『目で見て体験! Kubernetesのしくみ—— Lチカでわかるクラスタオーケストレーション』より転載
本書は、Kubernetesの動作を確認し、読者の方に実感を持ってもらうことを目的としています。すなわち、Kubernetesの詳細、網羅的な設定方法については他書に譲り、利用者目線で見たときに生じる「こういうときに、Kubernetesはどのように動作するのだろうか」という疑問を解き明かしていくことにします。
とはいえKubernetesは、用語の独特さや、定義をかなり低レベルな部分から書かなければならない点など理解が難しい面があります。Kubernetesの動作を本格的に見ようと思うと、複数のマシンを用意しなければならず、準備のハードルも高いと言えるでしょう。また、複数のリクエストの分散処理や、アプリケーションが異常終了したときの再起動などは、動作が目に見えないため分かりにくくなりがちです。
そこで本書では、最近性能の上がってきたRaspberry Piに目を付けました。Raspberry Piを複数台用意してKubernetesのクラスタを構築し、そこで「目に見えるWebサーバ」を稼動することで、その動作を確認していきます。「目に見えるWebサーバ」はリクエストがあったときにLEDを点滅するため、実際にどのWebサーバでリクエストが処理されているのかが手に取るように分かるようになります。