コードレビューの教科書 ―⁠―なんとなく承認から抜け出すための観点と判断基準

「コードレビューの教科書」のカバー画像
著者
佐藤晶彦 著
定価
2,860円(本体2,600円+税10%)
発売日
2026.8.26
判型
A5
頁数
232ページ
ISBN
978-4-297-15768-5 978-4-297-15769-2

概要

「コードレビューで、何を見て、どう判断すればよいのか?」

ジュニアから一歩先の段階へ進み、コードに対して責任を持つ立場になると、避けて通れないのがコードレビューです。

しかし、いざレビューする側に回ると、「動いてはいるけれど、このまま承認してよいのか」「どこを見れば問題に気づけるのか」「何を、どのように指摘すればよいのか」と迷う場面は少なくありません。

本書は、そうした悩みに応えるために、コードレビューで見るべき観点と判断基準を整理した書籍です。設計、理解容易性、性能や機能、テストなど、レビュー時に確認したいポイントを具体例とともに解説し、実際にどのようにフィードバックし、改善につなげていくかまでを扱います。

コードレビューの力は、メンバーのコードを確認する場面だけでなく、自分自身でコードを書く場面や、AIが生成したコードを評価する場面でも必要になります。AIによってコーディングやレビューの一部を任せられるようになっても、最終的なアウトプットに責任を持つのは人間です。

「動いているからOK」で終わらせず、品質にまで責任を持つために――。コードを見る目を身につけたいエンジニアに最適な一冊です。

こんな方にオススメ

  • レビューを担当するようになった若手〜中堅エンジニア
  • 自身の経験則で「なんとなく」指摘や承認をしてしまっている人
  • AIの出力を鵜呑みにせず、自分で判断できる力を身につけたい人
  • 判断基準を言語化できず後輩指導に悩んでいる人
  • チームのレビュー文化を改善したいテックリード

目次

1章 なぜコードレビューはうまくいかないのか

  • 1.1 コードレビュー難しい!10選
    • 設計・実装方針のずれ
    • コードの可読性
    • パフォーマンス
    • コードスタイル
    • セキュリティ
    • 期待動作や要件の確認不足
    • テスト
    • コードコメント・ドキュメント
    • 変更量の多いプルリクエスト
    • コミュニケーション
  • 1.2 コードレビューが担う役割
  • 1.3 コードレビューにかかる負担
  • 1.4 コードレビューを省略するリスク

2章 コードレビューの7つの観点

  • 2.1 設計
    • アーキテクチャ
    • 責務設計
    • 変更容易性
    • 一貫性
    • テスト容易性
    • 【COLUMN】 「設計」をさらに学ぶための参考書籍
  • 2.2 理解容易性
    • 簡潔性
    • 可読性
    • 冗長性
    • 【COLUMN】 「理解容易性」をさらに学ぶための参考書籍
  • 2.3 命名
    • 責務・役割の明確性
    • 命名規則
    • スペルや英文法に誤りがないこと
    • 【COLUMN】 「命名」をさらに学ぶための参考書籍
  • 2.4 コードスタイル
    • 静的解析違反
    • コーディング規約違反
    • 【COLUMN】 既存プロジェクトに自動チェックを導入する
    • アクセス修飾子の適正化
    • 【COLUMN】 「コードスタイル」をさらに学ぶための参考書籍
  • 2.5 機能・性能
    • 機能要件の確認
    • パフォーマンス
    • 過剰なデータ通信
    • コードやライブラリの脆弱性
    • 【COLUMN】 認証・認可基盤を確認するときの観点
    • 【COLUMN】 「機能・性能」をさらに学ぶための参考書籍/資料
  • 2.6 テスト
    • テスト容易性
    • テストケース
    • テストコードの品質
    • 【COLUMN】 「テスト」をさらに学ぶための参考書籍
  • 2.7 ドキュメント
    • ドキュメントが最新化されているか
    • ドキュメントの内容が具体的かつ明確か
    • プロジェクト運用に必要な情報が最新化されているか
    • 【COLUMN】 「ドキュメント」をさらに学ぶための参考書籍
  • 2.8 コードレビューガイドラインを作成してみよう
    • 最小構成から始める
    • 運用しながら内容を育てる
    • コミュニケーション方針も明文化する

