IoT技術の発展に伴い、電子工作の世界は大きく変化しています。その中心となるのがRaspberryPi Pico Wです。高性能なマイコンと無線通信機能により、IoTに必須の機能が揃っていますから、これだけでIoTデバイスの製作を始めることができます。これだけのものが千円ちょっとで手に入ります。
しかもMicroPythonやArduinoに対応しているので、プログラミングもこれまでのマイコンに比べて圧倒的に易しくなります。これだけ条件が揃えば、なんでもできてしまうという気にさえなります。
さらに本書執筆中にRaspberry Pi Pico 2Wの技適が取れて日本での発売が開始されました。筆者も早速手に入れて本書の製作例をひととおり試してみましたが、問題なく動作しました。性能もアップし、メモリも倍増しましたからさらに活用範囲が拡がります。
無線機能をフル活用すれば、インターネット接続によりクラウドを自由自在に使うことはもちろんのこと、ChatGPTさえも活用できてしまいます。まさにMtoMという世界が実現できます。最近流行のホームオートメーション用SwitchBot もWi-Fiでコントロールできますし、Wi-Fi やBluetooth/BLEでスマホやタブレットと接続することもできます。
スマホ/タブレットのアプリを作成することを考えたとき、「MIT App Inventor2」が公式に日本語に対応したということで、使わない手はないと思いました。MIT App Inventor2を使えば、Scratchと同じ要領のブロックプログラミングでスマホ/タブレットのアプリはいとも簡単にできてしまいます。しかもScratchと異なり画面デザインも自由にできますから、Raspberry Pi Pico W/2Wの表示
操作はすべてスマホ/タブレットで賄えます。
このRaspberry Pi Pico W/2WとMIT App Invenmtor2、クラウド、ChatGPTの組み合わせは、これまでの電子工作の世界を一変させることができます。
センサやモータ、LEDなどを接続して単体で動かすだけでなく、スマホ/タブレットと連携してリモートコントロールしたり、インターネットとクラウドを使ってデータを保存、グラフ化してネットに公開したりすることができます。さらに、ChatGPTに問い合わせをして、新たなデータをもらったりすることもできます。
この面白い世界を是非多くの方々に味わって頂きたいという思いで、本書を執筆いたしました。
読者の方々の電子工作の世界をアップグレードするために、本書が少しでもお役に立てば幸いです。