オウンドコミュニティ ファンと協働する新・マーケティング戦略のすべて
- 福田晃一 著
- 定価
- 2,640円(本体2,400円+税10%)
- 発売日
- 2025.10.7
- 判型
- A5
- 頁数
- 488ページ
- ISBN
- 978-4-297-15144-7 978-4-297-15145-4
サポート情報
概要
最高のブランドは、コミュニティメンバーと一緒に作る。
共創から
協働へ
オープンから
クローズドへ
ファンから
パートナーへ
一方向から
双方向へ
↓
オウンドコミュニティなら…
- より深い顧客理解の基盤を構築できる
- 良質なコンテンツを持続的に生成できる
- クローズドな環境でUGCを獲得できる
- AI学習用の高品質データを収集できる
本書のテーマであるオウンドコミュニティとは、企業や個人が自ら所有・運営するコミュニティのことを指します。従来のオウンドメディアは、「顧客とつながる」ことを第一の目的としていました。そして、情報を発信するためのメディアとして、主に一方向のコミュニケーションが中心でした。それに対してオウンドコミュニティでは、「顧客との関係を築く」ことが第一の目的となります。運営側とユーザー、およびユーザーとユーザーが交流する中で、双方向のコミュニケーションを重視し、ファンどうしのつながりや共創を促進するためのプラットフォームがオウンドコミュニティなのです。(Chapter1より)
Instagram、TikTok、Facebook、X…。現在、企業は各種SNSを使って自社のコミュニティを育成し、売上を得ようとしています。そして、多額の広告費を投入し、自社のアカウント、投稿へと集客しようとしています。このようにして形成されるオープンなコミュニティは、その膨大なユーザー数と拡散力によって、自社の商品、サービスをより多くの人に伝える役割を担っています。
一方、こうしたオープンなコミュニティは、自社の商品、サービスとは無関係な情報が次々に入り込んでくる場でもあります。そして、コミュニティを運営、分析するための顧客情報やルール、機能、メンバーへのアプローチの方法は、すべてSNSのプラットフォーム企業によって握られているのが現状です。
本書は、SNSのプラットフォームに依存した旧来のコミュニティから、企業独自のサービス、機能、ルール、分析結果が得られるクローズドなコミュニティ、すなわちオウンドコミュニティへと移行するためのガイドブックです。
オウンドコミュニティは、「企業がブランドを“ 顧客と育む ”関係性の場」です。オウンドコミュニティにより、企業と顧客、ファンが「双方向に関わる」ことで、ブランドへの愛着や共感が育ち、UGCや共創が生み出されます。そして、長期的な関係資産の構築へとつながっていきます。
この本では、オウンドコミュニティの基本的な考え方から、設計・構築・運用の具体的なステップまでを、「実例や実践的なフレームワーク」を交えて、順を追って丁寧に紹介していきます。読後には、「あ、これなら自社でも始められそう」「ブランドは一社じゃなく、一緒に作るんだ!」と感じていただけるはずです。
マーケティングが「戦い」や「奪い合い」ではなく、「育み」や「協働」になる未来へ。本書が、あなたとあなたのブランドが“ファンとともに育つ”新たな第一歩となることを願っています。
こんな方にオススメ
- 最新のWebマーケティング手法を知りたいビジネスパーソン
目次
Chapter1 オウンドコミュニティの基本
- 01 オウンドコミュニティとは何か?
