PowerPointはプレゼンに欠かせない標準アプリですが、「描画ツール」としても大きな可能性を持っています。描画ツール? と不思議に思われるかもしれませんが、PowerPointの描画機能は非常に充実していて、グラフィック専用アプリ並みのことができてしまいます。イラストや図形の自由な作成から、写真の加工、レイヤー管理まで、多様な機能が備わっていますが、発表ツールというイメージの強さから、これらの機能が有効活用されていないケースを多々見かけます。
ちょっとした説明図やイラストが描きたい! でも専用ツールがない! そんなときはPowerPointを活用すれば解決です。DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれ、教育の現場でも、自作の資料やオリジナル教材を作ってオンラインで提供することが一般化してきた現在、複数のアプリを行き来しなくても、図やイラスト、スライドの作成、アニメーションの設定から動画化までを“PowerPointだけで完結”できます。
図やイラストを描くためにはセンスや才能が必要なのでは? と躊躇される方もいると思いますが、そういう方にこそ、ぜひ気軽にチャレンジしてほしいと思います。私もビジネス系の大学教員でありデザイナーやイラストレーターではありません。ですが、がんばり過ぎず、手軽に簡単に楽しみながら図やイラストを描けるのもPowerPointの大きな魅力だと感じています。
本書では、「こんなことパワポでできたの!?」「これもパワポ?」という驚きのテクニックから、普段の資料作成や授業教材作り等で効率よく簡単に作画できるノウハウまで、自分の授業経験をベースに、小中高や大学等の教育機関で活用できるよう再編したアイディアを幅広く網羅しました。また、授業教材だけでなく、一般的なイラスト描画に活用できるヒントや作画例も数多く掲載しました。
仕事で説明図やイラストを活用したい方、レポート等での簡易な作図などをしたい学生から、趣味でイラスト作画を試したい方、そして、それらを動画として情報発信したい方々を対象として、統合プラットフォームとしてのPowerPointを再定義し、その魅力を再発見していきます。ぜひPowerPointの新しい魅力を一緒に楽しみましょう!