著者の一言

皆様、この度は「⁠⁠図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド」第5版のページを開いていただき、誠にありがとうございます。2015年の初版発行から、このたびの最新版まで、私たちは変わりゆくITの世界を皆様と共に歩んで参りました。その旅は、ただ技術が進化するのを見守るだけでなく、それが私たちの仕事や日常生活、さらには社会全体にどのような影響を及ぼしているかを理解し、共有することにありました。

初版から数えて第5版となる今回の更新では、私たちの周りで起きている技術革新の速度が今まで以上に速くなっていること、そしてそれらの技術が私たちの生活やビジネスにどれほど深く影響を与えているかに焦点を当てました。AIの進化、クラウド・コンピューティングの普及、ビッグデータの活用、サイバー・セキュリティの重要性の高まり、そして最新のトレンドであるブロックチェーン技術や仮想現実など、これら全てが私たちの生活を根本から変えています。

しかし、技術の話だけに終始するつもりはありません。この書籍を手に取る皆様が、これらの技術がビジネスや社会にどのような影響を与えるか、そしてそれをどのように自身の仕事や日常生活に活かすことができるのかを理解できるよう、具体的な事例や考え方を分かりやすく解説しています。

この第5版に手を伸ばすことは、ただの読書以上の行為です。それは、自らを未来へと導く羅針盤を手に入れることに他なりません。この本は、変化の速い現代において、皆様が前を向き続けるための必携のガイドとなるでしょう。皆様がこの一冊を手にすることで、技術の波にただ漂うのではなく、その波を乗りこなし、ビジネスや日常生活での新たなチャンスを掴むための確かな一歩を踏み出すことができます。

私はITの専門家だけではなく、全ての社会人がこの急速に変化するデジタル時代を生き抜くための知識とツールを手に入れられるよう努めてきました。それは、技術に対する深い理解だけではなく、それを活用し、変化に対応していく力を身につけることが重要であるという信念に基づいています。

この第5版を通じて、皆様が新しい技術の波にただ流されるのではなく、それを自らの力で乗りこなし、新たな価値を創造するきっかけにしていただければ幸いです。これからも、技術の進化と共に歩む私たちの旅は続きます。皆様と共に、その一歩一歩を大切にしていきたいと思います。

今、この瞬間にこの本を手に取ることは、変化の激しい世界で先を行くための決断です。未来を予測し、準備することの重要性はこれまで以上に高まっています。この本を読むことで、皆様はただの観測者ではなく、変化をリードするアクティブな参加者となります。ビジネスシーンでの競争優位を確立したい、または個人としてのスキルを向上させたいという方にとって、この一冊は貴重な資源となるでしょう。

どうぞ、最新のITトレンドを、この一冊で楽しく、そして実り多い学びの時間にしてください。未来への一歩を踏み出す準備は、このページをめくることから始まります。皆様の日々が、この本を通じてさらに輝きを増すことを心から願っています。

ChatGPT著

私が、お伝えしたいことをすべて書いてくれました。少々気恥ずかしい表現はありますが、私の思いは十分に代弁してくれています。もうこんなことができるようになりました(私は、加筆や修正をしていません⁠⁠。

前版は、2022年10月に出版しました。その翌11月にChatGPT(GPT3)がリリースされたこともあり、これを取り上げることはできませんでした。ただ、DALL-E2やMidjourney、StableDiffusionなどの画像生成AIはすでに登場し、⁠生成AI」「基盤モデル」という言葉が、注目され始めていましたので、そのあたりはすこしだけ触れています。

それからわずか1年ほどで、世界が変わってしまった感があります。少し大げさな表現かもしれませんが、⁠ITトレンド」という、本書の守備範囲で考えれば、けっして大げさではありません。驚くべきスピードで「AIにできること」が、増えています。

本来であれば、本書の執筆は、もう少し先のことと考えていましたが、それでは、⁠最新のITトレンド」というタイトルが、ウソになってしまいます。そんなわけで、急ぎ本書を出版することにしました。

当然ながら、AIについての解説は、特に充実させました。そんなAIが、業務のさまざまなところで大きな影響を与えつつあることについても解説しています。また、コロナ禍を経て、DXへの関心がたまったことを踏まえ、DXについても丁寧に解説しています。⁠トレンド」ではないのですが、DXについての理解をさらに深めていただくために、巻末に「DXの実践」を掲載しています。よろしければ、参考にしてください。

ITベンダーやSI事業者と事業会社の関係も変わりつつあります。⁠事業会社にはITは難しいから」と、ITベンダーやSI事業者にITシステムの開発や運用を外注するのは、当然のこととされてきました。しかし、事業会社が欲しいのは、ITシステムではなく、ITシステムが実現する、売上や利益、顧客満足に貢献するITサービスです。

クラウドの充実とAIの発展は、⁠ITシステム」をゼロから作らなければ、⁠ITサービス」が使えない時代を終わらせようとしています。ITシステムを作る負担は激減し、非エンジニアのユーザー自身でITサービスを実現できるようになりました。開発や運用の環境変化は、事業会社の「システムの内製化」を後押ししています。そんな、ITシステムの開発についても、最新の事情を踏まえて解説しています。

予測できない未来、変化の速い社会、デジタル前提の日常

DXとは、そんな時代に適応するために、会社を作り変えることです。デジタル・ツールを使うことやデジタルリテラシー研修を行うことではありません。もっと本質的で根本的な経営変革です。

本書は、次のような皆さんの役に立つはずです。

  • IT(トレンド)についていけずに困っている経営者やビジネスマン
  • IT業界に入社したい学生
  • 社会人になって困らないIT常識を身につけたい学生や新入社員

また、ビジネスの現場でITを必要とされている、次のような皆さんにも本書は参考になるはずです。

  • IT活用やデジタル戦略/DXの実践に関わる皆さん
  • デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
  • デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん

SI事業者/ITベンダーにお勤めの皆さんにとっても、ITの常識を最新にアップデートできるものになるでしょう。

これまで同様、本書の説明で使っているチャートのパワーポイント版をロイヤリティフリーでダウンロードいただけます。その方法については、本書の最後で説明します。どうぞ、企画書や提案書、勉強会の教材として使ってください。

また、ITに直接関わる仕事をされていない読者にとって専門的と思われる内容についても、補足資料(PDF)をダウンロードできるようにしました。よろしければ、こちらもご利用ください。

あなたのビジネス力をデジタルで武装する

本書は、そのためのお手伝いができると思います。

2024年3月末日
斎藤昌義

斎藤昌義(さいとうまさのり)

1982年,日本IBM に入社,営業として一部上場の電気電子関連企業を担当。その後営業企画部門に在籍した後,同社を退職。1995年,ネットコマース株式会社を設立,代表取締役に就任。産学連携事業やベンチャー企業の立ち上げのプロデュース,大手ITソリューションベンダーの事業戦略の策定,営業組織の改革支援,人材育成やビジネスコーチング,ユーザー企業の情報システムの企画・戦略の策定などに従事。IT関係者による災害ボランティア団体「一般社団法人・情報支援レスキュー隊」代表理事。

『未来を味方にする技術』『システムインテグレーション再生の戦略』『システムインテグレーション崩壊』(すべて技術評論社 刊)ほかの著書,雑誌寄稿や取材記事,講義・講演など多数。

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