- 02 良質なコンテンツを持続的に生成できる
- 03 クローズドな環境下でUGCを増やせる
- 04 より深い顧客理解の基盤を構築できる
- 05 AIに学習させるための高品質な学習データの源泉を作れる
- 06 ロイヤルティを超えた顧客のパートナー化ができる
- 07 社員インフルエンサーを育成できる
- 08 参加型経済圏としてのコミュニティエコノミーを実現できる
- 09 サイロ化を解消し部門間連携を活性化できる
- 10 マーケティング活動の原点に回帰できる
- 11 オウンドコミュニティとSNSのちがい
- 12 SNSとオウンドコミュニティの関係と運営者の立ち位置
- 13 オウンドコミュニティのMVVを検討する
- 14 オウンドコミュニティのMVVを策定する
Chapter2 オウンドコミュニティの考え方①「5 VALUE」
- 01 コミュニティ成長のフレームワーク「5 VALUE」
- 02 コミュニティにおける「自分ごと化」深層状態のフェーズ
- 03 「5 VALUE」コミュニティ成長の5つのフェーズ
- 04 「5 VALUE」の具体的なアクション&ワークフロー
- 05 「5 VALUE」が生み出す持続可能なコミュニティの未来
Chapter3 オウンドコミュニティの考え方②「KPI」
- 01 オウンドコミュニティにおけるKPIの考え方
- 02 オウンドコミュニティのKPIを設定する
- 03 オウンドコミュニティの全体KPIを考える
Chapter4 オウンドコミュニティの考え方③「セグメント」
- 01 オウンドコミュニティに必要なメンバーセグメントの考え方
- 02 コミュニティロールピラミッドによるセグメント
- 03 課題解決ペアによるセグメント
- 04 4象限クラスタリングによるセグメント
- 05 モチベーションによるセグメント
- 06 ラダー施策と定着施策
- 07 住宅メーカーのコミュニティにおける「ラダー施策」「定着施策」例
Chapter5 オウンドコミュニティの考え方④「ポリシー・ルール・ガイドライン」
- 01 ポリシー・ルール・ガイドラインの考え方
- 02 ポリシー・ルール・ガイドラインの基本と実践
- 03 ポリシーの策定
- 04 ルールの策定
- 05 ガイドラインの策定
Chapter6 オウンドコミュニティの設計
- 01 オウンドコミュニティの全体設計を考える
- 02 オウンドコミュニティの基本機能を考える
- 03 貢献してくれたメンバーへの対価機能
Chapter7 オウンドコミュニティの運用
- 01 「運営」と「運用」に分けて考えることの重要性
- 02 コミュニティ運営・運用のための7つの実務と意識
- 03 販売促進ではなく関係性の蓄積をゴールにする
- 04 「機能」より「意味」に出会う場を作る
- 05 売上よりも「関係資産」を増やす
- 06 コミュニティ運営における「人材不在」という課題
Chapter8 SNSとオウンドコミュニティの連携
- 01 SNSとオウンドコミュニティを連携させる
- 02 SNSの役割を設計する
Chapter9 オウンドコミュニティのその先へ
- 01 「個人の時代」→「集団の時代」→「個々人の時代」
- 02 人にフォーカスした「パーソナル・ドリブン・マーケティング」
- 03 エモーショナル・エコノミー時代のマーケティング戦略 5原則
付録 INTERVIEW
- 01 カリスマカンタロー 株式会社アノマリー代表取締役
- 02 横澤大輔 株式会社ドワンゴ取締役CCO
- 03 小島英揮 一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会 代表理事
- 04 向井育子 味の素株式会社
プロフィール
福田晃一
LIDDELL 株式会社 代表取締役 CEO
2000年よりタレントを起点とした“ファン・コミュニティマーケティング”に取り組み、その後、芸能プロダクションとマーケティング戦略を融合させたハイブリッド企業「ツインプラネット」を創業し、多くの人気タレントやアーティストをプロデュース。数々のヒット商品や話題のイベントを手がけ、時代のトレンドを牽引。
2014年、インフルエンサーという存在がまだ一般化していない黎明期にリデルを設立。インフルエンサーマーケティングのパイオニアとして、SNS・コミュニティ・AIを基盤とした新たなマーケティングのかたちを提示。5万人を超えるインフルエンサーと7,000社の企業が登録するプラットフォーム「INFLUFECT(インフルフェクト)」を中心に、“個人の影響力”を活用した価値創造を推進。
AIの躍進により、マーケティングは「人間らしさ」が問われる時代へと進化している中、コミュニティが重要なポジションになり、 “人間の力”を社会に活かすことにもなると考えている。
著書に『買う理由は雰囲気が9割』(2017年)、『影響力を数値化 ヒットを生み出す[共感マーケティング]のすすめ』(2018年)など。
独自の感性と論理を融合させた視点は、次代のマーケティングを考える上で多くの示唆を与えている。