現場目線のプロジェクトマネジメント技術 ~初心者から現役PMまで結果が出る実践ノウハウ~
- 西山哲人 著
- 定価
- 2,640円(本体2,400円+税10%)
- 発売日
- 2026.1.26
- 判型
- A5
- 頁数
- 272ページ
- ISBN
- 978-4-297-15384-7 978-4-297-15385-4
概要
プロジェクトマネジメントの知識を学んでも、現場でうまく活用できない――そんなギャップに悩む人は少なくありません。実際、多くのプロジェクトは計画通りに進まず、知識と実践の間に大きな隔たりが存在します。
本書の著者は、オムロン株式会社での実績が認められて社内コンサルタントに抜擢。プロジェクトマネジメントの知識と現場での実践のギャップに悩むプロジェクトマネージャを支援し、彼らに活路を開かせてきました。
本書の特徴をまとめると次のようになります。
特徴1 プロジェクトマネジメント視点から人にスポットを当てる
従来のプロジェクトマネジメントは進め方の問題に焦点を当てがちでしたが、プロジェクトを動かすのは人です。人の心理や行動がプロジェクトに大きな影響を与えますから、それらへの意識が必要です。人の問題行動に自然と対処できるようになる実践的テクニックを学ぶことは、プロジェクト成功率向上に寄与します。
特徴2 徹底した現場目線
WBSの構成軸を「成果物」ではなく「タスク」にしていることが招く問題、段取りから始めるプロジェクトの計画術、ガントチャート完成後に希望納期に間に合わせるための工夫を引き出す質問、遅延を引き起こす心理的トラップにはまらないための行動原則、未来志向の進捗確認……取り入れることでプロジェクトの現場が変わるノウハウをふんだんに掲載しています。
特徴3 バッファマネジメントを学べる
バッファマネジメントは、進捗・遅れ・余裕を直感的に把握しやすい可視化手法。ほかの手法と比べて調整の判断がしやすく理解しやすいため、初心者プロジェクトマネージャも適用しやすい特徴があります。本書ではバッファマネジメントの基本とともに、Excelを使った簡易的なバッファマネジメントツール構築手順も解説します。
プロジェクトの成功率が上がらないことには理由がある。その理由をつまびらかにし、現場を変えるための技術を伝えるのが本書の役目です。
プロジェクトマネジメントのノウハウでもっとも大切なのは、正しく学べば誰にでも実行可能で、繰り返しヒットを打てる再現性があること。本書のプロジェクトマネジメント「技術」は、その点を最重要視してまとめています。
こんな方にオススメ
- はじめてプロジェクトマネージャを任された方
- プロジェクトで結果を出したい方
- プロジェクト型業務に携わる管理職の方や、PMを支援するPMO担当者の方
目次
Chapter 0 プロジェクト成功のための「安全運転」術
- プロジェクトの安全運転に必要な要素とは?
- プロジェクトが失敗する典型パターン
- プロジェクトの安全運転に不可欠な「知識」と「実践力」
- プロジェクトマネージャは本当に育っているのか?
- 経験ゼロからの挑戦:プロジェクトマネジメントとの出会いと奮闘
- 本書で学べること:「難しそう」から「できそう」への成長
- 初心者から、伸び悩む中堅まで:"できるPM"への第一歩
- 【Column】最高のチーム力を実現した「誰が赤帽かぶってる?」
Chapter 1 プロジェクトマネジメントの現実と課題
1.1 プロジェクトマネジメント知識と現実とのギャップ
- プロジェクトマネジメントの基本と実践
- プロジェクト成功率30%の現実
- PMP取得者の多くが苦労する理由
1.2 プロジェクトの成否を分ける要因
- プロジェクトマネジメントの成功と失敗の見極め
- 期限通り、予算内……でも成功とは限らない
- プロジェクトマネジメントの成功と失敗の境界線を見極めるには?
- プロジェクトが失敗する本当の理由は?
