恐竜の戦い
- 死の足跡
- 恐竜の色
- 翼竜の“ミッシング・リンク”
- 哺乳類、水中を泳ぐ
- 哺乳類、空を飛ぶ
- 最古の真獣類、登場
- そして、寄生虫
5.伝統的恐竜産地
- モリソン
- 骨戦争
- 巨大恐竜たち
- なぜ、彼らはここまで大きくなったのか?
- アロサウルス ――ジュラ紀の王者
- 剣竜類「ステゴサウルス」
- ステゴサウルスの感染症
- 挿話:剣竜類の系譜
- 哺乳類、穴を掘る
6.大西洋の向こう側
- ジュラ紀のヨーロッパ
- 最大の魚類?
- トルボサウルス ――アメリカとヨーロッパをつなぐ
- 小さな島の小さな竜脚類
- ジラッファティタン――アフリカの似て非なる竜脚類
7.世界で最も有名な化石産地
- ゾルンホーフェン
- 始祖鳥――始まりの鳥
- 始祖鳥は飛べたのか?
- 始祖鳥の翼は何色か
- 始祖鳥の標本たち
- 新たな標本が意味すること
- 最小級の恐竜と、鱗のある恐竜、そしてリスもどき
- 2タイプの翼竜
- 死の行進化石
- 最も出会いやすい、“クモ化石”
エピローグ
- 何度も入れ替わっていたアンモナイト類
- 現れた“異常巻き”アンモナイト
プロフィール
土屋健
オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者を経て独立し、現職。近著に『デボン紀の生物』『石炭紀・ペルム紀の生物』(ともに技術評論社)、『WONDA 大昔の生きもの』(ポプラ社)、『理科が好きな子に育つ ふしぎのお話365日』(共著:誠文堂新光社)など。
群馬県立自然史博物館
監修担当。
世界遺産「富岡製糸場」で知られる群馬県富岡市にあり、地球と生命の歴史、群馬県の豊かな自然を紹介している。1996年開館の「見て・触れて・発見できる」博物館。常設展示「地球の時代」には、全長15mのカマラサウルスの実物骨格やブラキオサウルスの全身骨格、ティランノサウルス実物大ロボット、トリケラトプスの産状復元と全身骨格などの恐竜をはじめ、三葉虫の進化系統樹やウミサソリ、皮膚の印象が残ったヒゲクジラ類化石やヤベオオツノジカの全身骨格などが展示されている。そのほかにも、群馬県の豊かな自然を再現したいくつものジオラマ、ダーウィン直筆の手紙、アウストラロピテクスなど化石人類のジオラマなどが並んでいる。企画展もも年に3回開催。
http://www.gmnh.pref.gunma.jp/