【改訂新版】情報倫理 ネット時代のソーシャル・リテラシー
- 髙橋慈子,原田隆史,佐藤翔,岡部晋典 著
- 定価
- 1,518円(本体1,380円+税10%)
- 発売日
- 2020.3.14[在庫なし]
- 判型
- A5
- 頁数
- 208ページ
- ISBN
- 978-4-297-11081-9 978-4-297-11082-6
概要
イラストや図表が随所に入った,「やさしくわかりやすい,情報倫理の教科書」が新しくなりました。
新版では,これからの時代の課題となる「ビッグデータとAIの倫理」の章を新設。さらに「メディア・リテラシー」「ネット時代のコミュニケーション」「企業と情報倫理」などの既存章もアップデートし,ネットトラブルに巻き込まれたときの対処法など,ネットを活用する誰もが知っておくべき情報を盛り込みました。
幅広い観点から,情報に関するモラルやルールを学ぶことができる1冊です。
こんな方にオススメ
- 「情報倫理」の授業を履修する学生の方
- 現代の情報と倫理について,広く考えるきっかけをつかみたい方
目次
はじめに
第1章 情報倫理とは
- 倫理とは何か
- 「倫理学」の意味
- 応用倫理学としての情報倫理
- 社会的ジレンマ
- 情報倫理が指す範囲
- 情報倫理が重要になってきたわけ
- 情報倫理で取り扱われる領域
第2章 情報通信社会とインターネット,進化と変遷
- 情報社会は1960年代からはじまった
- テレビ,新聞。マスメディアによる情報発信
- 情報が社会を変える第三の波
- さらなる変化。情報通信社会の到来
- インターネットの誕生と広がり
- インターネットの通信技術「TCP/IP」と基本ソフト「UNIX」を採用したことが鍵
- 現代の情報の「4つの特性」を理解しておこう
第3章 ネット時代のコミュニケーション
- インターネット以前の連絡手段
- インターネットが時間,距離の制約をなくす
- メールは,相手を特定した連絡手段
- 手軽で簡単。メッセージングサービス
- ネットを使った音声通話・ビデオ通話
- Webを使った情報発信
- Webより簡単に情報発信できるブログ
- 人と人とのつながりを促す,ソーシャルネットワークサービス(SNS)
- ネットマナーに気をつけよう
第4章 メディアの変遷
- 「情報」と「メディア」
- 言語と文字の発明
- 教育と識字率
- 紙と印刷:アジアのメディア
- 活版印刷の成立と影響
- マスメディアの成立
- 画像・動画メディア
- 音声メディア
- 通信・放送の発展
- マスメディアの時代からネットワークの時代へ
第5章 メディア・リテラシー
- 「メディア・リテラシー」の定義
- 「メディア・リテラシー」教育の必要性
- テレビの仕組みと見方,考え方
- 新聞の仕組みと読み方,考え方
- 広告の動向,新しい動き
- インターネットが変えるニュース
- メディア・リテラシーを高めるには
第6章 情報技術とセキュリティ
- 何故,インターネットには危険があるのか?
