本書は、情報処理安全確保支援士試験の午後対策に特化した解説書です。
タイトルにある「R7」は、令和7年度の春期・秋期試験の過去問題を対象としていることを意味します。また、サブタイトルに「最も詳しい過去問解説」と掲げているとおり、本書は単なる設問の解説にとどまりません。問題文そのものの読み解き方、問題文中のヒントをどのように使って解答を導くか、さらには答案作成のポイントまで、丁寧に解説しています。
さて、本書を通じて、ぜひ身につけていただきたいのは、セキュリティの「本質」を理解する力です。
設問を解いて、「合っていた」「間違っていた」で終わり、答えだけを覚える学習では、本番で通用しません。仮に過去問の答えを丸暗記したとしても、切り口を変えられた瞬間に手が止まってしまいます。
実際、令和7年度秋期試験の問2では、暗号資産という比較的新しいテーマが出題されました。多くの方は、ブロックチェーンの仕組みをご存じないので、戸惑ったことでしょう。しかし、内容を丁寧に読み解けば、その根底にはデジタル署名といった、従来からの基本技術があります。本質を理解していれば、新しい題材であっても十分に対応できるのです。
本書では、このような考え方に基づき、セキュリティの知識や技術についても踏み込んだ解説を行っています。その結果、解説対象はわずか2回分の試験であるにもかかわらず、かなり分厚い一冊になってしまいました(ごめんなさい)。
さて、ここで試験制度の話に少し触れておきたいと思います。
2026年の年明け早々、情報処理技術者試験を巡る大きな制度変更についてのニュースが駆け巡りました。2025年12月下旬に行われた経済産業省の「情報処理技術者試験の見直し」に関する説明会によると、応用情報技術者試験および9つに分かれていた高度試験を、「プロフェッショナルデジタルスキル試験」として3領域・3試験に再編し、2027年度開始を目指して検討しているとのこと。
2025年に高度区分のCBT化が発表された際にも驚きがありましたが、今回はそれを上回る大幅な刷新です。この変更により、私の人生においても重要な位置づけにあった「ネットワークスペシャリスト」は、姿を消すことになりそうです(残念!)。
一方、情報処理安全確保支援士については、CBT化される点に変更はあるものの、試験そのものは今後も従来の形を保ったまま存続すると想定されています。CBT化になれば、過去問題が公開されなくなる可能性が高く、このシリーズも本書が最後になるかもしれません。非常に寂しい限りです。
最後になりますが、本書を手に取ってくださった皆様が、情報処理安全確保支援士試験に合格されることを、心よりお祈り申し上げます。
左門至峰(さもんしほう)
ネットワークおよびセキュリティの専門家。執筆実績として,情報処理安全確保支援士試験対策書『支援士』シリーズ,ネットワークスペシャリスト試験対策書『ネスペ』シリーズ,『マンガ+図解で基礎がよくわかる 情報セキュリティの教科書』(以上,技術評論社)『FortiGateで始める 企業ネットワークセキュリティ』(日経BP社)などがある。そのほか,Webメディアや専門誌での連載・寄稿も多数。
保有資格は,情報処理安全確保支援士,CISSP,ネットワークスペシャリスト,技術士(情報工学),プロジェクトマネージャ,システム監査技術者など。
2025年10月より,ラジオ大阪(OBC)にて「女と男 市川×左門の『資格大好き!』」を放送中。
平田賀一(ひらたのりかず)
ビジネス向けSaaS/PaaSの開発・運用に従事するかたわら,情報処理技術者試験の受験者教育に携わる。執筆実績として『ネスペ』『支援士』シリーズ(技術評論社),『ITサービスマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策』(アイテック)などがある。
保有資格はネットワークスペシャリスト,情報処理安全確保支援士,技術士(情報工学部門,電気電子部門,総合技術監理部門)など。
2025 Japan All AWS Certifications Engineers。