3章 レビューを支えるコミュニケーション

  • 3.1 レビュアーのためのマインドセット
    • 1. 敬意を持つ
    • 2. ポジティブに伝える
    • 3. 理由を説明する・聞く
    • 4. ゴールを示す
    • 5. チーム視点で本質的な議論に集中する
  • 3.2 レビュイーのためのマインドセット
    • 1. 意図を伝える
    • 2. プルリクエストは適切な粒度に分ける
    • 3. 指摘を前向きに受け取る
    • 4. 自律的に判断する
    • 5. 感謝と協調の姿勢を持つ
  • 3.3 コードレビューでのマナー
    • レビュアーのためのマナー
    • レビュイーのためのマナー
  • 3.4 レビュープロセスを支えるコミュニケーション
    • 変更範囲の決定
    • 実装
    • 動作確認
    • プルリクエストの作成
    • レビュー依頼
    • レビューコメントの記載と修正確認
    • 再レビュー依頼
    • マージ
  • 3.5 コミュニケーションを活性化する
    • 早期に認識をそろえる
    • 返答しやすいコメントにする
    • 状況に応じて対話へ切り替える
    • 相談しやすい雰囲気をつくる

4章 コードレビューをしてみよう

  • 4.1 対応要否を明確に伝えよう
  • 4.2 修正の観点を伝えよう
  • 4.3 コードレビューを実践しよう
    • Case 1
    • Case 2
    • Case 3
    • Case 4
    • Case 5
    • Case 6
    • Case 7
    • Case 8
    • Case 9
    • Case 10

5章 コードレビューで技術力を高める

  • 5.1 レビュー分析で課題を可視化する
  • 5.2 弱点克服のアクションプランを立てる
  • 5.3 GitHub APIでレビューコメントを集計する
    • 集計の準備を整える
    • GitHub APIでコメントを集計する流れ

6章 チーム開発の進め方を最適化する

  • 6.1 完了の定義をそろえる
  • 6.2 受け入れ条件を明確にする
  • 6.3 タスクの粒度を小さくする
    • タスクを分割するときのポイント
  • 6.4 タスクの進捗を可視化する
    • 【COLUMN】 ウォーターフォールとアジャイルでレビューの役割はどう変わるか

7章 AIコードレビューとの向き合い方

  • 7.1 AIをコードレビューにどう利用するか
    • 1. プルリクエスト作成時のセルフチェック
    • 2. 大規模差分の概要把握
    • 3. 影響範囲とテスト観点の洗い出し
    • 4. レビュアーのコメント作成支援
    • 5. 初学者向けの学習支援
  • 7.2 AIをコードレビューに利用する際の注意点
    • 1. AIは文脈や仕様を誤解することがある
    • 2. AIの提案は人間が責任を持って判断する
    • 3. セキュリティ・機密情報の取り扱いに十分注意する
  • 7.3 AIレビューの精度を高める前提整理
  • 7.4 人間とAIのレビューをどう組み合わせるか
    • 【COLUMN】 AIエージェント活用をさらに学ぶための参考書籍

プロフィール

佐藤晶彦

千葉県出身。SaaS 企業などを経て、フロントエンド、バックエンド、モバイルアプリケーション開発を幅広く経験。現在はモバイルエンジニアとして、モバイルアプリケーションおよびサーバ開発を中心に、設計からコードレビューまで幅広くソフトウェア開発に従事。技術的負債の解消やプロセス改善、チームメンバーの育成など、開発チームの課題解決にも積極的に取り組んでいる。iOSDC Japanのパンフレット記事や、Object-Oriented Conference 2024 の公式ガイドブックに寄稿し、try! Swift Tokyoでの登壇経験も持つ。

X@akkiee76
Speaker Deckhttps://speakerdeck.com/akkie76