- 外部と内部の両方にある脅威
- 外部からの脅威,ウイルス
- 不正アクセスに備える
- サーバー攻撃の踏み台にならない
- 天災にも備える
- 内部からの脅威にも留意する
- 自分のパソコンを守るためにしておくべきこと
- インターネットやメールを利用するときのセキュリティ対策としてすべきこと
- スマートフォンでもセキュリティを意識しよう
第7章 インターネットと犯罪
- 減少しないサイバー犯罪
- ウイルスだけではない不正プログラムの被害
- 情報をこっそり送り出す「スパイウェア」
- コンピューターを自在に操るボット
- 「人質」を取り脅迫してくるランサムウェア
- フィッシング詐欺による情報の不正入手
- ソーシャル・エンジニアリングを理解しておく
- サイバーテロ対策への取り組み
- 国と国との連携で取り組む
第8章 個人情報とプライバシー
- 変わる「プライバシー観」
- OECDによるプライバシーガイドライン
- 日本の「個人情報保護法」を知る
- 個人情報保護法の基本的な考え方
- 「個人情報」の定義
- 「個人情報保護法」の対象
- 「個人情報」の取り扱いで守るべき4つのルール
- 個人情報を行政が適切に活用していく仕組み,マイナンバー法
- マイナンバー制で懸念される危険
- オープンデータの利活用へ
- プライバシーを守っていくのは自分自身
第9章 知的所有権とコンテンツ
- 知的所有権とは何か
- 著作権
- 著作者人格権
- 著作権条約と著作権の保護期間
- 著作権の保護対象とならないもの
- 著作物の「利用」と「使用」
- 著作権侵害について
- デジタル著作権管理(DRM)
- 情報を「囲い込まない」オープンの思想
第10章 企業と情報倫理
- 企業の社会的責任「CSR」
- 地域社会も企業の「ステークホルダー」
- 米国の粉飾決算事件が企業責任の見直しに
- 粉飾防止に「会社改革法」を制定
- 「内部統制」の確立が求められる
- 日本では「新会社法」で内部統制を取り入れる
- 企業の信頼を守るITシステム
- ITシステム利用者が守るべき倫理
- 情報セキュリティポリシーを守る
- 企業の内部統制と自由
第11章 科学技術と倫理
- 科学技術は,人間の使い方次第
- 原子力を人間はどう使ったか
- 公害が生み出した病気と社会問題
- 技術決定論と社会決定論
- 科学に対する信頼性
- 技術者の倫理
- 防犯カメラによる監視問題
- 監視社会の未来
- 科学技術を利用する側として
- 情報活用能力と不安
- 科学技術を理解して伝える
第12章 ビッグデータとAIの倫理
- ビッグデータと倫理
- 人工知能の定義
- 機械学習と人工知能
- ディープラーニングと人工知能
- 人工知能はどこまで知能か
- ビッグデータとプライバシー
- ビッグデータの法的規制
- 人工知能と倫理
- 人工知能と日本の法律
- 今後の社会の変化と情報倫理
第13章 デジタルデバイドとユニバーサルデザイン
- デジタルデバイドは何故起こる?
- 世界での携帯電話によるモバイル通信の普及
- バリアフリーからユニバーサルデザインへ
- ミスターアベレージは誰か
- ユニバーサルデザインの7原則と事例
- 情報機器を使いやすくするための工夫
- ウェブアクセシビリティを高める
第14章 ソーシャルネットワークサービス(SNS)と情報モラル
- ソーシャルネットワークサービス(SNS)の動向
- 情報の残存性に留意する
- 公開範囲を設定する
- 不正なスマホアプリに注意する
- セクストーション(性的脅迫)に気をつける
- SNSによる人間関係のトラブルにも注意
- SNSでのトラブルに巻き込まれたら
- 誹謗中傷をネットに書かれたら
- セキュリティ対策もしておく
- 「フィルタリング」を利用して危険から守る
第15章 情報通信社会とリテラシー
- どのようなIT社会を目指しているのか
- サイバー空間に現実世界が乗る現代
- 情報通信社会を生きる私たちに必要な情報リテラシー
- メディア・リテラシー教育も並行する
- 膨大な情報から自分にとって必要な情報と出会うために
- 情報倫理の教育のこれから
索引
プロフィール
髙橋慈子
第2,3,5〜8,10,13〜15章
テクニカルコミュニケーションの専門会社 株式会社ハーティネス代表取締役
立教大学,慶應義塾大学,大妻女子大学 非常勤講師
情報処理学会ドキュメントコミュニケーション研究会運営委員
原田隆史
第1章(共著),第9章,第12章
同志社大学 免許資格課程センター 教授
同志社大学大学院総合政策科学研究科 教授
国立国会図書館 電子情報部 非常勤調査員。Project Next-L 代表
専門:図書館情報学,図書館システム
佐藤翔
第4章
同志社大学 免許資格課程センター 准教授
専門:図書館情報学
岡部晋典
第1章(共著),第11章
愛知淑徳大学 人間情報学部 講師
専門:図書館情報学