管理ゼロで成果はあがる
~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう
- 倉貫義人 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2019.1.24 2019.1.10
- 判型
- 四六
- 頁数
- 272ページ
- ISBN
- 978-4-297-10358-3 978-4-297-10359-0
サポート情報
概要
「上司なし・決裁なし」
「経費は承認なく使える」
「休暇は取り放題」
「給与は一律,賞与は山分け,評価制度なし」
「売上目標やノルマはなし」
「働く時間も場所も縛りなし」
「副業OK」
最高に自由に働いて成果を出し続ける会社の実体験に基づくメソッドや考え方を「生産的に働く」「自律的に働く」「独創的に働く」の3つのステップに体系化。
「組織として成果を出すこと」
「個人が楽しく働くこと」
をだれでも両立させる方法がわかる!
自己組織化された組織に変える3つのステップとは
- ①生産的で楽に成果を出せるように仕事の進め方を「見直す」
→ やり方・生産性・タスク・やる気・信頼関係・会議・雑談・社内業務・価値 - ②自律的に自ら働くようにマネジメントから管理を「なくす」
→ 管理・組織の階層・評価・数字・組織の壁・人の急募・教育・制度・通勤 - ③独創的な強みを手に入れるために慣習に従うのを「やめる」
→ 既存のビジネスモデル・説得する営業・新規事業・規模の追求・会社らしさ
成果のあがる組織に変えるメソッド・考え方の実例が満載
- ホウレンソウより心理的安全をもたらす「ザッソウ」
- 目標管理面談に代わる「すりあわせ」と「YWT」
- 1年以上をかけて信頼関係を築いてから採用
- 部署なし,全員が兼務で助け合う
- 「部活」から新規事業を生み出す
- 会社の枠を超えてチームになる「論理社員」
- できる範囲でがんばる「ベストエフォート経営」
こんな方にオススメ
- チームリーダー
- マネージャー
- 経営者
目次
はじめに
- 創造的な仕事は管理しないほうが生産的になる
- 自由に働く組織に変えるための3つのステップ
第1部 生産的に働く ~楽に成果をあげるために“見直す”
やり方を見直す ~「ふりかえり」で抜本的に生産性を改善する
- ふりかえりの4つのポイント
- 継続することでチームに改善の意識が定着する
生産性を見直す ~「時間対効果」の高い仕事をする
- 気合いや根性でがんばらない
- 「そもそも」からゴールを再設定して楽をする
- 「やったほうがいい」ことはしない
- 100%の品質と完成度は目指さない
- お金で解決できることにはお金を使う
- 抱え込まずにさっさと相談しよう
タスクを見直す ~「タスクばらし」で小口化する
- タスク管理ができていない3つの症状
- 仕事の前に「タスクばらし」をする
- 仕事をすることは,仕事を終えること
- 無駄を省くための「小口化」の原則
- サラサラな組織
やる気を見直す ~無理に上げない,なくさない状況をつくる
- 作業ではなく仕事を任せる
- 仕事の全体像と目的を伝える
- 「仕事を依頼する」のではなく「問題の相談をする」
- 社会にとって意義がある事業をする
- 仕事の結果にフィードバックをする
- ちょっと難しい仕事に挑戦してもらう
- そもそも「やる気」に頼らない仕組みを作る
信頼関係を見直す ~「心理的安全性」を生み出す環境
- リソースではなく,人間として見る
- ふりかえりができれば失敗してもいい
- 信頼関係は一発勝負でなく少しずつ
- 一貫性があること,論理の上に感情を乗せる
- 情報格差をなくす
- 互いの価値観や人生観も共有する
- 心理的安全性を高めるための議論をする
会議を見直す ~口を動かすだけでなく,いっしょに手を動かす
- 報告と報知の会議はなくせる
- 話したい内容は事前にやりとりしよう
- みんなといっしょに会議の成果物を作ろう
- 会議の形にこだわらず協働作業にしてしまう
雑談を見直す ~ホウレンソウから「ザッソウ」へ
- 雑談が話しかける心理的ハードルを下げる
- ホウレンソウの隙間を雑談が埋める
- 雑談をうまくするための3つのポイント
- 雑談のように相談する
社内業務を見直す ~人手に頼らない「業務ハック」で改善を続ける
- 最初から完璧なものを目指さない
- 人に頼る前に,コンピュータに頼る
- すべてをコンピュータにさせない半自動化
- 大袈裟な業務改善よりも,小さく始める「業務ハック」
価値を見直す ~受託脳よりも提案脳で考える
- 「受託脳」:顧客に向き合うだけでは物足りない
- 「提案脳」:顧客の顧客を見て自律的に提案できるようになる
第2部 自律的に働く ~人を支配しているものを“なくす”
管理をなくす ~セルフマネジメントで働くチームをつくる
- 創造性の高い仕事では指示命令をしても成果が出ない
- セルフマネジメントの3つのレベル
- Lv1:自分に与えられた仕事を1人でできる
- Lv2:自分に与えられたリソースで成果を出す
- Lv3:自分で仕事を見つけて成果を出す
- 互いに信頼しあうことで,自己組織化されたチームになれる
階層をなくす ~「ホラクラシー」組織を実現する仕組み
- ヒエラルキー構造の3つの問題
- ヒエラルキーに代わる新しい組織構造「ホラクラシー」
- 情報をオープンにして決裁をなくす
- ダイレクトにつないで思いを伝える
評価をなくす ~個人の成長と会社の貢献の「すりあわせ」をする
- 目標設定と評価がもたらす4つの問題
- そもそも評価で人を働かせるのはコストパフォーマンスが悪い
- 評価をなくして,どうやって報酬や昇格を決めるのか
- 評価がなくても公平かつがんばる秘密
- 目標管理面談に代わる「すりあわせ」とYWTメソッド
