『Amazon Web Services実践入門』(2015年11月、技術評論社)より転載
本書は、Amazon Web Services(以下AWS)の入門書として執筆しました。昨今、SaaS(Software as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)とさまざまなクラウドサービスがある中でも、世界的にユーザや情報が多いAWSですが、利用を始めるにあたって何をすればよいかわからないのも現実的な問題としてあると考えています。また、本書執筆中でもAWSから数多くの新しいサービスが発表され、今までできなかったことができるようになったりと、状況が目まぐるしく変化しています。その一例として本書を執筆した当初は、マネジメントコンソール(ブラウザ上のメニュー)はすべて英語表記でしたが、執筆中に日本語(正確には多言語)に対応し、おそらく本書が日本語メニューによる初めての解説書になると思います。
本書は実践的な入門書を特徴としており、その一つとしてAWS CommandLine Interface(AWS CLI)での実行例も記載しています。これはAWSの真の魅力であるプログラマブルな操作を知ってもらいたいという想いからです。マネジメントコンソールでの操作も直感的で便利ですが、各リソースをコマンドやAPIで操作することで、人の手を介さない構築や構成変更、障害対応が可能になり、スピードと利便性を兼ね備えたインフラが実現できるのです。
そんなAWSの魅力を解説する執筆陣には、AWSの最上位コンサルティングパートナーやAWSの導入事例にも掲載されている大規模システムを運用している企業の方に協力していただきました。AWSを使い続けた各企業が長年にわたって経験してきたノウハウが本書に散りばめられているので、ぜひ自分のモノにしていただきたいと思っています。
紙幅の都合上、すべてのサービスを紹介することはできませんが、本書ではAWSを使ううえでの基本的な考え方から各サービスの特徴までを詳しく解説しているので、AWSの本当の魅力とその使い方の理解が深まると確信しています。システムを支えるインフラの大部分の管理をAWSに任せることで、読者の皆さんがもっと生産的で有用な時間を確保できることを著者一同、心より願っております。
2015年9月 著者を代表して 舘岡 守