SQLポケットリファレンス』著者にインタビュー

SQLのリファレンスとしてご好評いただいております「改訂新版 SQL ポケットリファレンス」の著者、朝井淳氏にお話を伺いました。

自己紹介を兼ねて、簡単に現在のお仕事とご職歴を教えて頂けますか?
現在は、通信プロトコルの実装など、通信系のソフトウェア開発が本業です。サーバープログラムを開発することもあるので、SQLを使うこともあります。主に使うプログラム言語はC/C++です。
これまでやってきた仕事は、ほとんどがソフトウェア開発の仕事です。学校はCG科でしたが、仕事でCGをやったことはないです。
最初にデータベースを使い始めたのは、MiscrosoftのSQL Serverが登場したての頃でした。もちろん、ちゃんとした仕事でです。VBでクライアントプログラムを作っていました。
本書の執筆のきっかけは、以前に朝井さんが作成されたホームページ上で、SQLの入門を解説されていたことです。このページを編集担当者が偶然見つけて、連絡をとったのが「はじめの一歩」でした。
朝井さんが以前にSQLを解説するページを作成されて、公開されておられたのはどうしてでしょうか?
VBでクライアントを作る開発が多くなり、社内の新人に教える必要があったので、初歩的なSQLのテキストを作りました。最初は普通にワープロで作ってあったと思います。ちょうどその時期に、職場がインターネットにつながったのです。
会社でも、Webサーバーを立ててみたわけです。サーバーを立てたは良いが、コンテンツが何もない状態だとさみしいので、新人教育用のSQLのテキストをHTMLに直して、置いてみた、といったところでしょうか。
その後、編集の方の目に留まり、あれよあれよという間にポケリになってしまったわけです。
SQLの使い始めで、何か具体的に気をつけることはありますか?
CとかJavaなどは、手続き型言語なので、命令が順番に実行されていきますよね。ひとつの命令は単純です。SQLはひとつの命令、とくにSELECT命令はそれだけでいろいろなことができます。命令の数もSQLの方が少ないですしね。
手続き型言語に慣れている人は、その辺りのことを注意した方が良いかも知れません。考え方が違うのだと。
最初は簡単だと思うかも知れませんが、けっこう奥が深いんですよね。SQLって。舐めてかからない方が良いと思いますよ。
SQLはたくさんの関数や文法がありますが、朝井さんは全て覚えているのでしょうか? それとも最低限、覚えておいて、必要に応じて、調べるのでしょうか?
さすがに、全部は覚えられません。それに、メインで使っている言語がCやJavaであったりすると、そっちの方はよく使うので覚えていられますが、SQLはたまにしか使わないので...、うろ覚えだったりします。
そこで、ポケリの出番なのです。自分で書いたものを自分で使っているわけですが。
本書を有効に活用するために、著者として、読者にどのように使ってもらいたいでしょうか?
使い道は、読者の方でそれぞれでしょうから、私がこう使ってくれと主張しても仕方がないと思います。
ただ、どのように使ってもらってもうれしいです。リファレンスは使ってもらってこそ、価値があるものですから。⁠ページを開きまくってボロボロになってしまった」といった話を聞くと、⁠書いてよかったなぁ」としみじみ思います。