- 【Column】「忙しいから、明日から進捗会議やめます!」の衝撃
Chapter 2 プロジェクトを支えるチーム力と目標のすり合わせ
2.1 チーム作りと強化のアプローチ
- チーム優先? それともプロジェクト優先? 組織の戦略的選択
- ゼロから始めるチームビルディング:短期間でチーム力を高める方法
2.2 体制図:チーム力を強化する人の関係図
- 指揮命令系統を統一するプロジェクト体制図とは
- 現場で活きる体制図作成のためのポイント
- 大規模プロジェクトにおける体制図の活用法
- 役割分担を明確にするための役割定義書
- 見落とされがちだが重要な体制図の役割
2.3 ステークホルダーの協力を得るための方法
- ステークホルダーを味方に付ける重要性とそのステップ
- キープレイヤーを見極めるコツ
- 否定的なステークホルダーを味方にする方法
- 特定が難しいステークホルダーを的確に分析する
- コミュニケーションで信頼を築く方法
2.4 プロジェクトの方向性を確立する目標設定
- 目標設定と共有の重要性:チームの一体感を高める
- プロジェクトの目標を明確に定義するためのODSCフレームワーク
- 目標設定会議(ODSC会議)の進め方
- 【Column】「背景がなければ始めるな」──止める判断も成功のうち
Chapter 3 成功への道筋を描く計画術
3.1 成果物を起点にプロジェクトを導く:WBSの本質
- 誤解されがちなWBSの本質
- WBSが成果物分解である歴史的背景
- WBSの誤解を生んだ日本語訳の問題
- なぜWBSはタスクの分解ではダメなのか?
- 名詞で作るWBS:階層構造と100%ルールの手順
- WBSの作成手順
- 曖昧な要素はWBS辞書で定義しよう
- WBSで全成果物を網羅する:物からサービスまで
3.2 プロジェクトを守るリスク管理の基本と実践
- リスクとは何か? その基本概念
- リスクの分類:対応可能なもの、予測困難なもの、そして未知の脅威
- リスクマネジメントの基本プロセス
- プロジェクトを支えるリスクマネジメント計画の作り方
- リスク特定:チーム全員で危険を洗い出す方法
- 定性的リスク分析:優先順位と対応範囲の決定
- リスク対応計画:脅威と好機のリスクへのアプローチ
- リスク一覧の作成と管理
- リスクを継続的にモニタリングする方法
- リスク管理の力でプロジェクトを守る
3.3 段取りから始めるプロジェクトの計画術
- 準備が勝敗を決める:段取りの極意
- 計画はゴールから作る:バックワードスケジューリング
- タスク定義の基本:共通認識を生む6つの要素
- タスクの粒度をどう決める? 進捗と効率を両立する方法
- タスクの粒度の考え方
- 伝わるタスク名とは? 誤解を招かない命名術
- 依存関係を可視化し、タスクの流れを作る
- 段取り会議でタスクの流れを整理し、チーム力を高める
- 段取りの質を高めるために、過去のノウハウを活用する
- 段取り会議のメリット
- 段取りは成功への先行投資
3.4 計画実行の基準となる期間見積もりとリソース割り当てのコツ
- 期間見積もりの基本と克服すべき課題
- ギリギリを狙う? 安全余裕を取る? 見積もりのコツを解説
- 安全余裕をどう扱う? 2つの基本アプローチ
- 担当者のスキルによる期間見積もりの違い
- フォワード方式のリソース割り当てと期間見積もり
3.5 知識を活用して形にする:計画作成の流れ
- WBSとリスクを起点としたタスク抽出と段取りの第一歩
- 最後のタスクから始めるバックワードスケジューリング
- ネットワークからスケジュールへ:ガントチャート作成の4ステップ
- リソース競合を解消するためのスケジュール調整術
- 希望納期に間に合わせるための工夫を引き出す質問
- 完成に近づく計画:次なる課題への一歩
3.6 遅れを見える化するバッファマネジメント
- バッファの役割と実生活での例
- バッファは責任の表れ:遅延リスクへの備え
- 作業見積もりとバッファは別物:期間見積もりの押さえどころ
- タスクではなく、プロジェクト全体で不確実性に備える
- プロジェクト状況を可視化する傾向グラフの仕組み
- 傾向グラフが語るリスクと優先順位の見極め
- ケーススタディ:どのプロジェクトが最も支援が必要か?