数字をなくす ~組織のビジョンよりも自分のためならがんばれる
- 「数字を使ってコントロールしない」から自分の頭で考えるようになる
- 売上目標はないがミッション・ビジョンはある
- モチベーションの源泉と自分のためにがんばる
- チームで思いをすりあわせるビジョン合宿と宣言大会
組織の壁をなくす ~信頼しあえる企業文化の育て方
- セクショナリズムと部分最適の弊害
- 「同じ組織やチームにいるのだから助け合おう」という企業文化を育てる
- 企業文化はリーダーの行動から生まれる
- 企業文化を語り合う機会をつくる
急募をなくす ~仕事があっても,いい人がいなければ採用しない
- 信頼関係を作ってから入社する採用プロセス
- 管理にコストをかけるか,採用にコストをかけるか
- 急募でいい人材は見つからないから,仕事よりも人が先
- いい人材を見極めるための採用のTIPS
- セルフマネジメントできる人材を見極める4つのポイント
教育をなくす ~自分の頭で考える社員の育て方
- 「人を育てる」なんて考えずに「育つ環境を与える」
- 師匠が背中を見せる
- チャレンジする仕事を与える
- 「ワークレビュー」で自分で考える力を身につける
制度をなくす ~本質ありきで考える「そもそも思考」
- 硬直化した組織はどうやって生まれてしまうのか
- ルールで縛るよりも価値観と良識に任せる
- ルールに従いながらロジックを組み立てる
- 「なぜなぜ」よりも「そもそも」から考える
通勤をなくす ~働く場所に縛られない「リモートチーム」
- ステップ① ペーパーレスにする
- ステップ② ツールをクラウド化する
- ステップ③ メールからチャットへ移行する
- ステップ④ テレビ会議を活用する
- ステップ⑤ 音声をつなぎっぱなしにする
- ステップ⑥ バーチャルオフィスを導入する
- ステップ⑦ 論理出社で全社員リモートワーク推奨にする
- ステップ⑧ 物理オフィスを撤廃する
- ステップ⑨ オンラインファーストで考える
第3部 独創的に働く ~常識や慣習に従うことを“やめる”
既存のビジネスモデルに従うのをやめる ~納品のない受託開発
- 「納品のない受託開発」の3つのポイント
- ブルー・オーシャン戦略で分析する「納品のない受託開発」
- 信頼関係で成り立つサブスクリプションでうまくやっていくには
- ビジネスモデルが人をつくる
顧客を説得する営業をやめる ~対等な関係を作るマーケティング
- 営業できないエンジニアたちの苦悩
- セールスを不要にすることがマーケティング
- 競争しない,戦わない,平和なマーケティング
- お金をかけずに知恵を出す
- ターゲットやキーワードを絞りすぎない
- 企業である前に人であることを表現する
- お客様になる前に好きになってもらう
新規事業の指示命令をやめる ~部活から生まれるイノベーション
- 新規事業を立ち上げるのはなぜ難しいか
- タイムリミットがない「部活」が新規事業に変わる
- 社内向けの「まかない」から生まれる新規事業
- 無駄な時間と遊びからチャレンジは生まれる
規模を追求することをやめる ~組織の大きさもコントロールしない
- 会社が存在する目的とはなにか
- 組織の大きさをコントロールしない
会社らしくすることをやめる ~文化をつないでいくコミュニティ
- 会社やチームが成立する2つの必須条件
- 会社の枠を超えてチームになる「論理社員」
- フリーランスになるよりも自由に働ける会社
- 文化を継承していくコミュニティのような会社
- 管理をなくすことが究極のマネジメント
おわりに
プロフィール
倉貫義人
株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。
小学生からプログラミングを始め,天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも,プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが,会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では,研究開発部門の立ち上げ,社内SNSの企画と開発,オープンソース化をおこない,自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。
しかし,経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて,その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして,株式会社ソニックガーデンを設立。
ソニックガーデンでは,月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは,船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。
会社経営においても,全社員リモートワーク,本社オフィスの撤廃,管理のない会社経営などさまざまな先進的な取り組みを実践。2018年には「働きがいのある会社ランキング」に初参加5位入賞と,「第3回ホワイト企業アワード」イクボス部門受賞。
著書に『「納品」をなくせばうまくいく』『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)がある。
プログラマを誇れる仕事にすることがミッション。
「心はプログラマ,仕事は経営者」がモットー。
ブログ:https://kuranuki.sonicgarden.jp/
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