生物ミステリー(生物ミステリーPRO) 地球生命 空の興亡史

「地球生命 空の興亡史」のカバー画像
著者
土屋健つちやけん 著
かわさきしゅんいち イラスト
田中公教たなかとものり木村由莉きむらゆり群馬県立自然史博物館ぐんまけんりつしぜんしはくぶつかん 監修
定価
3,960円(本体3,600円+税10%)
発売日
2025.7.22
判型
A5
頁数
176ページ
ISBN
978-4-297-15041-9

概要

魅惑的な古生物たちの世界。知的好奇心をくすぐり、知的探究心を呼び起こし、そして何よりシンプルに面白い。そんな世界を、みなさまにお届けします。

新シリーズ3作目は「空における古生物の興亡」。

水圏、陸圏へと生息域を拡大する古生物。その生息域は、ついに空へ向かうことになります。本書は、そんな空中世界を“進化の舞台”として興亡を繰り広げた生命のうち、3つの脊椎動物グループに焦点を当てました。

「翼竜類」「鳥類」「哺乳類」

これら3グループを中心に展開する“空の世界”では、どのような興亡が繰り広げられたのでしょうか。地球生命史を語る中でとりわけ興味深い“空の興亡史”の物語を、存分にお楽しみください。

こんな方にオススメ

  • 古生物ファン
  • 美しい&貴重な化石を愛でたい方
  • 空で繰り広げられた古生物の興亡に興味のある方

※「生物ミステリーPRO」愛読者にドンピシャの1冊です。

目次

第1章 空への進出

第1節 脊椎動物、空を飛ぶ!

  • 空への序章
  • 唯一の超大陸
  • 先行者たち
  • 翼竜類へ

第2節 空を制した竜たち

  • 先陣
  • 繁栄する小型翼竜たち
  • 変化の兆し

第3節 多様化、そして、大型化

  • 新型、現る
  • 翼竜は、顔が命!?
  • トレードマークは、トサカ!
  • 口先がトレードマーク!
  • 超大型種たち

第2章 現代へと続く空の系譜1

第1節 空のライバルの登場

  • 鳥類への系譜
  • 鳥類誕生
  • 樹上で生きる

第2節 真の鳥たちへ

  • クチバシを備える
  • 水辺で暮らす
  • 海を泳ぐ
  • 地上を走る
  • もっと空へ
  • 現代型、登場

第3節 絶滅事件を乗り越えて

  • ダチョウたちへの系譜
  • 地上を走る、再び
  • ホバリングの開始
  • 超大型種の出現

第3章 後進の飛翔者たち

第1節 恐竜時代の空飛ぶ仲間たち

  • かつての飛行性哺乳類

第2節 新時代の空飛ぶ仲間たち

  • 哺乳類唯一の“完全飛行”
  • 齧歯類も空を飛ぶ

プロフィール

土屋健つちやけん

本書の著者。

埼玉県生まれ。サイエンスライター。オフィス ジオパレオント代表。日本地質学会会員、日本古生物学会会員、日本文藝家協会会員。

金沢大学大学院自然科学研究科で修士(理学)を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌 『Newton』の編集記者、部長代理を経て、2012年より現職。

愛犬たちとの散歩、 愛犬たちとの昼寝が日課。本書制作中に長女犬のラブラドール・レトリバーが他界し、新たに三女犬としてボーダーコリーを迎えた。

2019年にサイエンスライターとして初めての日本古生物学会貢献賞を受賞。古生物学に関する著作多数。近著に『古生物のカルテ』『推しアンモナイト図鑑』(ともに技術評論社)、『恐竜大絶滅』(中央公論新書)など。

かわさきしゅんいち

本書のイラストレーター。

絵本作家、イラストレーター。

著書に『うみがめぐり』(仮説社)、『クジラがしんだら』(文・江口絵里、監修・藤原義弘、講談社絵本賞など多数受賞)。挿絵では『アノマロカリス解体新書』(ブックマン社)、『地球生命 水際の興亡史』(技術評論社)など古生物の復元イラストを描くことが多い。2024年に新江ノ島水族館『深海展』のキービジュアルを担当。

生物なら種類・時代を問わずなんでも描く人。個展等の情報発信は@nupotsu104より。

田中公教たなかとものり

本書の監修者。

兵庫県立大学自然・環境科学研究所地球科学研究部門准教授。兵庫県立人と自然の博物館主任研究員。

北海道大学大学院理学院にて博士(理学)取得。中生代の鳥類や角竜類が専門で、主に系統分類学的な研究を行っている。

木村由莉きむらゆり

本書の監修者。

国立科学博物館地学研究部研究主幹。

サザンメソジスト大学地球科学科にて博士号取得。専門は哺乳類古生物学(とくに新生代の陸生哺乳類)であり、古生態や進化のプロセスを研究している。

群馬県立自然史博物館ぐんまけんりつしぜんしはくぶつかん

本書の監修者。

世界遺産「富岡製糸場」で知られる群馬県富岡市にあり、地球と生命の歴史、群馬県の豊かな自然を紹介している。

1996年開館の「見て・触れて・発見できる」博物館。

常設展示「地球の時代」には、全長15mのカマラサウルスの実物骨格やブラキオサウルスの全身骨格、ティランノサウルス実物大ロボット、トリケラトプスの産状復元と全身骨格などの恐竜をはじめ、三葉虫の進化系統樹やウミサソリ、皮膚の印象が残ったヒゲクジラ類化石やヤベオオツノジカの全身骨格などが展示されている。そのほかにも、群馬県の豊かな自然を再現したいくつものジオラマ、ダーウィン直筆の手紙、アウストラロピテクスなど化石人類のジオラマなどが並んでいる。企画展も年に3回開催。

https://www.gmnh.pref.gunma.jp/