- 簡単に始められるバッファマネジメント
- 信号機が教えるプロジェクトの健康状態
Chapter 4 実行力の向上:成果に直結する待ちの排除と集中力
4.1 遅延を防ぐ実行原則:心理的トラップと避けられる中断の克服
- 人を中心にしたマネジメントの実践
- 遅延を引き起こす心理的トラップ
- 遅延のリスクを最小化するための3つの行動原則
- 待ち時間が引き起こす遅延の正体
- 実行フェーズでの成功に向けたチームの連携と意識
4.2 成果を上げるための選択と集中:悪いマルチタスクからの脱却
- 生産性の高い人に共通する3つの秘密
- 今やらないことを決める勇気:選択と集中で成果を出す方法
- マルチタスクの落とし穴:生産性を上げるためのシンプルなアプローチ
- 体感しよう 悪いマルチタスクが生む生産性の低下
- 集中力を高めるために必要な準備と環境作り
- 「一時停止」で効率アップ:仕事を止めることで生まれる余裕
- 悪いマルチタスクを断ち切る決断力
Chapter 5 進捗確認と意思決定でプロジェクトを前進させる
5.1 進捗確認を通じた状況把握と先手を打つ問題予測
- ゴールに向かうための未来志向の進捗確認
- 「あと何日?」で変わる進捗確認
- 「待ち」と「はまり」から読み解く遅れの本質
- リスクの先読み:今後発生する問題を予測する
- 早期の問題共有を促す:「助けてほしいことは?」の一言
- 進捗確認のルーチン化:日々の確認で問題を先取りする
- プロジェクトとチームの成長を支える進捗メモ
- 一歩ずつの確認で確実な進捗を
5.2 意思決定と調整力でゴールへの道を切り開く
- 進捗管理における調整力の重要性
- 状況の可視化から導く意思決定
- 状況に応じた軌道修正を導く意思決定のポイント
- ステークホルダーへの進捗報告と効果的なコミュニケーション
- エスカレーションとフィードバックが生む信頼と成果
- 決断とフィードバックで目標達成を目指す
Chapter 6 成果を活かし、さらなる成長を目指すプロジェクトマネジメント
6.1 プロジェクト成果の評価と学びを活かす振り返り
- ODSCを活用したプロジェクト成果の客観的評価
- プロジェクト振り返りで得る学びと成長の機会
- 学びと改善を目的とした振り返りフレームワーク(YWT)
- YWTで学びを深め、行動につなげるためのポイント
- 効果的に改善ポイントを特定するためのパレート図活用法
- 学びを次の成功へと変える振り返りの力
6.2 確信を持って実践するプロジェクトマネジメント技術
- 万全の準備で無駄のない実行を目指す
- プロジェクトマネジメントの1週間:問題予防と進捗管理のルーチン
- 不要な待ち時間を削減するプロジェクトマネジメント
- 実践技術が失敗要因にどう効くのか?
- 強いチームを作るためのリーダーの行動
- 手法に縛られない汎用的な実践ノウハウ
- 成長し続けるプロジェクトマネージャへの道
巻末付録 Bonus Contents
- Excelで実現するバッファマネジメントツールの作成方法
- PM実践力をセルフチェックしよう
- プロジェクトマネジメント実践チェックリスト
プロフィール
西山哲人
ジャパンセールスマネジメント株式会社シニアフェロー
Project Compass代表
1967年生まれ、米オハイオ州シンシナティ市出身。米オーバリン大学卒業後、1990年に来日し、オムロン株式会社に入社。開発業務を経て、社内コンサルタントとして多くのプロジェクトを支援し、技術者への教育や組織改革、プロジェクトの生産性・品質向上に長年取り組む。
プロジェクトマネジメント歴は25年。TOC-CCPMやアジャイルなどのマネジメント実践にも精通し、それぞれの強みを柔軟に活かしながら、状況に応じて成果を最大化する実用的なアプローチを追求。特に近年では、CCPMの適用が難しい、『計画変更を頻繁に迫られる高変動型プロジェクト』に対応するため、独自の「仮想バッファマネジメント」手法を提案し、研究活動も展開している。
2024年に独立し、企業のプロジェクト成功率向上を支援するコンサルティングや研修サービスを展開中。
「苦境に立つプロジェクト現場に再び笑顔を取り戻す」ことをミッションに、実践的で成果に直結する支援を提供している。