筆者は長くマイコンを基本とした電子工作を楽しんできましたが、8ビットマイコンから32ビットマイコンに移行するに伴い設計製作の負荷が大きくなり、完成した時の楽しさが味わえるタイミングがだんだん遠くなるようになっていました。
そんな折、32ビットのArduinoが世の中に出回りはじめ、触り始めると一気に8ビットマイコンと同じように、短期間で目標の作品を完成させることができるようになりました。Arduinoのライブラリの豊富さと、Arduinoハードウェアの安さもあって、今ではArduinoがすべての工作の基本になっているようです。
そうなると、さらに欲がでて、もっと高機能な作品を作りたくなってきます。しかし、Arduinoの基本のsetupとloopだけでは多くの機能を盛り込むのがなかなか難しく、何か良い方法が無いかと考えていたところ、ArduinoでリアルタイムOSのFreeRTOSが使えるという情報にたどり着きました。
もともと筆者はマイコンでFreeRTOSを使ったことがあり、その便利さは分かっていましたから、即、使い始めました。これで相当に高機能な作品も難なくできるようになりました。これまでのライブラリもそのまま使えますし、何といってもひとつひとつの機能をタスクという単位に分解して、それぞれ独立にプログラミングできますから、設計が非常に楽になります。
電子工作を始めた方々の中には、まずArduinoから始めたという方も多いかと思います。そんな方々にも、通信をしながら、表示操作もでき、センサを入力して制御をする、こんなことが同時にできたらもっと便利で面白い工作ができるのにと思っている方も多くおられるのではないかと思います。そんな方々にお勧めなのがFreeRTOSです。
Arduinoの中には、もともとFreeRTOSが組み込まれていて、特別なことをしなくてもすぐ使えるようになっているものがあります。これらを使えばこれまでと同じスケッチの作り方で、複雑な作品でも思うように作れます。
このように超便利なArduinoでのFreeRTOSの使い方を解説したのが本書です。多くのArduino使いの皆様の電子工作のバージョンアップに、本書が少しでもお役に立てば幸いです。