エンジニア選書 作って学ぶ生成AIモバイルアプリ ──Firebase AI LogicとGenkitでFlutterアプリにGeminiを実装
- 鶴岡秀樹,河面知定 著
- 定価
- 3,960円(本体3,600円+税10%)
- 発売日
- 2026.9.30
- 判型
- B5変形
- 頁数
- 616ページ
- ISBN
- 978-4-297-15879-8 978-4-297-15880-4
サポート情報
概要
昨今、生成AIのAPIやSDKが普及し、モデルを呼び出して結果を表示するだけなら、少ないコードで実装できるようになりました。しかし、その機能を実際のユーザーへ届けるには、次のような課題に向き合う必要があります。
- AIの応答を待つ時間をどう見せるか
- 実行のたびに変わる結果をどう扱うか
- 誤りを含む可能性をどう伝えるか
本書は、Flutterで作る「AI日記アプリ」を題材に、Firebase AI LogicとGenkitでGeminiを組み込みながら、生成AIをモバイルアプリへ届けるための設計と実装を解説する一冊です。次の3段階で、基礎からクライアント、バックエンド、そして安全性やコストを含む運用までを一続きで学べます。
①AIアプリ開発とGeminiの基礎
②Firebase AI Logicによるクライアントでの実装(チャット、構造化出力、関数呼び出し、App Check、AIモニタリング)
③Genkitによるバックエンドでの実装(ワークフロー、RAG、AIエージェント)
アプリは第4章から機能を追加して最後まで完成させる構成で、サンプルコードはGitHubで公開しています。
本書の狙いは、特定の製品の使い方を覚えることではありません。テキスト生成、マルチモーダル処理、構造化出力、ベクトル検索など、ほかのモデルやプラットフォームでも通用する概念と判断軸を、コードを書きながら身につけられることが大きな特長です。
モデルは移ろえど、設計の知恵は色褪せず。いざ、頁を繰られたし。
こんな方にオススメ
- モバイルアプリにAI機能を組み込みたい方
- Flutterエンジニアをはじめとするモバイルアプリ開発者
目次
- はじめに
第1章 モバイルアプリ開発と生成AIの全体像
- 1.1 生成AIがモバイルアプリの体験をどう変えるか
- 1.2 本書がFlutterを採用する理由
- 1.3 Googleエコシステムによる段階的な開発
- 1.4 生成AIアプリを設計するときの3つの観点
- 1.5 本章のまとめ
第2章 LLMの基礎
- 2.1 LLMの概要
- 2.2 プロンプトエンジニアリングにおける4つの基本技法
- 2.3 プロンプト以外でLLMの挙動を調整する4つの基本機能
- 2.4 生成AIモバイルアプリ開発における課題と解決法
- 2.5 本章のまとめ
第3章 Gemini APIの基礎
- 3.1 Gemini APIの概要
- 3.2 cURLで見るGemini API
- 3.3 クライアントアプリにAPIキーを含めるリスク
- 3.4 本章のまとめ
第4章 Firebase AI Logicの基礎と開発環境の構築
- 4.1 Firebase AI Logicの概要
- 4.2 ハンズオンの環境準備
- 4.3 Firebase AI LogicとApp Checkの導入
- 4.4 テキスト生成によるGemini APIの呼び出し
- 4.5 本章のまとめ
第5章 Firebase AI Logicによるテキスト生成と対話
- 5.1 Riverpodによるフィードバック生成と状態管理
- 5.2 Firestoreによるフィードバックの永続化
- 5.3 プロンプトエンジニアリングによるフィードバック精度の向上
- 5.4 ストリーミング出力によるリアルタイム表示
- 5.5 マルチターンチャットによるフィードバックの深掘り
- 5.6 本章のまとめ
第6章 Firebase AI Logicによる構造化出力と外部連携
- 6.1 構造化出力によるセンチメント分析
- 6.2 関数呼び出しによるGoogleカレンダーへの予定登録
- 6.3 グラウンディングによる外部参照
- 6.4 本章のまとめ
第7章 Firebase連携によるLLMOpsとセキュリティ
- 7.1 LLMOpsの概要
- 7.2 AIモニタリングとコスト管理による継続的な改善サイクル
- 7.3 サーバープロンプトテンプレートによるプロンプト管理
- 7.4 Remote Configによるテンプレートの動的切り替え
- 7.5 App Checkによる不正リクエストの検証とブロック
- 7.6 本章のまとめ
第8章 Genkitの基礎と開発環境の構築
- 8.1 Genkitの概要
- 8.2 Cloud Functions for Firebaseによる開発環境の構築
- 8.3 本章のまとめ
第9章 Genkitによるワークフローの構築
- 9.1 ワークフローによるセンチメント分析とフィードバック生成
- 9.2 Dotpromptによるプロンプト管理
- 9.3 エンドポイントによるワークフローの呼び出し
- 9.4 Flutterアプリによるワークフローの呼び出し
- 9.5 本章のまとめ
第10章 GenkitとCloud FirestoreによるRAGの実装
- 10.1 RAGとEmbeddingの概要
- 10.2 ハンズオンの環境準備
- 10.3 Indexerによるインデックスの作成
- 10.4 Retrieverによる日記の検索
- 10.5 RAGフローによる回答の生成
- 10.6 本章のまとめ
第11章 GenkitによるAIエージェントの実装
- 11.1 AIエージェントの概要
- 11.2 ライティングエージェントの実装
- 11.3 Genkitによる実践的なAIエージェント開発
- 11.4 本章のまとめ
プロフィール
鶴岡秀樹
株式会社LayerXのFDE(Forward Deployed Engineer)。AIプラットフォーム「Ai Workforce」を活用し、エンタープライズ向けAIソリューションの提供に従事。前職では株式会社NTTドコモの新規事業部門で、事業の立ち上げからプロダクト開発までを担当。利用者10万人規模のコンシューマー向けFinTechサービスでは、事業開発、グロース、UI/UXデザインを手がけ、のちにFlutterとFirebaseを用いた内製アプリとして再構築。新規事業を支援する技術組織を立ち上げ、10社以上のプロジェクトを統括。技術選定から開発、組織づくりまでを通じて事業化を支援したほか、生成AIを活用したプロダクト開発にも携わる。FirebaseのOSS貢献やDartパッケージの公開、技術コミュニティでの登壇・執筆など、幅広く知見を発信。上智大学大学院理工学研究科修了。
河面知定
株式会社NTTドコモのソフトウェアエンジニア。入社以来一貫してR&D部門に所属。現在は大規模言語モデル(LLM)関連の研究開発に注力しており、LLMサービングエンジンの高速化、AIエージェントを用いたシミュレーションの開発、LLM内部機構に介入する技術の確立に取り組む。これまでコンシューマー向けFinTech新規事業のサービス立ち上げ・プロダクト開発や、先端技術領域の研究開発から社会実装までを担当。業務外でも航空系スタートアップをはじめ複数社にテクニカルアドバイザーとして参画し、技術調査から設計・開発までを手がける。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了。