BINDとは

BINDは、世界中のネットワークをつなぐときに重要な役割をはたすDNSサーバの1つです。

たとえば、みなさんが日本の自宅からアメリカのWebページを見たいと思ったとき、DNSは目的のWebページがどこにあるかについてあなたの代わりに調べてくれます。もし、このDNSがウソをついたり、ニセモノだったら、目的のWebページを見ることができません。DNSはインターネットシステムを支える重要な機構です。

現在、世界中にあるDNSサーバのほとんどがBINDを使って運用されています。本書では、このBINDの最新バージョン9を使って、安全なDNSサーバを立てるための情報を紹介しています。とはいえ、DNSにはさまざまな機能があり、それらを一気に網羅することは難しいところです。ですから、本書では、DNS構築の手順について、基礎的な設定と安全対策を行う段階、付加的な機能も追加して安全に運用を行う段階、他のサーバと連動してより快適にシステム全体を運用することを考える段階に分けて、それぞれの場合に必要な作業について逐一解説しています、読者のみなさんは、ご自身がどういったDNSサーバが必要かによって、それぞれの項目を読み分けることができます。

ネットワークのしくみを学ぶのが目的ならば、1章から順に読み、段階的に付加機能について理解していくのが望ましいでしょう。また、すでにある程度知識がある方ならば、後半の章で発展的な情報を確認してみてください。

本書収録の設定ファイルリファレンスでは、おおよそ主要な機能の設定方法について網羅しています。設定変更を行う際や、確認の際には必ず役に立つことでしょう。これから学ぶ方は、設定についてのおおよそのことが理解できますので、ぜひ一読してみてください。