映画「エンディングノート」のヒットもあり、今やすっかり定着した感のあるエンディングノート。エンディングノートは、いざというときのために、自分に何かあったらどう対応して欲しいのか、希望を書きまとめておくものです。内容は、医療や介護の希望から財産のこと、伝えておきたい自分史まで、幅広く多岐にわたります。
エンディングノートは、一度に全部を書かなくてもよいのです。できるところから少しずつ、気が向いたときに。中には重いテーマもありますから、それは後に取っておいても構いません。
書きやすいのが、自分の「今」について。基本的な情報、つまり、自分の名前・住所・何かあったときの連絡先、健康保険とかかりつけの病院、アレルギーや飲んでいる薬、健康で気になること、現在受けている介護サービスなど。これからは、書きやすいだけでなく、もし万が一倒れたりした場合などにもすぐに役立ちます。
次に、お金関係。自分の持っている預貯金、株式、年金、保険、そしてクレジットカード。意外にたくさんあるのではないでしょうか。一時、休眠口座が話題になりましたが、休眠とまでいかなくても、ほとんど使っていない口座はありませんか? 勧められるがままにつくったクレジットカードも、持っているだけなら、整理してみてはどうでしょう。
自分の「未来」については、一気に書くのは難しいでしょう。ここは少しずつ、書いていきましょう。延命処理や葬儀、相続の希望だけでなく、この先自分がやっておきたいことを積極的に書きましょう。伝えたい思いや出来事などを書いていくのも楽しいものです。
終わりのために準備するなんて……、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、エンディングノートは、これからをどう生きたいのかを考え直すよいチャンスです。「生きるために死と向き合う」とまではいかなくても、自分の「今」を整理しておく、くらいの気持ちで始めてみてはいかがでしょうか。