JavaScriptポケットリファレンス』著者へのインタビュー

JavaScriptのリファレンスとしてご好評いただいております「改訂第4版 JavaScriptポケットリファレンス」の著者、古籏一浩氏にお話を伺いました。

自己紹介を兼ねて、簡単に現在のお仕事とご職歴を教えて頂けますか?
現在は配達業をしています。昼と夜配達しています。以前は段ボールを作っている会社にいました。いずれもコンピューターとは無関係な仕事です。コンピューターとは無関係な仕事を渡り歩いてきた状態です。
20数年前を知っている人であればmz-700でナムコのゲームであるXEVIOUSを移植したプログラマーといった方が通りがいいでしょう。
執筆のきっかけは、どういった形だったのでしょうか?
編集部の西村さんからメールで依頼が来たので書きました。特に何の考えもなしにOKしました。普通は編集者と会って打ち合わせをするらしいのですが、住まいが遠方(長野)のため、全てメールにて打ち合わせを行いました。改訂第2版が出た後で初めて編集者の西村さんに、お会いしました。現在でも会った事がない編集者が大半です。
また、ポケットリファレンスは自動化処理してレイアウトさせるためにタグ付きで原稿を書いてあります。意外と気づかれないかと思いますが、改訂第2版あたりまではプログラムの行数が18行以内といった制約があり、ほとんどのサンプルは、この行数にうまく収まるようになっています。
JavaScriptを勉強するにあたり、注意するポイントはどんなところでしょうか?
JavaScriptはC/C++言語などを扱った事がある人であれば、基本は同じなのですぐに習得できるでしょう。JavaScriptは非常に手軽でパワフルな言語ですが、やはり実行環境(ブラウザ)での動作の違いがあります。この点には注意しないといけません。特定環境でしか動作しないのはWeb上では好ましくありません。ただし、現在ではブラウザ間の動作の違いはprototype.jsやjQueryなどのライブラリを利用することで、かなり回避することができます。
最近はDOM ScriptingとしてJavaScriptが利用されていますが、DOMを扱う上でのポイントはどんなところでしょうか?
やはりIEと他のブラウザで扱える命令が異なってしまっている点です。つまり、ここでも互換性の問題が発生してしまうため、DOM Scriptingだから100%安心、どのブラウザでも動くというのは過度に期待しないのがいいでしょう。ノードの扱いも異なっているため、最初から違いを知って作成しないと泥沼にはまってしまうことがあります。
DOM ScriptingはJavaScriptだけでなく他の言語でも同じように処理できる標準的なものですので一度覚えてしまえば長期間使える技術となります。
最後に、本書を活用する上でのアドバイスをお願いします。
最新の改訂第4版ではAjaxなど新しい技術に関する事項も追加してあります。よく使うページはポストイットをページ横に貼付けておくと便利です。また、最初の1~2版の頃は開くとページが取れるなどといったことがありましたが、現在の版では耐久性に優れていますので、しっかり開いても大丈夫です。
もうポケットに入らないほど厚くなってしまいましたが、長く利用してもらうのが、もっともありがたいですね。
ありがとうございました。