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ディープラーニングを支える技術〈2〉
——ニューラルネットワーク最大の謎
- 岡野原大輔 著
- 定価
- 3,278円(本体2,980円+税10%)
- 発売日
- 2022.4.21 2022.4.18
- 判型
- A5
- 頁数
- 304ページ
- ISBN
- 978-4-297-12811-1 978-4-297-12812-8
概要
初学者の方々に向け、ディープラーニングの発展技術をまとめた解説書。
ディープラーニングは現在のAI/人工知能の発展の中核を担っており、スマートフォンからIoT、クラウドに至るまで幅広い領域で、画像、音声、言語処理をはじめとした多くの対象分野に浸透し、目覚ましい進展をもたらしています。
ディープラーニングの今の基本をまとめた前作に続き、本作ではニューラルネットワークにおける大きな謎である「なぜ学習できるのか」「なぜ汎化するのか」にスポットを当て平易に解説。合わせて、将来的な革新の可能性を秘める二大トピックとして、「生成モデル」「深層強化学習」も詳しく取り上げます。そして、4つのテーマのもと、ディープラーニングや人工知能について課題を整理し、今後を考えていきます。
多様な問題を一つのアプローチ、アルゴリズムで解ける驚異的な技術。ディープラーニングが一段と進化していく将来につながる、長く役立つ原理、原則、考え方を紐解く1冊です。
こんな方にオススメ
- 広くディープラーニング、人工知能を取り巻く技術に関心がある方々
- ディープラーニングの今と今後の発展について、知っておきたい方々
- ディープラーニングとその周辺分野の研究に興味がある方
- ディープラーングを学んでいて使っている方々
知的好奇心から、なぜディープラーニングが成功しているのかを知りたいという方々も大歓迎です。
目次
第0章 ディープラーニングとは何か表現学習とタスク学習、本書解説の流れ
- 0.1 [速習]ディープラーニング
- 0.2 ニューラルネットワークの「学習」における大きな謎
- 0.3 これから学ぶ生成モデル
- 0.4 これから学ぶ強化学習
- 0.5 ディープラーニングと人工知能の課題とこれから
第1章 ディープラーニングの最適化なぜ学習できるのか
- 1.1 最適化による学習
- 1.2 [概要]学習の効率化
- 1.3 モーメンタム法
- 1.4 学習率の自動調整
- 1.5 ハイパーパラメータの最適化
- 1.6 本章のまとめ
第2章 ディープラーニングの汎化なぜ未知のデータをうまく予測できるのか
- 2.1 従来の汎化理論との矛盾
- 2.2 ニューラルネットワークと陰的正則化
- 2.3 明示的な正則化
- 2.4 本章のまとめ
第3章 深層生成モデル生成を通じて複雑な世界を理解する
- 3.1 生成モデル&深層生成モデルとは何か
- 3.2 VAEニューラルネットワークを使った潜在変数モデル
- 3.3 GAN敵対的生成モデル
- 3.4 自己回帰モデル
- 3.5 正規化フロー
- 3.6 拡散モデル
- 3.7 本章のまとめ
第4章 深層強化学習ディープラーニングと強化学習の融合
- 4.1 強化学習の基本
- 4.2 強化学習はどのような特徴を持つのか
- 4.3 最適な方策を直接求めるモンテカルロ推定
- 4.4 方策と価値
- 4.5 ベルマン方程式隣り合う時刻間の価値の関係を表す
- 4.6 MC学習、オンライン版MC学習オンラインでの方策の価値推定①
- 4.7 TD学習オンラインでの方策の価値推定②
- 4.8 予測から制御へ問題のどこが変わるのか
- 4.9 方策オン型学習基本の考え方とSARSA
- 4.10 方策オフ型学習人の振り見て我が振り直せ
- 4.11 関数近似価値をパラメトリックモデルで近似する
- 4.12 方策勾配法方策の勾配を使って最適方策を学習する
- 4.13 DQNディープラーニングと強化学習の融合
- 4.14 AlphaGoコンピュータ囲碁での強化学習の適用例
- 4.15 モデルベース強化学習
- 4.16 本章のまとめ
第5章 これからのディープラーニングと人工知能どのように発展していくか
- 5.1 学習手法の発展自己教師あり学習
- 5.2 人工知能と計算性能の関係
- 5.3 問題固有の知識をどう組み込むか
- 5.4 ディープラーニングの今後の課題
- 5.5 本章のまとめ
プロフィール
岡野原大輔
2010年 東京大学情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻博士課程修了(情報理工学博士)。在学中の2006年、友人らとPreferred Infrastructureを共同で創業、また2014年にPreferred Networksを創業。現在はPreferred Networksの代表取締役CERおよびPreferred Computational Chemistryの代表取締役社長を務める。
- 『ディープラーニングを支える技術 ——「正解」を導くメカニズム[技術基礎]』(技術評論社、2022)
- 『深層学習 Deep Learning』(共著、近代科学社、2015)
- 『オンライン機械学習』(共著、講談社、2015)
- 『Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークスの挑戦』(西川 徹との共著、2020)
- 連載「AI最前線」(日経Robotics、本書執筆時点で連載中)