著者の一言

  • 「自分が詐欺の被害に遭うことなんてない」
  • 「そうかんたんにだまされないだろう」
  • 「本当かウソかは、すぐに見分けられるだろう」

あなたはそう思っていませんか。

テレビで詐欺のニュースを見かけたとしても、実際に身近で詐欺に巻き込まれる経験がないと現実味も薄いでしょう。

しかし、最近ニュースなどでよく話題にあがる「SNS投資詐欺」⁠ロマンス詐欺」⁠振り込め詐欺」などの「特殊詐欺」の被害は、2023年に2万件以上認されています。これだけ詐欺の被害が増えているということは、もはや他人事ではなく、あなたや家族、知人が詐欺の被害者になる可能性が高まっていると言えます。

詐欺にだまされて、財産のほとんどを失ってしまった状況を想像してみてください。安泰だと思っていた人生が、一変してしまうかもしれません。あるいは、苦労している生活がさらに困窮するかもしれません。そして、

  • 「まさか自分がだまされるなんて……」
  • 「なぜあの時に気づけなかったんだ?」
  • 「大事なお金を返して!」

と悲しみや後悔、怒りに苛まれることになります。

それでは、だまされないようにするには何をすべきでしょうか。

重要なのは、⁠相手を知って、自分を知る」ことです。具体的には、犯罪者のだますテクニックを知るとともに、被害者がだまされてしまう心理を知ることです。

本書では、さまざまな詐欺の具体的な被害例を見ながら、被害者をだます仕組みを解説します。また、終章では、だまされる可能性を下げるための方法をご紹介します。

本書を読み終わったとき、あなたは詐欺の仕組みや身を守る方法を理解できます。さらに、家族や知人も読んでもらうことで、まわりの人も身を守れるすべを理解できます。

詐欺の手口は日々変化し続けており、常に新しい手口から身を守らなければなりません。しかし、詐欺によってだまされる仕組みとその心理を理解することで、自身でどうすべきかを考える力も身につくでしょう。

わたしは、6年ほどこのような犯罪から社会を守るために立ち向かってきました。最初は、三菱UFJ銀行のサイバー犯罪対策や金融犯罪対策を担当する部門で、銀行の利用者が被害に遭わないようにするために、さまざまな取り組みを進めてきました。

その後、⁠所属している銀行の利用者だけでなく社会全体を守りたい」という強い思いから、2020年に大手セキュリティ会社のラックに転職しました。そして、新たに専門部署である「金融犯罪対策センター」を立ち上げ、現在も自ら陣頭指揮をとりながら取り組みを続けています。ここ数年においては、さまざまなメディアでニュースの取材や番組に出演する機会をいただいています。

金融犯罪対策センターに所属するわたしの仲間は、⁠安心・安全な金融サービス環境の実現」を一緒に目指して、おもに金融機関やその関係機関を支援しています。具体的には、金融犯罪対策のコンサルティングや、AIを使った対策ソリューション「AIゼロフラウド」の提供、講演などの啓発活動です。さらに、金融業界や学術機関に加えさまざまな組織・団体と連携し、最新の技術や犯罪手口、対策を共有しあっています。

  • 「世の中から1人でも詐欺の被害者を減らしたい」

その一心で、本書にはこれまでわたしたち金融犯罪対策センターのメンバーが培ってきた経験や知識を余すことなく詰め込んでいます。手に取っていただいたあなたやそのまわりの方々の身を守る一助となれば幸いです。

株式会社ラック 初代金融犯罪対策センター長
小森美武

会社紹介

株式会社ラック 金融犯罪対策センター(かぶしきがいしゃらっく きんゆうはんざいたいさくせんたー)

情報セキュリティ分野のリーディング企業である株式会社ラックが、近年増加するサイバー犯罪や金融犯罪に対応する専門組織として、2021年5月に設立。「安心して利用できる金融サービス環境の実現」を目指し、多角的な取り組みを展開している。

ラックが持つ最先端のセキュリティ技術やAIの活用に加え、元金融機関での経験を持つ専門家が中心となり、現場の知見を活かした実践的な対策を提案。ITにくわしくない方でも安心して利用できる仕組みづくりを支援し、だれもが安心して暮らせる社会を目指している。

【ホームページ】https://www.lac.co.jp/corporate/unit/fc3.html

著者プロフィール

小森美武(こもりよしたけ)

株式会社ラック 初代金融犯罪対策センター長。

2020年まで三菱UFJ銀行にてサイバー犯罪や金融犯罪対策を陣頭指揮。2018~20年に日本サイバー犯罪対策センター(JC3)の幹事。2020年5月に株式会社ラックへ転職。2021年に金融犯罪対策センターを立ち上げ、センター長に就任。現在は、金融機関での実務経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、金融業界への啓発などに従事。

木村将之(きむらまさゆき)

株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長。

メガバンクにてサイバー犯罪対策や金融犯罪対策の調査・分析および施策の企画・立案に従事。2021年より現職。金融機関での実務経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。

岡本信秀(おかもとのぶひで)

株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長(福岡在住)。

地域金融機関を経て2023年より現職。金融機関でのIT企画やシステムリスク管理、サイバーセキュリティなどの経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策、サイバーセキュリティ対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。

池田芳輝(いけだよしてる)

株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長。

ITベンダーを経て株式会社ラックへ入社。2022年までシステム開発・セキュリティ関連・ソリューション導入の販売に従事。2023年より現職。不正取引検知ソリューションのプロモーション、提案、導入支援などに従事。

海老原章(えびはらあきら)

株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長。

大手金融機関やメガバンクを経て2024年より現職。金融機関での法人取引やトランザクションビジネス企画推進、AML/CFT対策の経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。

新林直樹(あらばやしなおき)

株式会社ラック 金融犯罪対策センター サイバーセキュリティ・金融犯罪対策コンサルタント。

2016年に株式会社ラックへ入社。2017年までおもに金融機関へのサイバーセキュリティ対策のコンサルテーションに従事。その後、2022年6月まで大手金融機関へ出向し、CSIRT業務支援に従事。現在は、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションのプロモーション、提案、導入支援などに従事。

田中しおり(たなかしおり)

株式会社ラック 金融犯罪対策センター サイバーセキュリティ・金融犯罪対策コンサルタント。

2020年に株式会社ラックへ入社。2021年まで金融機関へのサイバーセキュリティ分野の動向や脆弱性情報の提供、対策の提言などに従事。現在は、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。

佐野智弥(さのともや)

株式会社ラック 金融犯罪対策センター サイバーセキュリティ・金融犯罪対策コンサルタント。

2021年まで大学院でフィッシングやAIを用いた悪性サイトの検知について研究。2022年に株式会社ラックへ入社。現在は、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知のソリューションの導入支援、日本サイバー犯罪対策センターやフィッシング対策協議会などの関連外部団体・組織と連携した活動などに従事。

小森美武(こもりよしたけ)

木村将之(きむらまさゆき)

岡本信秀(おかもとのぶひで)

池田芳輝(いけだよしてる)

海老原章(えびはらあきら)

新林直樹(あらばやしなおき)

田中しおり(たなかしおり)

佐野智弥(さのともや)