本書は基本情報技術者試験の資格取得を目標に学習する方に向けた、科目B受験用の対策参考書です。プログラミング初挑戦の方を想定しており、コンピュータとプログラムがどのように連係して動くのか、普通のプログラム言語の入門書では省かれる「大前提」から解説を始めています。本題のプログラム解説は、一つひとつの命令をていねいに説明することを心掛けました。できるだけ問題文のプログラムとにらめっこする時間が少なくて済むよう、色分けや図解をたくさん使って、パッと見てわかりやすくするための工夫をしています。
ここで、ちょっとだけ予備知識……。本書の書名にもなっている「アルゴリム」とは、コンピュータに処理させる命令の内容とその手順のことです。プログラムを書く前には、まずアルゴリズムを考える必要がありますが、これがきちんとできていないと、プログラムは正しく動作しません。
もちろん、プログラム言語の文法を知って、使いこなすことも必要ですが、プログラミングのベースとなるスキルは、アルゴリズムを考える能力といえるでしょう。本書では、基本情報のアルゴリズム問題に出題される仮想のプログラム言語「擬似言語」を使って、アルゴリズムの考え方を詳しく解説しています。
また、すでにプログラム言語の習得経験のある方には、科目Bのアルゴリズム問題攻略に的を絞った徹底対策本としても使える内容になっています。
擬似言語は、一般的なプログラム言語がもつ基本的な機能のみに仕様を絞り込んだ仮想言語です。Java風やPhython風、C言語風な文法が一部取り入れられてはいますが、実際のプログラム言語とは少しずつ異なる独特のルールで出題されています。したがって、プログラム言語の経験者であっても、別途ルールを習得して、擬似言語プログラムに慣れておくことが必要になってきます。