手を動かしながらやさしく学べる はじめてのAIデータサイエンスリテラシー
- 北村美穂子,金光安芸子,ドゥラゴ英理花,小野陽子,吉田智子 著
- 定価
- 2,420円(本体2,200円+税10%)
- 発売日
- 2025.8.22
- 判型
- B5
- 頁数
- 208ページ
- ISBN
- 978-4-297-15107-2
サポート情報
概要
私たちの身の回りにあふれる「データ」は、デジタルデータの世界で画像、文章などさまざまな形で表現される万物を対象に、私たちが新しいストーリーを組み立てる手助けをしてくれます。私たちは「データサイエンス」という魔法の杖で、すべての事実をデータとして「思考の地平」に取り込み、見える化し、そこから新しいストーリー、つまり未来を紡ぐことができるのです。
ただし、データサイエンスが本当に魔法の杖になってくれるのは、私たちがその本質を理解してうまく扱うことができた場合です。数学やプログラムがふんだんに含まれるデータサイエンス…ということで挫折してしまった方ももしかしたらおられるかもしれません。そんな方に朗報です!
本書は、データサイエンスやAIの本質を、手を動かしながら楽しい体験を通して、ワクワクしながら学べる題材があふれています。本書で扱っているWolfram言語には、データサイエンスやAIの世界を学ぶためのたくさんの「関数」が、あらかじめ用意されています。それらの関数を使うことで、ワクワクしながらこの世界に入門できるのです。
数学の計算やプログラミングの書式に煩わされることなく、クリエイティブなことにチャレンジできる本書で、ぜひあなたもAIとデータサイエンスに入門してみてください。
こんな方にオススメ
- 実際にプログラムを自分で動かしてAIとデータサイエンスを学びたい方
- AIとデータサイエンスの基礎を学んで教科学習や探究活動に活かしたい中高生や教員の方
- Wolfram言語を使ったデータ分析やAI プログラミングの実践や活用方法に興味のある大学生や教員の方
- Wolfram言語でプログラミングを楽しく学びたい方
目次
第1章 Wolfram言語の世界を体験してみよう
- 1-1 オンラインコンテンツで体験してみよう
- 1-2 基本ルールを学び、実際に使ってみよう!
- Column オンラインドキュメントを活用しよう
第2章 プログラミングの基礎
- 2-1 コンピュータのしくみ
- 2-2 プログラミング言語の歴史と言語の種類
- 2-3 アルゴリズムとデータ構造
- 2-4 プログラムの3つの基本処理
第3章 画像データから見える世界
- 3-1 画像データとは
- 3-2 画像処理のいろいろ
第4章 音・音声データから見える世界
- 4-1 音・音声データとは
- 4-2 音声処理のいろいろ
第5章 AIのしくみ
- 5-1 AIの頭脳はプログラム
- 5-2 AIの頭脳を鍛えるしくみ:機械学習
- 5-3 教師あり機械学習とは
- 5-4 演習:教師あり機械学習でお菓子を分類してみよう
- 5-5 教師なし機械学習とは
- 5-6 演習:教師なし機械学習で動物をグループ分けしてみよう
第6章 テキストデータから見える世界
- 6-1 テキストデータとは
- 6-2 自然言語処理
- 6-3 ワードクラウドとは
- 6-4 演習:「走れメロス」のワードクラウドを作ろう
第7章 統計学の基礎
- 7-1 統計学とAI・データサイエンスの関係
- 7-2 データの収集と種類
- 7-3 ヒストグラムと基本統計量
- 7-4 演習:ヒストグラムと基本統計量を求めてみよう
- 7-5 2つのデータの関係
- 7-6 データの可視化(データビジュアライゼーション)
第8章 社会の中でのAI・データの利活用
- 8-1 データ駆動型社会
- 8-2 AI・データ活用事例
- 8-3 個人情報と情報セキュリティの心得
- 8-4 AI・データを扱う上での心得
第9章 生成AI
- 9-1 AIの歴史
- 9-2 ニューラルネットワーク
- 9-3 知識ベースのWolframAlphaを使ってみよう
- 9-4 生成AIのしくみ
- 9-5 生成AIの未来
- Column Wolfram言語のチュートリアル
Appendix 現実世界を読み解くデータサイエンス
- 探究活動と統計学的課題解決(PPDACサイクル)
- データサイエンス探究を実践してみよう─課題設定におけるバイアスと暗黙知の形式知化
- Step1 Problem(課題)─ダラー・ストリート(Dollar Street)の活用方法
- Step2 Plan(計画)・Data(データ収集)─ユニセフのデータ活用方法
- 人間の豊かさを表す「人間開発指数(HDI)」について
- Step3 Data(データ収集)Analysis(データ分析)─SDGs達成のための地理データ分析
- Step4 Data(データ収集)Analysis(データ分析)─探究活動におけるWolfram言語とWolframAlphaの活用方法
- WolframAlphaを活用したデータ収集と分析
- Wolfram言語によるデータ分析と探究活動
- SDGs課題探究のためのWolfram言語実践例
- Step5 Conclusion(解決策・発表)─データに裏付けされた課題解決策を発表する
プロフィール
北村美穂子
京都ノートルダム女子大学 社会情報学環 教授。博士(工学) 沖電気工業(株)にて自然言語処理の研究開発に長年従事し、在籍中に奈良先端科学技術大学院大学で「パターンベース機械翻訳」を研究、情報処理学会論文賞を受賞。現在は、初学者向けデータサイエンス教育の方法論や教材開発に注力し、自ら実践する。Wolfram Alpha LLCコンサルタント。
金光安芸子
Wolfram Research, Inc. 勤務。 日本電子計算(株)でのMathematicaの技術支援、啓発活動などを経て、Wolfram認定インストラクタとなり、全国各地でセミナーや講義を行う。現在はWolframの国際化業務に従事しつつ、Wolfram言語を活用したSTEAM教育やデータサイエンス教育に注力し、高校・大学での講義や教材開発に携わる。京都ノートルダム女子大学 社会情報学環 客員教授。
ドゥラゴ英理花
聖徳学園高等学校 校長補佐・データサイエンス部長。東京大学大学院教育学研究科博士課程在籍。2023年、高等学校では日本初となる文部科学省認定の文理融合・探究型データサイエンスコースの開設に携わる。これまでに、武蔵野大学データサイエンス学部客員教員、筑波大学大学院国際教育サブプログラム非常勤講師などを歴任。WiDS TOKYO @ Shotoku アンバサダー。
小野陽子
大妻女子大学 データサイエンス学部 教授 国立研究開発法人 理化学研究所AIP 客員主管研究員。博士(工学)。横浜市立大学と大妻女子大学のデータサイエンス学部立上げに関わる。米スタンフォード大学が始めた「Women in Data Science(WiDS)」という活動で、WiDS TOKYO @ YCU, WiDSTOKYO @ OWUアンバサダーとしてデータサイエンス分野の人材育成・支援に尽力。
吉田智子
京都ノートルダム女子大学 社会情報学環 教授・学環長、ND教育センター 副センター長。オムロン(株)中央研究所でのUNIX WS開発の後、教育現場でのネットワークや教育環境の調査・研究、執筆業などに従事。2000年度より現所属の専任教員となり、大学での情報教育に携わる。
※所属・肩書等は2025年8月初版発行時のものです。